登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問58:薬事関係法規・制度(リスク区分表示・指定第2類の陳列規制)
指定第2類医薬品の外箱表示および陳列に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア指定第2類医薬品の外箱には「指定第2類」の文字を枠で囲んで表示しなければならず、「第2類」の表示だけでは区分が不明確なため認められない。
- イ第2類医薬品と指定第2類医薬品は、外箱のリスク区分表示の方法(「2」の囲み方)で区別することができる。正答
- ウ指定第2類医薬品は、情報提供設備から一定の距離(手引きでは7メートル以内が目安とされている)に陳列するか、購入者が情報提供を受けられるよう配慮した位置に陳列しなければならない。
- エ指定第2類医薬品は第1類医薬品と同様に薬剤師のみが販売できる。
- オ指定第2類医薬品の区域内の店舗では、登録販売者は指定第2類医薬品を取り扱うことができず、薬剤師が常駐している必要がある。
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正答はイ(正しいもの)です。
第2類医薬品と指定第2類医薬品は外箱のリスク区分表示で区別できます。通常の第2類は「2」と表示されるのに対し、指定第2類は「2」を枠で囲んだ形で表示されます。この表示の違いで消費者が区別できるようになっています。
アは誤り。「指定第2類」という独立の文字表示ではなく、「第2類医薬品」の文字に加えて「2」を枠で囲む方式で区別します。ウの距離規定(情報提供設備から7メートル以内)自体は正しいですが、「目安」「又は配慮した位置」という緩い言い換えで規定を不正確にしているため、最も正確なイが正答です。エは誤り。指定第2類は登録販売者も販売できます。オは誤り。薬剤師の常駐は第1類医薬品の販売に必要であり、指定第2類は登録販売者が販売できます。
リスク区分ごとの外箱表示の比較:
| リスク区分 | 外箱表示 | 販売できる者 | 情報提供 |
|---|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 「要指導医薬品」の文字を枠囲み | 薬剤師のみ | 義務(対面等・書面) |
| 第1類医薬品 | 「第1類医薬品」の文字を枠囲み | 薬剤師のみ | 義務 |
| 指定第2類医薬品 | 「第2類医薬品」の文字を枠囲み+「2」の文字を枠(四角枠又は丸枠)で囲む | 薬剤師・登録販売者 | 努力義務(陳列規制あり) |
| 第2類医薬品 | 「第2類医薬品」の文字を枠囲み | 薬剤師・登録販売者 | 努力義務 |
| 第3類医薬品 | 「第3類医薬品」の文字を枠囲み | 薬剤師・登録販売者 | 規定なし |
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 区分表示は「第○類医薬品」の文字を枠で囲んで記載(施行規則第209条の3)。指定第2類は加えて「2」の文字を枠(四角枠又は丸枠)で囲む。数字は算用数字。第1類・要指導の情報提供は令和8年5月1日施行改正で「義務」「対面等」。根拠: 薬機法施行規則・東京都健康安全研究センター表示方法 -->
各選択肢の解説:
- ア(誤): 指定第2類医薬品の表示は「指定第2類」という文字ではなく、「2」を枠で囲んだ形(「②」のような形)で表示されます。「指定第2類」と文字表示する方式は規定と異なります。
- イ(正): 第2類と指定第2類の外箱表示の違いは「2」の囲みの有無です。通常の第2類は「2」のみ、指定第2類は「2」を枠囲みした表示です。この表示の違いにより消費者・販売員が区別できます。
- ウ(記述として不正確): 「情報提供を行うための設備から7メートル以内」は手引きの「目安」ではなく、薬局等構造設備規則・施行規則上の明確な距離規定です(施錠又は1.2メートル進入防止措置がとられている場合の例外あり)。ウは「7メートル以内が目安」「又は購入者が情報提供を受けられるよう配慮した位置」という緩い表現により規定を不正確に言い換えているため、最も正確な記述であるイが正答となります。なお距離規定自体は正しく、混同しやすいポイントです。
