第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 平成30年度 問30|配電理論・配線設計

問題

第一種電工 | 配電理論・配線設計 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として,不適切なものは。

配線図の①の部分(出典: 平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問30/電気技術者試験センター)
配線図の全体(出典: 平成30年度 第一種電気工事士 学科試験/電気技術者試験センター)

図・写真の中の記号が イ・ロ・ハ・ニ のときは、選択肢の ア・イ・ウ・エ に順に対応します(試験の問題用紙の表記)。

図の出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問30(一般財団法人 電気技術者試験センター)

キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

図の①のGR付PAS(地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器)は、電力会社の配電線から引き込む最初の電柱に取り付ける開閉器で、電力会社と需要家の「保安上の責任分界点」に設ける区分開閉器として使われる。構内で地絡(漏電)が起きたときに自動で開いて、電力会社の配電線に事故を広げない役目をもつ。したがって「責任分界点に設ける区分開閉器ではない」とするイが不適切。ア・ウ・エはいずれも正しい内容。正答はイ。

GR付PASの役割と注意点を問う問題(不適切なものはイ)。

イ(不適切):GR付PASは、保安上の責任分界点(電力会社と需要家の保安責任の境目)に区分開閉器として設ける代表的な機器である。地絡保護の機能(GR)を持つ区分開閉器、と理解するのが正しい。

ア(適切):構内の高圧ケーブルが長いと対地静電容量が大きくなる。構外(他の需要家など)で地絡が起きると、構内のケーブルの静電容量を通って零相電流が流れ、方向を判別しない地絡継電器が動作してしまうことがある(不必要動作)。このような施設では、零相電流と零相電圧の両方から事故の方向を判別する地絡方向継電器(DGR)を使うのが望ましい。

ウ(適切):構内の地絡で電力会社の配電用変電所の継電器が先に動作すると、同じ配電線の他の需要家まで停電する(波及事故)。GRの動作電流・動作時間を変電所側より敏感・短く整定し、保護協調をとる必要がある。

エ(適切):PASは負荷電流は開閉できるが、短絡電流は遮断できない。短絡電流が流れている最中に開くと開閉器が壊れるため、過電流を検出している間は開放を止め(過電流ロック)、変電所の遮断器が切って無電圧になってから開く仕組みが必要になる。

【責任分界点と区分開閉器】高圧で受電する自家用電気工作物では、一般送配電事業者の設備と需要家の設備の境目を「保安上の責任分界点」とし、そこに区分開閉器を設ける。架空引込みの場合、引込柱の上に地絡継電装置付きの高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)を設けるのが標準的な構成で、地中引込みの場合は地絡継電装置付きの高圧キャビネット(UGS)などが使われる。区分開閉器は、構内の点検時に電路を切り離す役目と、構内事故を配電線側へ波及させない役目を兼ねる。

【不必要動作のしくみ(選択肢ア)】非接地方式の6.6kV配電線で1線地絡が起きると、地絡電流は線路全体の対地静電容量を通って流れる。構内のケーブルが長いと、構外で起きた地絡でも構内ケーブルの静電容量分の零相電流が構内から構外へ向かって流れ、ZCTがそれを検出する。無方向のGRは電流の大きさしか見ないため動作してしまう。DGRは零相電圧(V₀)を基準に零相電流(I₀)の向きを判定するので、構内の地絡(構内へ向かう電流)にだけ動作し、もらい事故で不必要に開くことを防げる。

【保護協調(選択肢ウ)】構内事故はまず需要家側の区分開閉器で切り離し、変電所の遮断器は動かさないのが原則。そのため需要家側のGRは、変電所側の地絡継電器より動作電流を小さく、動作時間を短く整定する。協調がとれていないと、1需要家の地絡が配電線全体の停電につながる。

【過電流ロック(選択肢エ)】負荷開閉器の遮断能力は負荷電流程度までで、数千Aに達する短絡電流は遮断できない。地絡と短絡が同時に起きた場合などに、GRの信号で開こうとすると開閉器を損傷する。過電流ロック機能は、設定値以上の電流を検出している間は開放動作を止め、上位の遮断器が動作して電路が無電圧になったことを確かめてから開放する。これにより、PASは「地絡は自ら切る、短絡は上位に任せて無電圧で切り離す」という役割分担になる。

この問題の根拠出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問30(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問30(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。