第5章 医薬品の適正使用・安全対策21医薬品の適正使用・安全対策(副作用被害救済制度)

登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問21:医薬品の適正使用・安全対策(副作用被害救済制度)

医薬品副作用被害救済制度における給付の種類と請求期限に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 医薬品副作用被害救済制度において給付される「医療費」は、副作用による疾病の治療に要した費用のうち、健康保険等による給付の額を差し引いた自己負担分に相当する額が支給される。
  • 「障害年金」は、副作用により一定程度の障害(日常生活に著しい制限を受ける程度の症状)が生じた場合に支給される給付であり、生存中は継続的に支給される。
  • 「遺族年金」は、副作用により死亡した場合にその遺族に対して支給されるが、請求期限は死亡した日から5年以内とされている。
  • 「葬祭料」は、副作用により死亡した場合に遺族に支給される給付の一つであり、「遺族年金」とは別に請求することができる。
  • 医療費の請求期限は、副作用による健康被害が生じた日から3年以内とされており、この期限を過ぎた後に請求することはできない。正答
正答:医療費の請求期限は、副作用による健康被害が生じた日から3年以内とされており、この期限を過ぎた後に請求することはできない。

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正答(誤っている選択肢)はオです。

医療費の請求期限は、医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内とされています。「副作用による健康被害が生じた日から3年以内」という記述が誤りです。期限の起算点(費用の支払いが行われたとき)と年数(5年)の両方を正確に覚えることが重要です。

ア・イ・ウ・エはいずれも正しい内容です。医療費は自己負担分が支給され、障害年金は一定程度の障害が生じた場合に継続支給され、遺族年金は死亡日から5年以内の請求が必要で、葬祭料は遺族年金とは別に請求できます。

給付の種類(医療費・医療手当・障害年金・障害児養育年金・遺族年金・遺族一時金・葬祭料)と各請求期限の組み合わせを整理して覚えることが本論点の核心です。

標準試験対策の基準レベル

医薬品副作用被害救済制度の給付種類と請求期限の一覧:

| 給付の種類 | 支給対象 | 請求期限 |

|---|---|---|

| 医療費 | 副作用による疾病の治療費(保険給付後の自己負担分) | 医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内 |

| 医療手当 | 副作用による疾病の治療を受けた期間中の手当 | 請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月の初日から5年以内 |

| 障害年金 | 副作用による一定程度の障害(18歳以上) | 請求期限なし(障害の状態が継続している間請求可能) |

| 障害児養育年金 | 副作用による一定程度の障害を有する18歳未満の者の養育者 | 請求期限なし(障害の状態が継続している間請求可能) |

| 遺族年金 | 副作用により死亡した者の遺族(生計維持関係者優先) | 死亡したときから5年以内 |

| 遺族一時金 | 遺族年金の受給者がいない場合等の遺族 | 死亡したときから5年以内 |

| 葬祭料 | 葬祭を行う者 | 死亡したときから5年以内 |

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 医療費の起算点を「治ゆした日(症状固定日)」→「医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内」に修正(PMDA公式に基づく)。医療手当も「請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月の初日から5年以内」に修正。障害年金・障害児養育年金は請求期限なしに修正。遺族年金・遺族一時金・葬祭料は「死亡したときから5年以内」で正。 -->

各選択肢の解説:

  • ア(正): 健康保険等による給付(公的医療保険での3割→7割負担分等)を差し引いた自己負担分が医療費として支給されます。保険診療外(自費診療)の費用は全額が対象となる場合があります。
  • イ(正): 障害年金は一定程度の障害が継続している間、定期的に支給される給付です。「生存中は継続的に」という表現は障害状態の継続を前提とした記述として概ね正確です。
  • ウ(正): 遺族年金の請求期限は死亡したときから5年以内。この期限を確実に覚えることが試験対策のポイントです。
  • エ(正): 葬祭料は遺族年金・遺族一時金とは別に(または同時に)請求できる独立した給付です。
  • オ(誤): 医療費の請求期限は「副作用による健康被害が生じた日から3年以内」ではなく、「医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内」です。起算点(「生じた日」ではなく「費用の支払いが行われたとき」)と年数(「3年」ではなく「5年」)の両方が誤っています。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【医薬品副作用被害救済制度の設立経緯・給付の詳細・請求手続きを深掘りする】

