電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度下期 電力 問14|電気材料・絶縁

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

磁性材料に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

電験三種「電力」電気材料・絶縁の問題(令和7年度下期 問14)。正答は(3)です。

磁性材料の損失には、磁束が周期的に変化するときに磁壁が移動して磁区の向きが反転する際に生じるヒステリシス損と、磁束の変化で誘導された電流が材料内部に流れて発熱する渦電流損があります。(3)は「磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する」としていますが、これは渦電流損が生じる仕組み(電磁誘導で誘導起電力が生じ、渦電流が流れて発熱する)の説明であり、ヒステリシス損の原因ではありません。ヒステリシス損はB-H曲線(ヒステリシスループ)が囲む面積に比例するエネルギー損失で、起電力とは直接関係しません。よって(3)が誤りで、正答は(3)です。

磁性材料に関する正誤問題(令和7年度下期 問14)。選択肢を順に検討する。

(1) 鉄・ニッケル・コバルトおよびその合金は強磁性体の代表例であり,記述は正しい。

(2) 強磁性体に交番磁界を加えると,ヒステリシス損と渦電流損を合わせた鉄損が生じて発熱する。正しい。

(3) 「交番磁界に対して,強磁性体中の磁束の周りに起電力が生じることでヒステリシス損が発生する」という記述は誤り。磁束の周りに誘導起電力が生じ,それによる渦電流がジュール熱として失われるのは渦電流損の発生原理であり,ヒステリシス損は磁区(磁壁)が交番磁界に応じて反転・移動する際の内部摩擦的なエネルギー損失である。両者の発生メカニズムを取り違えている点が誤りの核心。

(4) ヒステリシス損は,交番磁界と磁束密度の関係を示すヒステリシスループが囲む面積(1サイクルあたりの損失)と周波数の積に比例する。正しい。

(5) 渦電流損は,薄い鋼板を磁束方向に平行に積層し,表面を絶縁処理することで低減できる(積層鉄心の原理)。正しい。

以上より誤っているのは(3)で,正答は(3)。

本問は電験三種「電力」科目のうち電気材料・絶縁分野から,磁性材料の損失メカニズムを問う正誤問題(令和7年度下期 問14)。

鉄損を構成する二つの損失の発生原理を正確に区別することが本問の核心である。

【ヒステリシス損】強磁性体内部には磁区(ワイス磁区)と呼ばれる微小な磁化領域が存在し,外部の交番磁界に応じて磁壁が移動し磁区の向きが反転する。この磁区構造の変化には材料内部の摩擦的なエネルギー損失が伴い,これがヒステリシス損である。B-H特性をプロットすると描かれるヒステリシスループの面積が1サイクルあたりの損失に相当し,周波数fが高いほど単位時間あたりの損失は大きくなる(Ph∝f×Bm^n,nはおよそ1.6〜2のスタインメッツ指数)。

【渦電流損】一方,交番磁束が導電性のある強磁性体を貫くと,電磁誘導の法則により磁束の周りに誘導起電力が生じ,これによって材料内部に渦状の誘導電流(渦電流)が流れる。この電流がジュール熱として消費されるのが渦電流損であり,Pe∝f²×Bm²×t²(tは板厚)で表される。

(3)は,この渦電流損の発生原理(磁束の周りに起電力が生じる)を,ヒステリシス損の説明として誤って結び付けたものであり,両者の物理的メカニズムの違いを問う典型的な引っ掛けとなっている。

実務面では,変圧器や回転機の鉄心に,渦電流損を抑えるためケイ素鋼板を薄く積層して表面を絶縁皮膜で覆う構造が広く用いられる。ヒステリシス損についてはケイ素添加や方向性ケイ素鋼板の採用で低減が図られる。両者とも周波数に依存するが,ヒステリシス損は周波数の1乗,渦電流損は周波数の2乗に比例する点が異なり,高周波になるほど渦電流損の割合が急速に増すことも鉄損特性を論じる上で重要な区別点である。電験三種では両者の式と発生原理を混同させる選択肢が繰り返し出題されるため,公式を暗記するだけでなく物理的な発生機構まで理解しておくことが得点につながる。

この問題の根拠出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。