第二種電工 電気機器・配線器具・配線 問87:電気機器・配線器具・配線
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
写真に示す器具の用途は。
- ア三相回路の相順を調べるのに用いる。正答
- イ三相回路の電圧の測定に用いる。
- ウ三相電動機の回転速度の測定に用いる。
- エ三相電動機の軸受けの温度の測定に用いる。
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正答はア「三相回路の相順を調べるのに用いる」です。
写真に示す器具は検相器(相回転計・フェーズシーケンスメーター)です。三相電源のR・S・T(または U・V・W)の相の順序(相順)を確認するための器具です。三相誘導電動機は相順が変わると回転方向が逆転するため、電動機を接続する前に必ず相順を確認します。電源の2本を入れ替えると逆回転になるので、事前に検相器で確認することが重要です。外観はペン型・ハンディ型のコンパクトな測定器で、3本のプローブを三相電源の各端子に当てて使います。ランプや回転ディスクで相順(正相・逆相)を表示します。
正答はア「三相回路の相順を調べるのに用いる」です。
各選択肢の器具を詳しく識別します。
ア(正解):検相器(相順計)
三相交流回路の相順(位相順序・フェーズシーケンス)を確認する測定器です。三相誘導電動機は回転磁界の方向(R→S→T=正相)が変わると回転方向が逆転します。電動機の試運転前・相切り替え後の確認に必須の器具です。ランプ式(R・S・T各色のランプの点灯順)・回転円盤式(円盤の回転方向で判定)・デジタル表示式があります。
イ(不正解):三相回路の電圧の測定 → 電圧計・テスター・クランプメーター
交流電圧を測定するには電圧計・マルチメーター(テスター)・クランプメーターを使用します。検相器は電圧の値を測定するのではなく「位相の順序(相順)」を判定します。
ウ(不正解):三相電動機の回転速度の測定 → 回転計(タコメーター)
電動機の回転速度(rpm)を測定するには接触式・非接触式の回転計(タコメーター)を使用します。接触式はシャフトに当てて測定、非接触式(ストロボスコープ・光学タコメーター)は離れた位置から測定します。
エ(不正解):三相電動機の軸受けの温度の測定 → 放射温度計(赤外線温度計)・熱電対
電動機のベアリング(軸受け)の温度異常は故障の前兆です。接触型(熱電対・サーミスタ)または非接触型(赤外線温度計)で測定します。診断目的では赤外線サーモグラフィカメラを使います。
正答はア「三相回路の相順を調べるのに用いる」です。器具は検相器(相回転計)です。
三相交流の相順と重要性
三相交流は3本の電線(R・S・T またはU・V・W・L1・L2・L3)に120°ずつ位相がずれた電圧が発生します。位相順序には「正相(R→S→T)」と「逆相(R→T→S)」があります。
相順が重要な理由
1. 三相誘導電動機の回転方向:正相接続で正回転(設計通り)・逆相接続で逆回転。ポンプ・コンプレッサー・換気ファンは規定の回転方向でないと性能が出ないか機械損傷の危険があります
2. 三相変圧器の並行運転:相順が一致しないと循環電流が流れて過熱・故障が発生します
3. 高圧受電設備の切り替え:主幹と予備電源の相順が合わないと並列投入時に短絡事故が起きます
検相器の種類と使用方法
| 種類 | 動作原理 | 特徴 |
|------|---------|------|
| 回転円盤式 | 三相電圧で小型モータを駆動 | 目視で正/逆相判定 |
| ランプ式 | 相順依存の点灯順序 | 色で判定 |
| デジタル式 | マイコンで位相シーケンス演算 | 数字・矢印表示 |
| 非接触式 | 誘導方式 | 安全(高電圧対応) |
電技解釈との関連
電技解釈第175条(三相電路の相電圧)では三相電路の平衡・相順の維持が間接的に求められています。また三相変圧器の並行運転条件(電技解釈第43条)として「極性・相順・巻線比・インピーダンス」の一致が必要であり、相順確認が必須のステップです。
第一種電気工事士・電験三種への展開
第一種電気工事士の実技試験では三相3線式200Vのケーブル接続が含まれますが、本番工事では必ず相順確認を実施します。電験三種「電力」では三相電力系統の対称座標法・不平衡故障(一線地絡・二線短絡)の分析が出題されます。実務上では定期点検・停電復電後の相順確認が作業手順書に必ず含まれており、相順誤りによる電動機逆転事故は重大なヒューマンエラーのひとつとして安全管理上の重点項目となっています。また近年のスマートグリッド・分散電源導入により配電系統への逆潮流が増え、系統連系時の相順・位相確認がより重要になっています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:令和4年度下期(午前) 第二種電気工事士 学科試験 問18(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。