問題
変圧器の出力に対する損失の特性曲線において,aが鉄損,bが銅損を表す特性曲線として,正しいものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
変圧器の損失には、負荷に関係なくほぼ一定の「鉄損」と、負荷電流の2乗に比例して増える「銅損」がある。出力(負荷)を横軸にとると、鉄損 a は水平な直線、銅損 b は 0 から始まって右上がりにだんだん急になる曲線(放物線)になる。この形になっているのはエのグラフ。ア(b が途中で頭打ち)、イ(a が比例して増え b が一定)、ウ(a も増える)はいずれも誤り。正答はエ。
変圧器の鉄損・銅損と出力の関係をグラフで判断する問題(正答エ)。
・鉄損(a):鉄心の磁化にともなう損失(ヒステリシス損と渦電流損)。鉄心の磁束は加わる電圧と周波数で決まり、負荷電流にはほとんど関係しないため、無負荷でも全負荷でもほぼ一定。グラフでは出力の大小によらない水平な直線になる。
・銅損(b):巻線の抵抗 R に負荷電流 I が流れて生じるジュール熱 I²R。電圧と力率が一定なら出力は電流に比例するので、銅損は出力の2乗に比例する。グラフでは原点から始まり、出力が大きくなるほど傾きが急になる下に凸の曲線になる。
各グラフの判定:
・ア:b が上に凸で途中から頭打ちになっている。銅損は出力とともに増え続けるので誤り。
・イ:a が比例直線で増え、b が一定。鉄損と銅損の性質が入れ替わっているので誤り。
・ウ:a が出力とともに増えている。鉄損は一定なので誤り。
・エ:a が水平、b が原点から右上がりに急になる曲線。正しい。
【式で表す】全負荷時の銅損を Pc、鉄損を Pi、負荷率(全負荷に対する出力の割合)を α とすると、
・鉄損=Pi(αに無関係)
・銅損=α²Pc
となる。例えば全負荷銅損 Pc=4kW の変圧器を半分の負荷(α=0.5)で使うと銅損は 0.5²×4=1kW、2割増しの負荷(α=1.2)では 1.2²×4=5.76kW になる。グラフ b が下に凸の放物線になるのはこの α² の性質による。
【2本の線の交点の意味】グラフで a と b が交わる点は「銅損=鉄損」となる出力で、変圧器の効率が最大になる点である。効率 η=出力÷(出力+Pi+α²Pc) を α で考えると、損失の合計を出力で割った値が最小になるのは α²Pc=Pi のときで、α=√(Pi/Pc) となる。上の例で Pi=1kW なら α=√(1/4)=0.5、つまり半分の負荷で効率が最大になる。
【実務での意味】配電用・受電用の変圧器は、1日のうち軽負荷の時間が長い。常に励磁されているため鉄損は24時間発生し続けるのに対し、銅損は負荷が軽い間は小さい。このため、年間の損失(電力量)を減らすには鉄損の小さい変圧器(高効率の鉄心材料を使ったトップランナー変圧器など)を選ぶことが効果的である。反対に、負荷率の高い設備では銅損の影響が大きくなる。
【関連する出題】「負荷電流が2倍になれば銅損は何倍か(4倍)」「無負荷損の大部分は何か(鉄損)」「効率が最大となる条件(銅損=鉄損)」は、文章問題としても繰り返し出題されている。グラフの形と式の両方で理解しておけば、どの形式でも対応できる。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和2年度 第一種電気工事士 学科試験 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


