衛生管理者(第一種・第二種)試験を1ヶ月(4週間)で合格するための週次学習計画と、試験を左右する法令の数値暗記攻略法を解説。職場から受験命令が出た社会人向けに、1日1〜2時間で合格圏に届く効率的な学習戦略です。
目次
結論:衛生管理者は、1日1〜2時間を4週間続ける想定なら1ヶ月(4週間)で合格を狙う計画を組めます。最優先は法令の数値暗記です。衛生管理の業務経験がなく数値の暗記も苦手な人は、2ヶ月プランが向いています。合格基準は科目ごと40%以上かつ合計60%以上です。
この記事でわかること(30秒サマリ)
- 1ヶ月合格が「現実的な人」と「2ヶ月を推奨する人」の分岐条件
- 4週間の週次スケジュール(第一種・第二種共通+第一種の追加項目)
- 試験の合否を左右する「法令の数値暗記」の効率的な方法
- 過去問中心の学習法と模擬試験の使い方
- 模試70%を目安に、受験日までの詰め方を決める方法
衛生管理者試験の基本スペック確認
試験科目と出題数
| 種別 | 科目 | 出題数 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 第二種 | 労働衛生・関係法令・労働生理 | 30問(各10問) | 3時間 |
| 第一種 | 労働衛生・関係法令・労働生理(共通)+有害業務関連 | 44問 | 3時間 |
合格基準: 科目ごと(第一種で範囲が分かれている科目は範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ合計が60%以上(例:第二種は各科目10問・100点なので各科目4問以上、かつ30問中18問以上)。
合格基準・試験時間:科目ごと(第一種衛生管理者試験の範囲が分かれる科目は範囲ごと)の得点が40%以上かつ合計60%以上。試験時間は3時間(科目免除者は2時間15分)。最終確認日:2026-10-02。出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介。
受験申請の受付期間:オンライン申請は試験日の2か月前から試験日の14日前まで(定員に達した場合は期間中でも締め切り)。最終確認日:2026-10-02。出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介。
試験の詳細・受験資格・最新の日程は公益財団法人安全衛生技術試験協会(以下、安衛試験協会)の試験日程ページで確認してください。
1ヶ月で確保できる学習時間
| 学習パターン | 1日の学習時間 | 4週間(28日)合計 |
|---|---|---|
| 通勤+夜スキマ | 1時間 | 28時間 |
| 平日夜+休日 | 平均1.5時間 | 42時間 |
| 集中型 | 平均2時間 | 56時間 |
第一種は第二種より出題範囲が広いため、第一種受験者はできれば1日平均2時間の確保を目指してください。
1ヶ月合格が現実的な人・2ヶ月を推奨する人
1ヶ月合格が現実的な人
- 職場で人事・安全衛生・総務の業務経験があり、「安全衛生委員会」「産業医」「衛生管理者」という言葉を知っている
- 法律の条文に慣れており、数値の暗記が比較的得意
- 過去問を5問解いて正答率40%以上ある(ゼロ知識でも)
- 学習を始める時点で受験日が決まっており、申請も済ませている
2ヶ月プランを推奨する人
- 職場で衛生管理の業務に全く携わったことがない
- 「労働安全衛生法」が何を規定する法律か知らない
- 数値の暗記が苦手で、条文を読んでも頭に入らない
衛生管理者試験で最重要の「法令数値」一覧
衛生管理者試験の関係法令では、選任人数・日数・周期など条文の数値を正確に覚えているかを問う問題が出ます。以下の数値は最優先で暗記してください。条文の出典は e-Gov 法令検索の現行条文(2026-10-02 時点)で、根拠は労働安全衛生規則第7条・第13条・第23条・第43条〜第45条と、労働安全衛生法施行令第4条・第5条・第9条です。
衛生管理者・産業医の選任基準
| 事業場の規模 | 衛生管理者の選任数 | 備考 |
|---|---|---|
| 常時50〜200人 | 1人以上 | 全業種 |
| 常時201〜500人 | 2人以上 | — |
| 常時501〜1,000人 | 3人以上 | — |
| 常時1,001〜2,000人 | 4人以上 | — |
| 常時2,001〜3,000人 | 5人以上 | — |
| 常時3,001人以上 | 6人以上 | — |
| 産業医の区分 | 選任要件 |
|---|---|
| 嘱託産業医 | 常時50人以上の事業場 |
| 専属産業医 | 常時1,000人以上 または 有害業務で常時500人以上 |
選任の期限と報告: 衛生管理者・産業医とも、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任する(安衛則第7条第1項第1号・第13条第1項第1号)。選任したら遅滞なく、所轄労働基準監督署長に報告する(同第7条第3項・第13条第2項)。
健康診断の実施義務
| 種別 | 実施周期 |
|---|---|
| 雇入時の健康診断(安衛則第43条) | 常時使用する労働者を雇い入れるとき |
| 定期健康診断(安衛則第44条) | 1年以内ごとに1回 |
| 特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条) | 配置替えの際と、6月以内ごとに1回 |
