電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和5年度下期 電力 問5|再生可能エネルギー・分散電源

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

電験三種「電力」の分散型電源に関する正誤問題(令和5年度下期 問5)。正答は(5)です。

燃料電池は水素と酸素を反応させて水を生成する際に電気エネルギーを取り出す発電方式ですが、この反応は熱を放出する発熱反応(exothermic)であり、熱を吸収する吸熱反応ではありません。選択肢(5)は「吸熱反応」としているため誤りで、正答は(5)です。

【分散型電源の各方式の特徴】(令和5年度下期 問5)

各選択肢を検討します。

(1) 太陽電池の直流電力をインバータで交流に変換して系統連系すること、連系保護装置で停電時に電力供給を止められることは正しい記述です。

(2) 分散型電源の逆潮流による系統電圧上昇を、出力抑制や電圧調整器で抑制することは正しい記述です。

(3) 小水力発電で河川・用水路の流込み式発電が多く用いられることは正しい記述です。

(4) 洋上風力と陸上系統を海底ケーブルの直流送電で接続することがあり、直流送電では定常的な充電電流が流れないためその補償(分路リアクトル等)が不要であることは正しい記述です(交流ケーブルでは静電容量による充電電流の補償が課題になりますが、直流ではこの問題がありません)。

(5) 燃料電池は、水素(H₂)と酸素(O₂)が反応して水(H₂O)になる化学反応のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式です。この反応は熱を発生する発熱反応であり、「吸熱反応」という記述は誤りです。なお、負荷変動への応答が早い(電気化学反応で直接発電するため、回転機のような慣性の制約を受けにくい)という点自体は正しい性質ですが、反応の種類の記述が誤っているため、この選択肢全体として誤りです。

以上より、誤っているのは(5)です。

【燃料電池の発電原理とエネルギー収支】(令和5年度下期 問5)

燃料電池は、水素の燃焼反応 H₂+(1/2)O₂→H₂O を、燃焼(熱エネルギーを介した変換)ではなく電気化学反応として直接起こし、反応で放出されるエネルギーの大部分を電気エネルギーとして直接取り出す装置です。この反応は標準状態で発熱反応(反応エンタルピー変化ΔHが負)であり、水の電気分解(外部から電気エネルギーを加えて水を水素と酸素に分解する吸熱反応)のちょうど逆の反応にあたります。「吸熱反応」という記述は、この電気分解との逆の関係を取り違えた典型的な誤りのパターンです。

発熱反応であることは、エネルギー収支からも確かめられます。反応で放出されるエネルギー(ΔHの大きさ)のうち、電気として取り出せる上限はギブズエネルギー変化ΔGの分で、25℃で液体の水ができる場合は ΔG/ΔH≒237/286≒0.83 が理論上の上限になります。残りは必ず熱として放出されるので、燃料電池は発電中に発熱します。この排熱を給湯や暖房に利用するコージェネレーションにすると、電気と熱を合わせた総合効率を高められるのが燃料電池の実務上の強みです。

また、燃料電池は回転機(タービン・発電機)を介さず化学反応から直接電気を取り出すため、負荷変動に対する出力の立ち上がりが比較的早く、慣性(回転エネルギー)に依存する同期発電機と異なる特性を持ちます。本問の(5)は、後半の「負荷変動に対する応答が早い」は燃料電池の特徴として挙げられる内容で、前半の「吸熱反応」だけが誤りという作りです。文の一部だけをすり替える出題では、後半が正しくても前半の一語で誤りになる点に注意して読みましょう。他の選択肢も、(1)のインバータと連系保護装置、(2)の出力抑制と電圧調整、(4)の直流送電による充電電流補償の不要化と、いずれも分散型電源の連系で押さえるべき基本事項です。

この問題の根拠出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。