第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和3年度午前 問12|配電理論・配線設計

問題

第一種電工 | 配電理論・配線設計 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

変圧器の損失に関する記述として,誤っているものは。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

銅損は巻線の抵抗に電流が流れて出る熱で、電流の2乗に比例する(I²R)。負荷電流が2倍になれば銅損は 2²=4倍になるので、「2倍になる」とするエが誤り。ア(銅損と鉄損が等しいときに効率が最大)、イ(無負荷損の大部分は鉄損)、ウ(鉄損はヒステリシス損と渦電流損からなる)はいずれも正しい。正答はエ。

変圧器の損失の性質を問う問題(誤っているものはエ)。

・エ(誤り):銅損は巻線抵抗 R に負荷電流 I が流れて生じるジュール熱で、Pc=I²R。電流が2倍なら (2I)²R=4I²R で4倍になる。「2倍」ではない。

・ア(正しい):鉄損は負荷に関係なく一定、銅損は負荷の2乗に比例して増える。損失の合計を出力で割った値が最も小さくなるのは銅損=鉄損のときで、このとき効率が最大になる。

・イ(正しい):無負荷損は二次側を開放して一次側に定格電圧を加えたときの損失。流れるのは小さな励磁電流だけなので巻線の銅損はわずかで、ほとんどが鉄心で生じる鉄損である。無負荷試験で鉄損を測れるのはこのため。

・ウ(正しい):鉄損は、鉄心の磁化の向きが交流で繰り返し変わることによるヒステリシス損と、鉄心内に誘導される渦電流によるジュール熱である渦電流損の2つからなる。

「電流の2乗に比例」は銅損に限らず、電線の電力損失(3I²r)などでも同じ考え方を使う。

【損失の分類】変圧器の損失は大きく2つに分けられる。

・無負荷損(負荷に関係なく生じる):大部分が鉄損。ほかに励磁電流による一次巻線の銅損や絶縁物の誘電損があるが、わずかである。

・負荷損(負荷電流によって生じる):大部分が巻線の銅損。ほかに漏れ磁束による構造物の損失(漂遊負荷損)がある。

【鉄損の2つの成分】

・ヒステリシス損:鉄心を交流で磁化すると、磁化の行き帰りで B-H 曲線がループを描き、そのループの面積に相当するエネルギーが1サイクルごとに熱になる。周波数 f に比例し、最大磁束密度 Bm のおよそ1.6〜2乗に比例する。ヒステリシスループの細いけい素鋼板や、さらに損失の小さいアモルファス合金を鉄心に使って減らす。

・渦電流損:交番磁束によって鉄心内に渦状の電流が流れ、ジュール熱が出る。鉄板の厚さの2乗、周波数と最大磁束密度の積の2乗に比例する。薄い鋼板を絶縁して積み重ねた積層鉄心にして減らす。

電源電圧が一定なら Bm は電圧に比例し周波数に反比例するので、負荷電流が変わっても鉄損はほとんど変わらない。

【銅損と効率】全負荷銅損を Pc、鉄損を Pi、負荷率を α とすると、銅損は α²Pc。効率 η=αP cosθ÷(αP cosθ+Pi+α²Pc)(P:定格容量)。分母と分子を α で割ると、損失の項は Pi/α+αPc となり、これが最小になる条件は Pi/α=αPc、すなわち α²Pc=Pi(銅損=鉄損)である。例えば Pi=1kW、Pc=4kW なら α=√(1/4)=0.5 で効率が最大になる。

【計算例】定格時の銅損が 2kW の変圧器で、負荷電流が定格の 1/2 になると銅損は (1/2)²×2=0.5kW、定格の 1.5 倍になると 1.5²×2=4.5kW。電流が2倍なら 2²×2=8kW で4倍である。選択肢エの「2倍」は、比例と2乗比例を取り違えた典型的な誤りで、計算問題でも同じ誤りをしやすいので注意する。

この問題の根拠出典:令和3年度(午前) 第一種電気工事士 学科試験 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター)
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出典と作り方

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