第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和元年度 問12|配電理論・配線設計

問題

第一種電工 | 配電理論・配線設計 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

電子レンジの加熱方式は。

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正解は ア
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解説

電子レンジは、マイクロ波(電波の一種)を食品に当てて加熱する。食品に含まれる水などの分子は電気的なかたよりを持っていて、高い周波数で向きが変わる電界の中で激しく揺さぶられ、そのときの損失(誘電損)が熱になる。このように電界で物の内部から発熱させる方式を誘電加熱という。誘導加熱は IH 調理器(磁界で鍋に電流を流す)、抵抗加熱は電気ストーブなどのヒータ。正答はア。

電気加熱の4つの方式を区別する問題(正答ア)。

・誘電加熱(ア・正答):絶縁物(誘電体)に高周波の電界を加えると、内部の分子が電界の向きの変化に追従しようとして振動し、誘電損として熱が生じる。電子レンジはマグネトロンで発生させたマイクロ波を庫内に放射し、食品中の水分子などを発熱させる。食品の内部から直接熱が出るのが特徴で、木材の乾燥や接着などにも使われる。

・誘導加熱(イ):コイルに交流電流を流してつくった交番磁界の中に金属を置くと、金属に渦電流が流れ、そのジュール熱で加熱される。IH 調理器や金属の焼入れに使う。加熱されるのは導体(金属)で、食品そのものを直接は加熱しない。

・抵抗加熱(ウ):電流を流した抵抗体(ヒータ)に発生するジュール熱で加熱する。電気ストーブ・電気炉など。

・赤外線加熱(エ):赤外線ランプなどから出る赤外線を当て、表面に吸収させて加熱する。塗装の乾燥などに使う。

加熱の対象が「絶縁物(食品・木材)なら誘電加熱」「金属なら誘導加熱」と押さえると区別しやすい。

【誘電加熱の発熱量】誘電体の単位体積あたりの発熱量は、P=ωε₀εᵣ tanδ E²=2πf ε₀εᵣ tanδ E²(f:周波数、ε₀:真空の誘電率、εᵣ:比誘電率、tanδ:誘電正接、E:電界の強さ)で表される。発熱は周波数 f と電界の強さの2乗 E² に比例し、材料の εᵣ tanδ(誘電損率)が大きいほど熱くなりやすい。水は εᵣ tanδ が大きいため、水分を含む食品は効率よく加熱される。電子レンジが数GHz(2.45GHz帯)という非常に高い周波数を使うのは、この式のとおり周波数が高いほど発熱が大きくなるからである。

【誘導加熱との違いを式で比べる】誘導加熱は、交番磁界が金属に誘起する渦電流 I による I²R の発熱で、加熱されるのは導電性のある物体だけである。誘電加熱は、電流がほとんど流れない絶縁物でも、電界による分子の振動(誘電損)で発熱する。つまり

・誘電加熱:電界を使い、絶縁物を加熱する。

・誘導加熱:磁界を使い、導体を加熱する。

という対になっている。名前が1字違いなので、試験では「電子レンジ=誘電」「IH=誘導」を確実に区別しておく。

【内部加熱の特徴】抵抗加熱や赤外線加熱は表面から熱が伝わる外部加熱で、中心まで温まるのに時間がかかる。誘電加熱は物体の内部で同時に発熱する内部加熱のため、短時間で全体を温められる。一方、電界の分布によって加熱むらが生じることがあり、電子レンジでターンテーブルや攪拌装置を使うのはそのむらを減らすためである。

【関連問題】令和3年度の試験では IH 調理器の加熱方式(誘導加熱)が問われている。4つの加熱方式(抵抗・誘導・誘電・赤外線)と、それぞれの代表的な機器をセットで覚えておけば、どちらの形で問われても対応できる。

この問題の根拠出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。