登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問41:薬事関係法規・制度(販売記録・記録義務)
一般用医薬品の販売記録・情報提供に関する記録義務について、次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア第2類医薬品・第3類医薬品を販売した場合でも、要指導医薬品・第1類医薬品と同様に購入者氏名・住所・生年月日等の個人情報を記録することが薬機法で義務付けられている。
- イ要指導医薬品・第1類医薬品を販売した際に行った情報提供の記録は、薬機法施行規則の定める期間、保存しなければならない。正答
- ウ記録した情報は販売業者のみが使用するものであり、行政が立入検査を行っても当該記録を提示する義務はない。
- エ特定販売(インターネット販売等)で医薬品を販売した場合は、対面販売とは異なり記録義務が免除される。
- オ第1類医薬品の販売記録には、購入者が情報提供を拒否した旨の記録を残す必要はなく、情報提供の実施の有無のみを記録すれば足りる。
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正答はイ(正しいもの)です。
要指導医薬品・第1類医薬品を販売した際の記録(品名・数量・販売日時・情報提供の有無等)は、薬機法施行規則に基づき2年間保存する義務があります。
アは誤りで、第2類・第3類の販売時に購入者の個人情報(氏名・住所・生年月日等)を記録することが義務とは規定されていません。ウは誤りで、行政の立入検査に際しては販売記録を提示する義務があります。エは誤りで、特定販売でも記録義務は課せられます。オは誤りで、購入者が情報提供を拒否した場合はその旨も記録に残す必要があります。
医薬品区分別の記録義務の概要:
| 区分 | 情報提供 | 記録義務の内容 |
|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 書面を用いた薬剤師による説明(義務) | 情報提供の実施・購入者情報・販売者情報等を記録・保存 |
| 第1類医薬品 | 書面を用いた薬剤師による説明(義務)| 情報提供の実施・拒否の有無等を記録・保存 |
| 第2類医薬品 | 薬剤師・登録販売者による説明(努力義務) | 記録は義務ではないが、安全管理上の観点から記録が推奨される |
| 第3類医薬品 | 義務なし(相談対応は必要) | 記録義務なし |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 第2類・第3類の販売時に購入者の氏名・住所・生年月日等の個人情報を記録することは薬機法上の義務ではありません。記録が義務とされるのは主に要指導医薬品・第1類医薬品の販売時です。
- イ(正): 要指導医薬品・第1類医薬品を販売した際の記録(品名・数量・販売日時・情報提供の有無等)は、薬機法施行規則に基づき2年間保存する義務があります。正しい記述です。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 保存期間は2年(薬機法施行規則第14条第2項・第146条第2項)。なお購入者の連絡先記録は努力義務。e-Govで突合 -->
- ウ(誤): 行政の立入検査時には帳簿・販売記録等を提示する義務があります。「提示義務なし」は誤りです。
- エ(誤): 特定販売(ネット販売等)においても販売記録の義務は課せられます。対面販売免除規定はありません。
- オ(誤): 第1類医薬品の販売記録には、購入者が情報提供を希望しなかった(拒否した)場合にはその旨も記録する必要があります。情報提供の実施有無のみの記録では不十分です。
【販売記録制度の目的と法的根拠】
医薬品の販売記録・情報提供記録の義務は、薬機法施行規則に基づくものです。この記録制度の目的は、以下の点にあります:
1. 安全性のトレーサビリティ確保: 副作用・健康被害が発生した場合に、どのような医薬品がどのような状況で販売されたかを追跡できるようにする。
2. 情報提供義務の履行確認: 薬剤師や登録販売者が法令通りに情報提供を行ったことを確認できる証拠を残す。
3. 行政監視の実効性確保: 立入検査の際に記録を確認することで、適正販売が行われているかどうかを行政が把握できるようにする。
要指導医薬品・第1類医薬品の販売記録の具体的内容:
記録すべき主な事項(薬機法施行規則に基づく概要):
1. 品名: 販売した医薬品の名称
2. 数量: 販売量
3. 販売日時: 販売(授与)した日時
4. 販売した薬剤師の氏名: 情報提供を行った薬剤師の氏名(要指導・第1類)
5. 情報提供の実施有無: 書面による情報提供を行ったか否か
6. 情報提供の拒否(第1類): 購入者が情報提供を希望しなかった場合はその旨
第1類医薬品の情報提供と購入者拒否の記録:
第1類医薬品の購入者が書面による情報提供を「希望しない」旨を申し出た場合、薬剤師は情報提供義務が免除されますが、「購入者が情報提供を希望しなかった」という事実を記録しなければなりません。
この記録は重要です:
- 後日、副作用等のトラブルが発生した際に「薬剤師が情報提供を行おうとしたが購入者が断った」という事実を証明できる
- 購入者が情報提供拒否を利用して安易に高リスク品を購入し続けるパターンを把握する材料になる
保存期間の重要性:
記録の保存期間は、薬機法施行規則に基づき2年間とされています。保存期間(2年)内は、行政による立入検査の際に記録を提示する義務があります。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 要指導・第1類の販売記録の保存期間は2年(薬機法施行規則第14条第2項・第146条第2項)。e-Govで突合 -->
保存期間が設定される理由:
- 副作用の潜伏期間(発症まで時間がかかる副作用がある)への対応
- 行政監視の実効性確保
- 民事上の紛争(消費者トラブル等)への証拠保全
特定販売(インターネット販売)における記録:
令和7年改正等により、特定販売の要件・手続きが整備されています。ネット販売でも記録義務は課せられており、画面記録・注文履歴・情報提供内容の記録等を適切に管理することが求められます。ネット販売では対面と異なり「書面による情報提供」の方法が物理的に異なるため、電子的な方法での情報提供・記録保存が認められています。
濫用防止(令和8年改正)関連記録との関係:
令和8年の手引き改訂で強化された「濫用等のおそれのある医薬品」(コデイン含有品・エフェドリン含有品等)の販売時には、購入者の年齢確認・複数購入の状況確認等の追加的な確認と記録も求められます。これらの記録も同様に保存・管理が必要です。
登録販売者として記録義務を実践する際の注意点:
1. 記録は「後から書く」のではなく、販売時にリアルタイムで記録する習慣をつける
2. 電子的な記録(POSシステム等)でも紙の記録でも、規則の要件を満たせば有効
3. 個人情報を含む記録の管理には個人情報保護法の観点も必要
【根拠】薬機法施行規則(販売記録・情報提供記録の保存義務)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(販売記録・情報提供記録) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。