第二種電工 電気機器・配線器具・配線 問73:電気機器・配線器具・配線
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
600V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース ケーブル(CV)の絶縁物の最高許容温度[℃] は。
- ア60
- イ75
- ウ90正答
- エ120
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正答はウ「90℃」です。
600V CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)の絶縁物の最高許容温度は90℃です。架橋ポリエチレン(XLPE)は普通のポリ塩化ビニル(PVC)に比べて耐熱性が高く、高い温度まで安定した絶縁性能を保ちます。選択肢を確認すると、ア60℃はIV・VVF・VVRなど一般PVC系電線の値、イ75℃はHIV(耐熱ビニル)・EM-EEFの値、エ120℃は耐火ケーブルや特殊絶縁材の値です。CVの「90℃」という数値は試験頻出なので確実に覚えましょう。CV=架橋ポリエチレン=90℃のセットで記憶してください。
正答はウ「90℃」です。
主要電線・ケーブルの最高許容温度一覧
| 種類 | 絶縁材 | 最高許容温度 |
|------|--------|------------|
| IV・VVF・VVR | PVC(一般塩化ビニル) | 60℃ |
| HIV | 耐熱塩化ビニル | 75℃ |
| EM-EEF | ポリエチレン(ノンハロゲン) | 75℃ |
| CV・CVT | 架橋ポリエチレン(XLPE) | 90℃ |
| 耐熱ビニルシースケーブル | 耐熱PVC | 75℃ |
各選択肢の解説
ア 60℃:PVC系一般電線・ケーブル(IV・VVF・VVR等)の最高許容温度。建物内の一般配線で最も広く使われますが、耐熱性は低い。
イ 75℃:HIV(2種ビニル絶縁電線)の最高許容温度。耐熱性向上により同断面積のIV電線より許容電流が大きく、分電盤内や高温になりやすい配線箇所で使われます。
ウ(正解)90℃:CVケーブルの最高許容温度。架橋ポリエチレンの架橋構造により耐熱性・機械強度が向上。同断面積の60℃電線より許容電流が大きく、幹線・引込ケーブルとして多用されます。
エ 120℃:一般電線の選択肢には120℃は含まれません。耐火ケーブル(耐火性能重視)や超耐熱ビニル等の特殊用途に相当する値です。
CVケーブルは最高許容温度が高い分、同じ断面積でも流せる電流が多く(許容電流が大)、設計上の自由度が上がります。
正答はウ「90℃」です。CVの最高許容温度は架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁材によって90℃に設定されています。
架橋ポリエチレンの架橋処理と耐熱特性
ポリエチレン(PE)は通常の熱可塑性プラスチックですが、架橋処理(放射線架橋・化学架橋・シラン架橋)によって分子間に共有結合(橋かけ)が形成されます。これにより:
1. 耐熱変形性の向上:熱による溶融・変形が起きにくくなり、導体が90℃に達しても絶縁層が変形しない
2. 機械強度の向上:引張強度・引き裂き強度が向上
3. 耐薬品性の向上:各種溶剤・油脂に対する耐性が向上
最高許容温度と許容電流の関係
導体の最高許容温度が高いほど、同じ断面積でより大きな電流を流せます。これは次の原理によります。
電流I[A]が導体を流れると発熱量Q = I²×R[W/m]が生じます。この熱が周囲に放散されて定常温度に達する際、導体温度(T_c)=周囲温度(T_a)+ 熱抵抗(θ)×発熱量(Q)となります。
T_c(max)=90℃、T_a=30℃とすると最大許容温度差ΔT=60℃。一方T_c=60℃の電線ではΔT=30℃しか許容されないため、CVは同じ断面積でより大きなI(許容電流)を確保できます。
実務での選択指針
- 一般居住用屋内配線・分岐回路:VVF(60℃)で十分
- 幹線・引込線(電流が大きい):CV・CVTで断面積を小さくしてコスト削減
- 分電盤内接続(高温環境):HIV(75℃)でVVFより許容電流を確保
- エコ対応・ハロゲンフリー要求:EM-EEF(75℃)
第一種電気工事士・電験三種への展開
電験三種「法規」ではケーブルの絶縁耐力試験(電技解釈第15条・交流2倍電圧試験・直流3倍電圧試験)が問われます。CVケーブルのXLPE絶縁は誘電率が低く誘電損失が小さいため、高圧・超高圧の送配電ケーブルとして優れています。一方で水トリー(Water Treeing)劣化と呼ばれる絶縁劣化現象があり、高圧CVケーブルでは定期的な絶縁診断(直流耐圧試験・活線下絶縁抵抗測定)が保守上重要です。近年は脱炭素化に向けた再生可能エネルギー(洋上風力・太陽光)の大型化で超高電圧直流(HVDC)送電ケーブルにXLPEが採用されており、XLPEケーブルの技術は電力インフラの根幹をなしています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:令和4年度上期(午後) 第二種電気工事士 学科試験 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。