問題
ディーゼル機関のはずみ車(フライホイール)の目的として,正しいものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
ディーゼル機関は、燃料が燃えてピストンを押し下げる瞬間にだけ力が出るため、そのままでは回転が速くなったり遅くなったりする(回転のむら)。はずみ車(フライホイール)は重い円板で、回転の勢い(慣性)をためておき、力が出ない行程でもその勢いで回り続けるようにして、回転を滑らかにする。始動はセルモーターや圧縮空気、停止は燃料を止めて行い、冷却はラジエータや冷却水が受け持つ。正答はエ。
ディーゼル機関の部品の役割を問う問題(正答エ)。
4サイクルのディーゼル機関は「吸気→圧縮→燃焼(膨張)→排気」の4行程を、クランク軸2回転で1回繰り返す。このうち軸を回す力(トルク)を生むのは燃焼(膨張)行程だけで、他の3行程ではむしろ力を消費する。そのため1サイクルの中で回転速度が周期的に変動する。
はずみ車は慣性モーメントの大きい円板で、燃焼行程で余った回転エネルギーをためておき、ほかの行程でそれを放出して速度の変動を小さくする(エが正しい)。
ア:停止は燃料噴射を止めて行う。はずみ車は慣性で回り続けようとするので、むしろ止まりにくくなる方向に働く。
イ:冷却は冷却水とラジエータ(水冷)などの冷却装置の役割。
ウ:始動はセルモーター(始動電動機)や圧縮空気で行う。はずみ車は始動を助ける装置ではない。
発電機を回す用途では、回転のむらがそのまま周波数・電圧の変動になるため、はずみ車による平滑化が特に重要になる。
【はずみ車がエネルギーをためる仕組み】回転体がためる運動エネルギーは E=(1/2)Jω²(J:慣性モーメント、ω:角速度)。燃焼行程でトルクが負荷トルクを上回るとωが少し上がって余りのエネルギーがはずみ車にたまり、他の行程ではωが少し下がってそのエネルギーが放出される。Jが大きいほど、同じエネルギーの出入りに対するωの変化が小さくなり、回転のむらが小さくなる。
【調速機(ガバナ)との役割分担】ディーゼル発電装置では、回転速度を保つ仕組みが2つある。
・はずみ車:1サイクルの中の細かい速度変動(回転のむら)をならす。
・調速機(ガバナ):負荷が増減したときに燃料噴射量を加減して、平均の回転速度(=発電周波数)を一定に保つ。
「回転のむら」ははずみ車、「負荷変動による速度変化」は調速機、と区別しておくとよい。
【気筒数との関係】多気筒の機関では各気筒の燃焼行程がずらして配置されるため、トルクの脈動が小さくなる。気筒数が少ない機関ほど、大きなはずみ車が必要になる。
【発電機と組み合わせたときの影響】同期発電機の周波数は回転速度に比例する(f=pN/120、p:極数、N:回転速度[min⁻¹])。回転のむらが大きいと、周波数と電圧が細かく揺れ、照明のちらつきや、並列運転する場合の同期のずれの原因になる。非常用・常用の自家発電設備としてディーゼル発電装置が広く使われるのは、始動が速く燃料の保管がしやすいためであり、その安定運転をはずみ車と調速機が支えている。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問18(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

