問題
図のような電路において,変圧器(6 600 / 210 V)の二次側の1 線がB 種接地工事されている。このB 種接地工事の接地抵抗値が10 Ω,負荷の金属製外箱のD 種接地工事の接地抵抗値が40 Ωであった。金属製外箱のA 点で完全地絡を生じたとき,A 点の対地電圧[V]の値は。 ただし,金属製外箱,配線及び変圧器のインピーダンスは無視する。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
変圧器の二次側にB種接地工事を施すのは、高圧と低圧が混触したときに低圧側の対地電圧が危険なほど上昇しないようにするためです。この問題では6600/210Vの変圧器の二次側にB種接地(接地抵抗10Ω)が施されており、負荷の金属製外箱にはD種接地(接地抵抗40Ω)があります。A点で完全地絡が起きると、地絡電流はB種接地とD種接地を直列に通って大地に流れ、金属製外箱の対地電圧はD種接地抵抗側の電圧降下分になります。計算すると、地絡電流=210V÷(10Ω+40Ω)=4.2A、外箱の対地電圧=4.2A×40Ω=168Vとなります。正答はイ(168V)。
B種接地工事は、高圧または特別高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側に施す接地であり、混触事故時に低圧側の対地電圧上昇を制限する目的があります。本問の回路は6600/210Vの変圧器で、二次側のB種接地抵抗R_B=10Ω、負荷外箱のD種接地抵抗R_D=40Ωです。A点完全地絡時、地絡電流はB種接地とD種接地の直列回路(R_B+R_D)を通って大地に流れます。
地絡電流 I = V ÷ (R_B + R_D) = 210 ÷ (10 + 40) = 210 ÷ 50 = 4.2A
金属製外箱(A点)の対地電圧は、地絡電流がD種接地抵抗を流れることで生じる電圧降下に等しいため、
V_A = I × R_D = 4.2 × 40 = 168V
正答はイ(168V)。分圧の向きを取り違えて「B種接地抵抗側」で計算してしまうと誤答(42V)になるため、「地絡点(外箱側)の電位はD種接地抵抗側の電圧降下で決まる」という回路の向きを正確に押さえることが重要です。
本問は自家用電気工作物の保護接地設計の核心論点です。変圧器の混触保護設計において、B種接地工事とD種接地工事の協調は電技解釈第17条(B種接地工事の接地抵抗値)と第29条(地絡時の危険電圧制限)が根拠法令となります。
【回路解析】6600/210V変圧器の二次側にB種接地R_B=10Ω、負荷金属外箱にD種接地R_D=40Ω。A点完全地絡時、B種接地とD種接地は地絡経路上で直列接続となり、二次電圧210Vがこの直列抵抗(合計50Ω)に印加される。地絡電流 I = 210 ÷ 50 = 4.2A。金属製外箱(A点)の対地電圧は、外箱がD種接地を介して大地に接続されているため、D種接地抵抗での電圧降下分となる。
V_A = I × R_D = 4.2 × 40 = 168V(正答イ)。
【分圧の向きに関する注意】この種の問題で頻出する誤りは、「B種接地抵抗側」で計算してしまい、V_A = I × R_B = 4.2 × 10 = 42V という誤答を出すことである。地絡電流が流れる閉回路全体(R_B+R_D)でオームの法則から電流を求めた後、どちら側の抵抗による電圧降下が「知りたい点(A点=外箱)の対地電圧」に相当するかを回路図に沿って正確に判断する必要がある。外箱はD種接地に接続されているため、外箱の対地電位はD種接地抵抗R_D側の電圧降下に等しい。
【B種接地抵抗値の規定】電技解釈第17条では、高圧系(6600V)に対するB種接地抵抗値は、変圧器の高圧側電路の1線地絡電流I_g[A]から算出するR≦150/I_gΩが原則です。本問の接地抵抗10Ωはこの計算を経て決定されています。1線地絡電流が大きい系統ほどB種接地抵抗を低く設定する必要があります。
【実務上の重要性】A点電位168VはD種接地工事の許容対地電圧の考え方(電技解釈第29条・感電保護の観点)から見ても無視できない電圧であり、漏電遮断器の設置や接地抵抗値の適正な管理が不可欠です。地絡が継続する場合は地絡電流による発熱や火災リスクも生じるため、地絡継電器(GR)と高圧交流遮断器(VCB)の協調による高速遮断が重要です。第一種電気工事士として、B種接地→D種接地→地絡検出の三者協調を体系的に理解することが現場設計の基礎となります。電験三種(電力・法規科目)でも同論点が問われる重要事項です。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


