問題
高圧受電設備に雷その他による異常な過大電圧が加わった場合の避雷器の機能として,適切なものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
避雷器(LA)の働きを問う問題です。正答はアです。避雷器は、雷などで電路に異常な高い電圧が加わったとき、その電流を大地へ流して電圧を一定の値に抑え、電圧が下がったあとは電流を止めて電路を元の正常な状態に戻す装置です。電路を切り離す装置ではないので、イ・エは誤りです。ウの「限流ヒューズが溶断して切り離す」は電力ヒューズの働きで、避雷器の機能ではありません。
避雷器は、内部に電圧によって抵抗が大きく変わる素子(非直線抵抗)を持っています。
①平常時:抵抗が非常に大きく、電路から大地へほとんど電流を流しません。
②雷サージなどの過電圧が加わったとき:抵抗が急に小さくなり、雷電流を大地へ流して(分流して)、機器に加わる電圧を一定の値(制限電圧)以下に抑えます。
③過電圧が去ったあと:再び抵抗が大きくなり、電路の電圧による電流(続流)を止めて、電路を速やかに健全な状態に戻します。
この①〜③をまとめたのがアの記述で、正答です。イとエは「電路を切り離す」としていますが、避雷器は電路をつないだまま大地へ電流を逃がす装置で、相や機器を切り離す動作はしません。ウの限流ヒューズの溶断で切り離すのは、電力ヒューズ(PF)の動作です。避雷器は機器を守るため、守る機器の近く(高圧受電設備では引込口付近)に施設し、A種接地工事を施します。正答はアです。
本問は避雷器の基本機能を問う問題です。電気設備の技術基準の解釈(以下「解釈」)第37条の施設義務とあわせて整理します。
【動作原理】避雷器の主な素子は酸化亜鉛(ZnO)素子で、加わる電圧が低いうちは絶縁物のようにほとんど電流を流さず、ある電圧を超えると急に電流を流しやすくなる性質(非直線性)をもちます。雷サージが侵入すると、雷電流を大地へ流して端子間の電圧を制限電圧に抑え、サージが去ると元の高抵抗に戻って続流を流しません。令和3年度(午後)問20では「近年では酸化亜鉛(ZnO)素子を使用したものが主流」が正しい記述として、「雷電流により避雷器内部の高圧限流ヒューズが溶断し、電気設備を保護した」が誤りの記述として出題されています。本問ウと同じく、避雷器はヒューズで切り離す装置ではない、という点が繰り返し問われています。
【施設が必要な箇所(解釈第37条第1項)】高圧及び特別高圧の電路で、①発電所・蓄電所・変電所等の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く)及び引出口、②架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側、③高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要場所の引込口、④特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口、又はこれらに近接する箇所に避雷器を施設します。ただし、これらの箇所に直接接続する電線が短い場合などは省略できます(同条第2項)。
【接地(解釈第37条第3項)】高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事(接地抵抗値10Ω以下)を施します。雷電流を確実に大地へ流すためです。
【他の保護装置との違い】避雷器:過電圧を大地へ逃がす(電路はつないだまま)。電力ヒューズ(PF):短絡電流を溶断して遮断する。遮断器(VCB):保護継電器の指令で負荷電流・短絡電流を遮断する。地絡継電装置付き負荷開閉器(GR付PAS):地絡を検出して開放する。「何を検出して、どう動くか」で区別して覚えると、機能を問う問題で迷わなくなります。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和3年度(午前) 第一種電気工事士 学科試験 問21(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