- エ(誤): 指定第2類医薬品は登録販売者も販売できます。第1類医薬品のみが薬剤師専任の販売品目です。
- オ(誤): 指定第2類医薬品の販売に薬剤師の常駐は必要ありません。登録販売者が単独で販売できます(薬剤師不在時間中でも第2類・第3類は販売可)。
【指定第2類医薬品の制度的意義と陳列規制の詳細】
指定第2類医薬品が設けられた経緯:
2007年(平成19年)の薬事法改正(コンビニ等での医薬品販売解禁に向けた制度整備)の議論の中で、第2類医薬品の中に「特に注意が必要な成分」を含むものがあるとの認識が高まりました。第1類にするほどではないが第2類としても無制限に自由販売するには適切ではない成分・製品をどう扱うか、という課題に対して「指定第2類」という新たなカテゴリが設けられました。
主な指定第2類医薬品の成分例:
- アリルイソプロピルアセチル尿素(鎮静・催眠成分)
- ブロモバレリル尿素(鎮静成分、依存性がある)
- コデイン(特に12歳未満の使用制限が強化されている鎮咳成分)
- 一部の鼻炎用内服薬の成分
- 外用ステロイド(特に高力価のもの)
これらは適切な情報提供なしに購入されると過量使用・乱用・依存のリスクが高まる成分です。
指定第2類の陳列規制の意義と実務的運用:
指定第2類医薬品の陳列規制の趣旨は、購入者が当該医薬品を購入しようとする際に、薬剤師・登録販売者に相談しやすい環境を確保することです。
陳列規制の要件(手引き記載に基づく理解):
- 情報提供を行うためのカウンター等(情報提供設備)の付近に陳列すること
- または、購入者が情報提供を求めることができる体制が整っている場所への陳列
これにより、購入者が指定第2類医薬品を手に取ろうとした際に、自然に専門家への相談機会が生まれる購買環境が実現します。「遠い棚に自由に置く」のではなく、「相談できる場所の近くに置く」という設計です。
外箱表示による消費者向け識別体系の全体像:
外箱表示は消費者が医薬品を購入・使用する際の重要な情報源です。区分表示は「第○類医薬品」の文字を枠で囲んで記載するのが基本です(施行規則第209条の3)。リスク区分表示の体系は:
1. 要指導医薬品:「要指導医薬品」の文字を枠囲み(薬剤師との対話が必須であることを示す)
2. 第1類:「第1類医薬品」の文字を枠囲み(薬剤師による販売)
3. 指定第2類:「第2類医薬品」の文字を枠囲み+「2」の文字を枠(四角枠又は丸枠)で囲む(特別な注意が必要な第2類)
4. 第2類:「第2類医薬品」の文字を枠囲み(標準的な第2類)
5. 第3類:「第3類医薬品」の文字を枠囲み(比較的リスクが低い)
この表示体系は消費者が「この薬はどの程度の専門的判断が必要か」を外箱で認識できるよう設計されています。登録販売者はこの体系を購入者に説明できる知識が必要です。
登録販売者として指定第2類を取り扱う際の実務上の留意点:
1. 積極的な情報提供: 指定第2類は「努力義務」ながら、陳列規制の趣旨から積極的な声かけ・情報提供が期待される
2. 購入者の状態確認: 特に妊婦・授乳婦・高齢者・小児への適否の確認
3. 依存成分への注意: ブロモバレリル尿素・コデイン等の成分が含まれる場合の乱用防止観点での販売判断
4. 陳列位置の適正管理: 店舗の陳列レイアウト変更時も指定第2類の陳列規制遵守を維持する
指定第2類医薬品を正確に識別し(外箱表示・成分による判断)、適切な陳列位置で管理し、積極的な情報提供を行う能力は、登録販売者の日常業務における重要なコンピテンシーです。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法施行規則(リスク区分表示・指定第2類医薬品の陳列規制関連規定)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(リスク区分表示・指定第2類医薬品の陳列・販売規制) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。