問題
一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」に記載される、アスピリン等の解熱鎮痛成分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はアです。
手引きの別表5-1では、アスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェンについて「出産予定日12週以内の妊婦」は使用しないこととされています。妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるためです。
イは「12歳未満」ではなく「15歳未満の小児」、ウはイブプロフェンも一般用医薬品では小児向けの製品がないため「15歳未満の小児」が対象、エは喘息がアスピリン特有ではなく他の解熱鎮痛成分でも生じる、オはアスピリンには血液を「凝固しにくくさせる」作用がある、という点がそれぞれ誤りです。
別表5-1(してはいけないこと)に出てくる主な解熱鎮痛成分:
| 記載 | 対象成分 | 理由 |
|---|---|---|
| 「15歳未満の小児」 | アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム | 外国において、ライ症候群の発症との関連性が示唆されているため |
| 「15歳未満の小児」 | イブプロフェン | 一般用医薬品では、小児向けの製品はないため |
| 「出産予定日12週以内の妊婦」 | アスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェン | 妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれ |
| 「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」 | アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分 | アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため |
各選択肢の解説:
- ア(正): 別表5-1の「出産予定日12週以内の妊婦」の対象は、アスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェンです。
- イ(誤): アスピリンの年齢制限は「15歳未満の小児」です。「12歳未満の小児」が対象となるのは、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩(重篤な呼吸抑制のおそれ)です。
- ウ(誤): イブプロフェンは、一般用医薬品では小児向けの製品がないため、「15歳未満の小児」は使用しないこととされています。
- エ(誤): 喘息は「アスピリン喘息」として知られていますが、アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性があります。別表5-1でもアセトアミノフェン、イブプロフェン等が対象です。
- オ(誤): アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)には血液を「凝固しにくくさせる」作用があり、胎児や出産時の母体への影響を考慮して、出産予定日12週間以内の使用を避けることとされています。
【解熱鎮痛成分の「してはいけないこと」を第3章の記載とつなげて読む】
別表5-1の記載は、第3章(解熱鎮痛薬)の成分ごとの記述と対応しています。理由までセットで押さえると、数字や対象成分の入れ替えに強くなります。
1. 年齢の線引き(15歳未満と12歳未満を混同しない)
- サリチル酸系のアスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)、サザピリン、サリチル酸ナトリウムは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならないとされています。理由はライ症候群の発生が示唆されていることです。
- ライ症候群は、主として小児が水痘(水疱瘡)やインフルエンザ等のウイルス性疾患にかかっているときに、激しい嘔吐や意識障害、痙攣等の急性脳症の症状を呈する症候群で、発生はまれですが死亡率が高く、予後は不良とされています。
- 同じサリチル酸系でも、エテンザミド及びサリチルアミドは、水痘又はインフルエンザにかかっている15歳未満の小児に対して使用を避ける必要がある、という書き分けになっています。
- イブプロフェンの「15歳未満の小児」は、理由が「一般用医薬品では、小児向けの製品はないため」であり、ライ症候群ではありません。
- 「12歳未満の小児」はコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩の記載です。
2. 出産予定日12週以内の妊婦
- アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)には血液を凝固しにくくさせる作用もあるため、胎児や出産時の母体への影響(妊娠期間の延長、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加)を考慮して、出産予定日12週間以内の使用を避けます。
- イブプロフェンも、出産予定日12週以内の妊婦については服用しないこととされています。
- 別表5-1の理由欄には、これらに加えて「胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖」も挙げられています。
- 一方、解熱鎮痛薬全般としては、胎児への影響を考慮して、妊婦又は妊娠していると思われる女性に関して「相談すること」の項で注意喚起がなされています。「してはいけないこと」は出産予定日12週以内の妊婦とアスピリン・アスピリンアルミニウム・イブプロフェンの組合せ、と区別して覚えます。
3. 喘息(アスピリン喘息)
- 化学的に合成された解熱鎮痛成分に共通して、まれに重篤な副作用として喘息を生じることがあります。「アスピリン喘息」という名前でもアスピリン特有の副作用ではありません。
- そのため別表5-1では、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」の対象を、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分としています。
4. 実務での声かけ
- 医療用医薬品のアスピリンは、血栓ができやすい人に対する血栓予防薬の成分としても用いられています。既にアスピリン製剤が処方されている人が一般用医薬品の解熱鎮痛薬を自己判断で使用することは避け、処方した医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう伝えます。
- 子どもの発熱でかぜ薬・解熱鎮痛薬を求められたときは、アスピリン、サザピリン、イブプロフェン等が配合されていないかを確認します。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅰ-1)「添付文書の読み方」・別表5-1、第3章Ⅰ-2「解熱鎮痛薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

