問題
有機溶剤中毒予防規則(有機則)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはエです。有機溶剤業務に常時従事する労働者への有機溶剤等健康診断は、雇入れの際・配置替えの際・その後原則6か月以内ごとに1回行います(有機則第29条)。第3種有機溶剤等はタンク等の内部の業務だけが対象です。
各誤りの要点: ア→第1種を示す色は赤(第2種=黄・第3種=青)。イ→消費量が許容消費量を超えない場合などは作業主任者の規定が適用されないため「すべて」は誤り。ウ→作業環境測定は6か月以内ごとに1回。オ→濃度測定の対象は第1種・第2種で、第3種のみの作業場は対象外。
有機溶剤の区分と表示の色(有機則第1条・第25条):
| 区分 | 表示の色 | 主な物質例(安衛令別表第6の2) |
|---|---|---|
| 第1種 | 赤 | 1,2-ジクロルエチレン・二硫化炭素 |
| 第2種 | 黄 | アセトン・トルエン・キシレン・メタノール等(多数) |
| 第3種 | 青 | ガソリン・石油ナフサ・テレビン油等 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 有機則第25条第2項は「第一種有機溶剤等 赤 二 第二種有機溶剤等 黄 三 第三種有機溶剤等 青」と定めています。第1種を黄とする記述は誤りです。なお、この表示は容器ではなく、作業場の見やすい場所に行うものです。
- イ(誤): 有機則第19条により、作業主任者の選任対象から試験・研究の業務が除かれ、同第2条により、消費する有機溶剤等の量が許容消費量を超えない場合は第19条が適用されません。「すべての作業」は誤りです。
- ウ(誤): 有機則第28条第2項により、作業環境測定は「六月以内ごとに一回」です。
- エ(正): 有機則第29条第1項・第2項のとおりです。同条第6項により、作業環境の評価が直近3回連続で第1管理区分であるなどの条件を満たす場合は、1年以内ごとに1回とすることができます。
- オ(誤): 有機則第28条第1項により、測定の対象は「令別表第六の二第一号から第四十七号までに掲げる有機溶剤」(第1種・第2種)に係る業務で、第48号以下の第3種(ガソリン等)のみの作業場は含まれません。
【理論的背景】
有機則は、安衛令別表第6の2に掲げる有機溶剤を第1種・第2種・第3種に分けています(有機則第1条)。第1種は1,2-ジクロルエチレンと二硫化炭素(別表第6の2第28号・第38号)、第2種はアセトン・トルエンなど第1号〜第47号のうち指定されたもの、第3種はそれ以外(ガソリン・石油ナフサ等の第48号以下)です。四塩化炭素・クロロホルム・ベンゼンは有機溶剤ではなく、特定化学物質(安衛令別表第3第2号)として特化則で規制されます。区分によって規制のかかる場所が異なり、第3種は設備(第6条)や健康診断(第29条)などの規定がタンク等の内部に限って適用されます。
【実務・条文構造】
設備(有機則第5条・第6条):
- 第1種・第2種: 屋内作業場等で、発散源を密閉する設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれか
- 第3種: タンク等の内部で、上記または全体換気装置(吹付けの場合は全体換気装置は不可)
作業主任者(安衛令第6条第22号・有機則第19条):
- 有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から選任
- 試験・研究の業務、第2条第1項(許容消費量以下)・第3条第1項(労働基準監督署長の認定)の場合は対象外
区分の表示(有機則第25条):
- 作業場の見やすい場所に、色分けと色分け以外の方法で表示
- 第1種=赤 / 第2種=黄 / 第3種=青
作業環境測定(有機則第28条):
- 対象: 別表第6の2第1号〜第47号(第1種・第2種)に係る業務を行う屋内作業場
- 頻度: 6か月以内ごとに1回/記録: 3年間保存
- 測定のつど作業環境評価基準で評価し、第1〜第3管理区分に区分(第28条の2)
有機溶剤等健康診断(有機則第29条):
- 対象: 屋内作業場等の有機溶剤業務(第3種はタンク等の内部に限る)に常時従事する労働者
- 時期: 雇入れ・配置替えの際と、その後原則6か月以内ごとに1回
- 項目: 業務の経歴の調査・作業条件の簡易な調査・既往歴・自覚症状および他覚症状の検査など。別表の有機溶剤には尿中代謝物の量の検査等(同条第3項)
- 緩和(同条第6項): 評価が直近3回連続で第1管理区分、直近の健診後に作業方法の変更なし、直近3回の健診で新たな異常所見なし → 1年以内ごとに1回
【試験での位置づけ】
有機則では「区分と表示の色(赤・黄・青)」「作業環境測定・健診の頻度(6か月ごと)」「第3種の適用範囲(タンク等の内部)」が繰り返し問われます。アは第1種と第2種の色を入れ替えた典型的な誤りです。作業環境測定の対象が第1種・第2種に限られる点(オ)もあわせて押さえておきましょう。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 表示は「色分け及び色分け以外の方法」の両方で行います(有機則第25条第1項)。色だけ、文字だけでは足りません。
- イ: 許容消費量は区分ごとに計算式が定められ(有機則第2条第1項の表)、タンク等の内部以外では作業時間1時間、タンク等の内部では1日の消費量で判断します。超えない場合は、設備・作業主任者・保護具などの規定が適用されません。
- ウ: 測定を行ったときは、測定日時・方法・箇所・結果などをそのつど記録し、3年間保存します(有機則第28条第3項)。
- エ: 健診の結果は有機溶剤等健康診断個人票(様式第3号)を作成して5年間保存し、定期のものは所轄労働基準監督署長に報告します(有機則第30条・第30条の3)。
- オ: 第3種有機溶剤等は濃度測定の対象外ですが、タンク等の内部の作業では設備・健康診断などの規定が適用されます(有機則第6条・第29条)。
【根拠法令】有機溶剤中毒予防規則 第1条・第2条・第5条・第6条・第19条・第25条・第28条・第28条の2・第29条、労働安全衛生法施行令 第6条第22号・別表第6の2
【補足】表示の色は第1種=赤・第2種=黄・第3種=青。作業環境測定(第1種・第2種)と健診はどちらも原則6か月以内ごとに1回。
- 有機溶剤中毒予防規則第29条・第1条・第25条・第19条・第28条・第5条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第6条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則(有機則)第29条(有機溶剤等健康診断)・第28条(作業環境測定)・第25条(有機溶剤等の区分の表示)・第2条(適用の除外)・第19条(作業主任者)、労働安全衛生法施行令第6条第22号。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

