衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問1|特定化学物質の区分と作業主任者

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務) | 第一種

特定化学物質障害予防規則(特化則)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

誤りはウです。第1類・第2類物質の業務に常時従事する労働者の特殊健康診断は、原則6か月以内ごとに1回です。1年以内ごとに1回へ延ばせるのは、作業環境測定の評価が直近3回連続で第1管理区分であることなど、特化則第39条第4項の条件をすべて満たした場合に限られます。「条件にかかわらず同一の頻度でよい」という記述が誤りです。

なお、第3類物質の作業も作業主任者の選任対象であり(イ)、第1類物質の製造には厚生労働大臣の許可が要ります(ア)。

特定化学物質の区分と主な規制の整理:

区分主な物質例(安衛令別表第3)主な規制
第1類ジクロルベンジジン・ベンゾトリクロリド等製造に厚生労働大臣の許可(安衛法第56条・安衛令第17条)・作業主任者・作業環境測定・特殊健診
第2類ベンゼン・クロム酸・塩化ビニル・塩素等(多数)作業主任者・作業環境測定(6か月以内ごと)・特殊健診
第3類アンモニア・塩化水素・硫酸等漏えい防止(特定化学設備)・作業主任者(試験研究を除く)

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 安衛法第56条・安衛令第17条により、安衛令別表第3第1号の第1類物質は、製造前に厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。
  • イ(正): 安衛令第6条第18号は「別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業」(試験研究のため取り扱う作業等を除く)を作業主任者の選任対象としており、第3類物質の作業も含まれます。
  • ウ(誤): 特化則第39条第1項の健診は原則6か月以内ごとに1回です。1年以内ごとに1回に緩和できるのは、同条第4項の条件(作業環境の評価が直近3回連続で第1管理区分・直近の健診後に作業方法を変更していない・直近3回の健診で新たな異常所見がない)をすべて満たす労働者に限られ、特別管理物質などはこの緩和の対象外です。条件を問わず1年でよいとする記述は誤りです。
  • エ(正): 特化則第36条により、第1類・第2類物質の屋内作業場の測定は6か月以内ごとに1回、記録は原則3年保存ですが、同条第3項でベンゼン(別表第3第2号30)など列挙された物質に係る測定記録は30年間保存とされています。
  • オ(正): 特化則第27条により、特定化学物質作業主任者は「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」の修了者から選任します(特別有機溶剤業務に係る作業は有機溶剤作業主任者技能講習)。

【理論的背景】

特定化学物質障害予防規則(特化則)は、安衛令別表第3に掲げる特定化学物質を第1類・第2類・第3類に分け、区分ごとに異なる規制をかけている省令です。第1類は製造そのものが許可制、第1類・第2類は作業環境測定と特殊健康診断の対象、第3類は大量漏えいを防ぐ設備(特定化学設備)の規制が中心という構造です。作業主任者の選任は、安衛令第6条第18号により3つの区分すべてにかかります。

【実務・条文構造】

設備・作業管理:

  • 第1類物質: 製造許可(安衛法第56条・安衛令第17条)。容器への出し入れ等の作業では、発散源を密閉する設備・囲い式フードの局所排気装置またはプッシュプル型換気装置(特化則第3条)
  • 第3類物質等: 特定化学設備の腐食防止・接合部の漏えい防止など(特化則第13条以下)

作業主任者(特化則第27条・第28条):

  • 選任対象: 安衛令第6条第18号の作業(第1類〜第3類。試験研究のため取り扱う作業等を除く)
  • 資格: 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の修了者(特別有機溶剤業務に係る作業は有機溶剤作業主任者技能講習)
  • 職務: 作業方法の決定と労働者の指揮・局所排気装置等の1か月を超えない期間ごとの点検・保護具の使用状況の監視など

作業環境測定(特化則第36条):

  • 対象: 第1類・第2類物質を製造し、又は取り扱う屋内作業場(安衛令第21条第7号)
  • 頻度: 6か月以内ごとに1回
  • 記録: 原則3年保存。ベンゼン等列挙された物質は30年保存(同条第3項)

特殊健康診断(特化則第39条〜第40条):

  • 対象: 安衛令第22条第1項第3号の業務(第1類・第2類物質の製造・取扱い)に常時従事する労働者
  • 時期: 雇入れ・配置替えの際と、その後原則6か月以内ごとに1回
  • 1年への緩和(第39条第4項): 作業環境の評価が直近3回連続で第1管理区分、直近の健診後に作業方法の変更なし、直近3回の健診で新たな異常所見なし。特別管理物質などは対象外
  • 個人票: 5年保存。特別管理物質に係るものは30年保存(第40条)

事業廃止時(特化則第53条):

  • 特別管理物質を製造し、又は取り扱う事業者は、測定の記録・作業の記録・健康診断個人票を所轄労働基準監督署長に提出します。

【試験での位置づけ】

特化則では「区分ごとの規制の違い」「特殊健診の頻度(原則6か月・条件付きで1年)」「記録の30年保存」が繰り返し問われます。ウのように「条件なしで一般健診と同じ1年でよい」とする記述は誤りです。作業主任者は第3類物質の作業も選任対象である点もあわせて押さえておきましょう。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 製造許可の対象は安衛令第17条で「別表第三第一号に掲げる第一類物質及び石綿分析用試料等」と定められています。第1類はジクロルベンジジン・ベンゾトリクロリドなど7物質と、それらを一定割合を超えて含む製剤です。
  • イ: 第3類物質(アンモニア・一酸化炭素・塩化水素・硝酸・二酸化硫黄・フェノール・ホスゲン・硫酸)を製造し、又は取り扱う作業も、試験研究のため取り扱う作業を除き、作業主任者の選任対象です。一方、作業環境測定(第36条)と特殊健康診断(第39条)は第1類・第2類が対象で、第3類は含まれません。
  • ウ: 1年への緩和は事業者が自由に選べるものではなく、第39条第4項の条件を満たした労働者だけに適用されます。条件を満たさなくなれば、原則の6か月以内ごとに戻ります。
  • エ: 30年保存の対象は第36条第3項に列挙された物質(ベンゼン・塩化ビニル等)とクロム酸等の一部の作業場に限られ、それ以外の測定記録は3年保存です。
  • オ: 作業主任者は免許ではなく技能講習の修了者から選任する仕組みです。溶接ヒュームを扱う金属アーク溶接等作業では、講習科目を限定した技能講習の修了者から金属アーク溶接等作業主任者を選任することもできます(第27条第2項)。

【根拠法令】特定化学物質障害予防規則 第3条・第27条・第28条・第36条・第39条・第40条・第53条、労働安全衛生法 第14条・第56条、労働安全衛生法施行令 第6条第18号・第17条・第21条第7号・第22条第1項第3号、労働安全衛生規則 第44条

【補足】特殊健診は原則6か月以内ごとに1回(第39条第4項の条件を満たす労働者のみ1年)。作業主任者の選任は第1類〜第3類のすべてが対象(試験研究のため取り扱う作業等を除く)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 特定化学物質障害予防規則(特化則)第39条第1項・第4項(特殊健康診断の頻度と1年への緩和要件)、労働安全衛生規則第44条(定期健康診断の頻度)、労働安全衛生法施行令第6条第18号(作業主任者を選任すべき作業)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 特定化学物質の区分と作業主任者
  • 頻出度A

この論点をくわしく読む

関連する問題

ページの先頭へ