第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和2年度 問16|保安に関する法令

問題

第一種電工 | 保安に関する法令 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

全揚程200m,揚水流量が150m³/sである揚水式発電所の揚水ポンプの電動機の入力[MW]は。ただし,電動機の効率を0.9,ポンプの効率を0.85とする。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

揚水ポンプを回す電動機に必要な入力を計算する問題です。正答はエ「384」です。水を持ち上げるのに必要な動力は「9.8×揚水流量×全揚程」〔kW〕で、9.8×150×200=294,000kWです。実際にはポンプと電動機で損失があるので、必要な入力はこれを両方の効率で割ります。294,000÷(0.85×0.9)=294,000÷0.765≒384,000kW=384MWとなり、エが正答です。

揚水ポンプの電動機入力P〔kW〕は、揚水流量Q〔m³/s〕、全揚程H〔m〕、ポンプ効率ηp、電動機効率ηmを使って次の式で求めます。

P=9.8QH/(ηp×ηm)

数値を代入すると、P=9.8×150×200/(0.85×0.9)=294,000/0.765≒384,300kWです。単位をMWにすると約384MWなので、正答はエです。

ポイントは「効率で割る」ことです。水に与える動力(9.8QH)よりも、電動機に入れる電力の方が損失の分だけ大きくなるため、効率(1より小さい値)で割ります。反対に水力発電で発電機出力を求めるときは、水のもつ動力に効率を掛けます。

ほかの選択肢は、計算の誤りで出てくる値です。ウ 225は効率で割らずに掛けた値(294,000×0.765≒224,900kW)、イ 39は9.8を掛け忘れて効率で割った値(30,000÷0.765≒39,200kW)、ア 23は9.8を掛け忘れたうえ効率を掛けた値(30,000×0.765=22,950kW)です。

本問は揚水式発電所の揚水運転時の電力を求める計算問題です。発電と揚水で「効率を掛けるか割るか」が逆になる点が最大の注意点で、選択肢の数値もそこを突いて作られています。

【式の成り立ち】密度1,000kg/m³の水をQ〔m³/s〕の割合で高さH〔m〕持ち上げるのに必要な動力は、重力加速度9.8m/s²を使って1,000×9.8×Q×H〔W〕=9.8QH〔kW〕です。この「9.8QH」が水に与える(または水がもつ)動力で、発電・揚水どちらの計算にも共通する出発点です。

【揚水(ポンプ)の場合】電動機に入れた電力のうち、電動機の損失とポンプの損失を引いた残りが水に伝わります。したがって電動機入力P=9.8QH/(ηp×ηm)と効率で割ります。本問ではηp×ηm=0.85×0.9=0.765なので、P=294,000/0.765≒384,300kW≒384MWです。

【発電の場合】水がもつ動力から水車と発電機の損失を引いた残りが電気になるので、発電機出力P=9.8QHη(η=水車効率×発電機効率)と効率を掛けます。令和4年度(午前)問17は、有効落差100m・使用水量20m³/s・総合効率85%の発電機出力を問う問題で、9.8×20×100×0.85=16,660kW≒16.7MWが正答でした。本問の選択肢ウ(225)は、揚水なのに発電の式(効率を掛ける)で計算した場合の値です。

【全揚程と有効落差】揚水の「全揚程」は、実際に持ち上げる高さ(実揚程)に、管路などで失われる損失水頭を加えたものです。発電の「有効落差」は、総落差から損失水頭を引いたものです。どちらも損失を考慮済みの値として与えられるので、問題文の数値をそのまま式に入れます。

【揚水式発電所の役割】電力需要が少ない時間帯の電力で下部の調整池から上部の調整池へ水をくみ上げ、需要が多い時間帯にその水で発電します。くみ上げに使った電力量より発電できる電力量は損失の分だけ少なくなりますが、電力の需要と供給の差を調整する役割を担っています。計算問題では、単位(kW と MW)の換算と「掛けるか割るか」の2点を必ず確認しましょう。

この問題の根拠出典:令和2年度 第一種電気工事士 学科試験 問16(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和2年度 第一種電気工事士 学科試験 問16(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。