| 有害業務の特殊健康診断(例:有機則第29条) | 雇入れ・配置替えの際と、6月以内ごとに1回(規則ごとに周期は異なります) |
安全衛生委員会・衛生委員会
- 設置義務: 常時50人以上の事業場
- 開催頻度: 毎月1回以上
- 議事録の保存: 3年間
これらの数値は法令の重要数値まとめにさらに詳しくまとめています。選任基準は衛生管理者の選任に関する問題、産業医の選任は産業医の選任要件に関する問題、衛生委員会は衛生委員会の運営に関する問題で確かめられます。
4週間の週次スケジュール
Week1:関係法令の土台構築(最重要週)
Week1のゴール: 労働安全衛生法の骨格(衛生管理者・産業医・安全衛生委員会の選任・設置要件)の数値を暗記し、過去問70問を演習する。
| 日 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| Day1 | 過去問20問(現在地スコア測定)+スコアの分野別確認 | 60〜90分 |
| Day2 | 衛生管理者の選任義務(常時50人〜・事由発生から14日以内に選任)テキスト確認+過去問15問 | 60分 |
| Day3 | 産業医の選任義務(1,000人以上専属・50人以上嘱託)+過去問15問 | 60分 |
| Day4 | 安全衛生委員会・衛生委員会(50人以上・月1回以上)+過去問15問 | 60分 |
| Day5 | 健康診断(定期1年・特殊6ヶ月・雇入時)+過去問15問 | 60分 |
| Day6 | Week1の弱点問題を解き直し+数値の暗記確認 | 90分 |
| Day7 | 関係法令の模試20問(第二種ベース)でスコア確認 | 60分 |
Week1の判断基準: 模試で60%以上(20問中12問以上)なら順調。50%未満の場合はWeek2で法令の追加補強を優先する。
Week2:労働衛生・労働生理の基礎固め
Week2のゴール: 労働衛生(作業環境管理・作業管理・健康管理の3管理)と労働生理(人体の基本的な機能)を把握し、過去問70問を演習する。
| 日 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| Day8 | 労働衛生の3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理)の概念+過去問15問 | 60分 |
| Day9 | 採光・照明・換気(一般換気・シックハウス)の基準値+過去問15問 | 60分 |
| Day10 | 熱中症(熱射病・熱痙攣等)・職業病の種類と原因+過去問15問 | 60分 |
| Day11 | 労働生理(循環器・呼吸器・神経・筋肉の基礎)+過去問15問 | 60分 |
| Day12 | ストレス・メンタルヘルス・腰痛予防対策の概要+過去問10問 | 60分 |
| Day13〜14 | Week1〜2の横断演習・弱点問題解き直し | 各90分 |
Week3:第一種追加科目(有害業務)+全体の強化
第二種受験者: Week3は法令と労働衛生の弱点補強に集中。
第一種受験者: 追加の「有害業務関連」を学習します。
| 日 | やること(第一種) | 所要時間 |
|---|---|---|
| Day15 | 化学物質の管理(有機溶剤・鉛・特定化学物質)+過去問10問 | 90分 |
| Day16 | 粉じん・石綿の健康障害と対策+過去問10問 | 90分 |
| Day17 | 電離放射線・騒音・振動の健康障害と法令基準値+過去問10問 | 90分 |
| Day18 | 有害業務の特殊健康診断種別と実施頻度+過去問10問 | 90分 |
| Day19〜21 | 全科目(第一種44問)の横断演習・間違い問題解き直し | 各90分 |
Week3の中間チェック: 全科目の模試(第一種44問 or 第二種30問)で70%以上を目標とする。70%に達していれば「模試70% → 即受験」戦略の準備が整っている。
Week4:最終仕上げと受験日の決定
| 日 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| Day22 | 全科目の弱点問題を集中補強 | 90分 |
| Day23 | 法令の数値を最終チェック(選任数・選任期限・健診周期) | 60分 |
| Day24 | 全科目模試(本番想定)+採点 | 90〜120分 |
| Day25 | 模試で間違えた問題の解説を全部確認 | 90分 |
| Day26〜27 | 苦手な数値・用語の最終確認 | 各60分 |
| Day28 | 受験票・試験会場・持ち物の最終確認・早めに就寝 | — |
Week4の判断基準: Day24の模試で70%以上(第二種21問以上 or 第一種31問以上)なら、予定している受験日のまま受験する。60%台なら次の試験日に切り替えて、追加1〜2週間の補強後に受験する(申請は試験日の14日前までなので、次の日程の締め切りを先に確認)。
過去問中心の学習法:3つの鉄則
この記事で「過去問」と書いているのは、安全衛生技術試験協会が公表している過去の本試験の問題のことです。当サイトの問題は本試験の過去問そのものではなく、過去の出題論点をもとにした論点別の問題です。
鉄則1:テキスト通読より先に過去問を解く