1. 制度の設立経緯と法的根拠

医薬品副作用被害救済制度は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」に基づき、PMDAが運営します。

設立の背景:

  • 1970年代の薬害(サリドマイド・キノホルム(スモン病)・クロロキン等)の経験から、医薬品による健康被害の被害者が迅速・簡便に救済を受けられる制度の必要性が認識された
  • 薬害訴訟では因果関係の証明に長年・高コストを要し、被害者が救済を受けられないケースが多かった
  • 1979年(昭和54年)の薬事法改正により「医薬品副作用被害救済基金法」が制定され、翌1980年から制度が運用開始
  • その後、医薬品医療機器等法(薬機法)の前身の改正を経て現在のPMDA運営による制度へ移行

2. 給付の種類・対象と実際の金額水準

| 給付種類 | 主な支給要件 | 金額の性格 |

|---|---|---|

| 医療費 | 入院・通院が必要な副作用による疾病の治療 | 自己負担実額(上限あり) |

| 医療手当 | 治療を受けた月ごとに支給 | 月額定額(入院・通院で異なる) |

| 障害年金 | 一定の障害等級(1級・2級)に相当 | 年額定額(等級に応じる) |

| 障害児養育年金 | 18歳未満の障害児の養育 | 年額定額 |

| 遺族年金 | 生計維持者が副作用により死亡 | 年額定額(最長10年間) |

| 遺族一時金 | 遺族年金受給者なし等 | 一時金 |

| 葬祭料 | 副作用による死亡の場合の葬祭費 | 定額 |

具体的な金額は制度改正・物価変動等により変動するため、PMDAの公式情報で確認することが必要です。

3. 請求期限の詳細と起算点の考え方

医薬品副作用被害救済制度の給付には、給付の種類ごとに請求期限が定められています:

  • 医療費: 医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われたときから5年以内
  • 医療手当: 請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月の初日から5年以内
  • 遺族年金・遺族一時金・葬祭料: 死亡したときから5年以内
  • 障害年金・障害児養育年金: 請求期限の定めなし(障害の状態が継続している間はいつでも請求可能)

なぜ医療費の起算点が「費用の支払いが行われたとき」なのか:

  • 医療費は実際に支払った費用に対して支給されるため、費用の支払いという具体的な事実を起算点とするのが合理的
  • 治療が長期にわたる場合でも、各支払いごとに5年の請求期限内であれば過去分(5年以内)をさかのぼって請求できる

4. 請求手続きの流れ

1. 健康被害の認識: 副作用が疑われる症状が発生し、医師により副作用と診断される

2. 請求資料の準備: 診断書・投薬証明書等の書類準備(医師・薬局の協力が必要)

3. PMDAへの請求: 請求書と添付書類をPMDAに提出

4. 厚生労働大臣への判定申請: PMDAが受付後、薬事・食品衛生審議会に判定を諮問

5. 判定: 給付対象か否か、給付種類・金額の決定

6. 支給: 決定後PMDAから支給

手続きには数ヶ月〜1年以上かかる場合があります。

5. 不服申立て制度

給付判定に不服がある場合:

  • 不服申立てをPMDAまたは厚生労働大臣に行える
  • 訴訟提起も可能(ただし救済制度での解決が迅速)

6. 登録販売者の実務的役割

登録販売者は制度の申請手続きを直接行う立場ではありませんが:

  • 副作用被害が疑われる顧客に制度の存在を情報提供する
  • 「PMDA医薬品副作用被害救済制度専用電話窓口(0120-149-931)」の案内
  • 投薬証明書発行のために必要な情報(購入した医薬品名・購入日等)を記録・提供できる体制を整える

これらは登録販売者が「単なる販売員」ではなく、地域の医薬品安全の担い手であることを示す重要な実務です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第3節「医薬品の副作用等による健康被害の救済」(医薬品副作用被害救済制度の給付種類・請求期限関連) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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