多くの受験者が「テキストを全部読んでから問題を解こう」と考えます。しかし衛生管理者では「過去問を解く → 間違えた問題の数値をテキストで確認する」逆引き学習のほうが短時間で合格圏に届きます。過去問を使った勉強法の全体像も参照してください。
鉄則2:間違えた理由を「数値のミス」か「概念の誤解」かに分類する
間違えた問題を解き直すとき、「どの数値を間違えたか」「どの概念を誤解していたか」を必ずメモしてください。「数値のミス」は暗記し直せば確実に防げる失点です。
鉄則3:過去5年分を最低2周する
過去問3〜5年分を1周するだけでは「たまたまその問題を知っていた」状態に過ぎません。2周目に「なぜその数値なのか」を根拠から言えるようになって初めて「安定した得点力」になります。
法令数値の暗記を加速させる3つの方法
方法1:語呂合わせ+数字のセット暗記
「50人以上 → 衛生管理者を選任」「1,000人以上 → 産業医専属」「14日以内 → 選任期限」をセットで覚えます。単独で覚えるより「条件 → 数値 → 手続き」の3点セットで記憶すると定着が速くなります。
方法2:比較表を自分で作る
「健診の種類→実施周期」「事業場規模→選任数→専属/嘱託」の比較表を白紙に自分で書けるようになるまで繰り返してください。「書ける」状態は「見て選べる」より強固な記憶です。
方法3:「高い数値は専属・低い数値は嘱託」の大原則
衛生管理者試験の法令問題の大半は「規模が大きい → より厳しい義務」という方向性が一貫しています。個々の数値を丸暗記する前に「規模が上がるほど厳しくなる」というロジックを理解すると、暗記の効率が上がります。
まとめ:1ヶ月衛生管理者合格のための行動原則
1. Day1に過去問20問を解き、現在地スコアを確認する。
2. Week1の法令数値(50人・1000人・14日・1年・6ヶ月)を最優先で暗記する。
3. 過去問は「解いて間違えた問題をテキストで確認する」逆引き学習を徹底する。
4. 学習を始める時点で受験日を決めて申請を済ませ、Week3〜4の模試が70%以上になるように調整する。
5. Week4は新しい範囲に手を出さず、確認・定着に集中する。
1ヶ月で合格を狙う場合は、法令の数値暗記を最優先にしてください。
一次ソース
- 公益財団法人安全衛生技術試験協会(試験日程・受験資格・申請方法): https://www.exam.or.jp/
- 公益財団法人安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」: https://www.exam.or.jp/introduction/h_shokai502/
- 厚生労働省「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」: https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
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よくある質問
Q衛生管理者は1ヶ月で合格できますか?
1ヶ月(4週間)で合格を狙う学習計画は組めます。1日1〜2時間を4週間続ける想定で、合格基準は「各科目(第一種で範囲が分かれる科目は範囲ごと)の得点が40%以上、かつ合計が60%以上」です(安全衛生技術試験協会)。衛生管理者は法令の数値暗記(常時何人以上で何を設置・日数はいつまでに等)と、労働衛生の基礎知識を組み合わせた試験です。
Q第一種と第二種はどちらを受けるべきですか?
労働安全衛生規則第7条は、農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業では、衛生管理者を第一種(または衛生工学)衛生管理者免許を有する者などから選任するよう定めています。それ以外の業種(情報通信業・金融保険業・卸売小売業など)は第二種免許の保有者でも選任できます。第一種は第二種の試験範囲に有害業務に係る科目が加わる形で、出題数は第二種が30問、第一種が44問です。職場から指定された種別を受験してください。
Q1ヶ月プランで最も重要な勉強のポイントは何ですか?
法令の数値の正確な暗記が最重要です。「常時50人以上の労働者を使用する事業場には衛生管理者を選任しなければならない」「選任後14日以内に届け出る」「産業医は常時1,000人以上の事業場に専属が必要」など、衛生管理者試験は条文中の数値を正確に覚えているかどうかを問う問題が多数出題されます。用語の概念理解より数値の暗記を優先することが1ヶ月合格の核心です。
Q衛生管理者試験は過去問だけで合格できますか?
過去問中心の学習は有効な進め方の1つです。安全衛生技術試験協会は公表試験問題を公開しているので、過去の本試験の問題で出題の形式と難しさを確認できます。ただし「答えを丸暗記する」だけでは、法令の改正や数値の変更に対応できません。過去問演習と並行して、最新版のテキストや条文(e-Gov 法令検索)で数値を確認してください。
Q受験の申し込みはいつまでにすればいいですか?
安全衛生技術試験協会のオンライン申請は、試験日の2か月前から受け付けが始まり、試験日の14日前までです(定員に達した場合は期間中でも締め切られます)。「1ヶ月で仕上げる」場合は、学習を始める時点で試験日を決めて申請しておくと、学習計画の最終週を試験日に合わせられます。日程は協会の試験日程ページで確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

