問題
有害業務に係る特別教育および就業制限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはイです。就業制限業務(安衛令第20条)には、免許を受けた者や技能講習を修了した者など定められた資格を有する者でなければ就かせることができず、特別教育のみでは就業できません(安衛法第61条)。
各誤りの要点: ア→つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転は就業制限業務で、特別教育では不可。ウ→健康管理手帳は離職の際または離職後に、要件に該当する本人の申請で交付される。エ→離職後も申請できる。オ→特別教育の記録の保存期間は3年間。
特別教育と就業制限業務の整理:
| 制度 | 根拠 | 内容 | 対象業務の例 |
|---|---|---|---|
| 特別教育 | 安衛法第59条第3項・安衛則第36条 | 事業者が行う教育 | 研削といしの取替え・試運転、つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転、つり上げ荷重1t未満の移動式クレーンの運転 |
| 就業制限 | 安衛法第61条・安衛令第20条 | 免許・技能講習修了等の資格が必要 | つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転、つり上げ荷重1t以上の移動式クレーンの運転、最大荷重1t以上のフォークリフトの運転、作業床の高さ10m以上の高所作業車の運転、つり上げ荷重1t以上のクレーン等の玉掛け |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): つり上げ荷重が5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)の運転は就業制限業務です(安衛令第20条第6号)。特別教育で就けるのは、つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転などです(安衛則第36条第15号)。
- イ(正): 安衛法第61条第1項は、就業制限業務について「免許を受けた者又は…技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない」と定めています。特別教育の修了だけでは就業できません。
- ウ(誤): 健康管理手帳は、都道府県労働局長が要件に該当する者に「離職の際に又は離職の後に」交付するもので(安衛法第67条第1項)、交付は本人の申請に基づいて行われます(安衛則第53条第2項)。在職中に事業者が申請するものではありません。
- エ(誤): 離職の後に要件に該当する者も申請でき、その場合の申請先は住所を管轄する都道府県労働局長です(安衛則第53条第2項)。
- オ(誤): 特別教育の記録は3年間保存します(安衛則第38条)。
【理論的背景】
安衛法は、危険・有害な業務について、事業者が行う「特別教育」(第59条第3項)と、資格を持つ者以外を就かせてはならない「就業制限」(第61条)の2つの仕組みを置いています。就業制限業務は安衛令第20条に列挙され、就くことができる者は安衛則第41条・別表第3で業務ごとに定められています。特別教育は事業者が自ら行う教育で、就業制限業務の資格の代わりにはなりません。
健康管理手帳(安衛法第67条)は、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務(安衛令第23条)に従事していた者のうち、安衛則第53条の要件に該当する者に、離職の際または離職の後に都道府県労働局長が交付するものです。在職中は事業者が特殊健康診断で健康管理を行い、離職後は国が健康診断に関する措置を行う(同条第2項)という分担になっています。
【実務・条文構造】
就業制限業務の主な例(安衛令第20条):
- 第6号: つり上げ荷重が5t以上のクレーン(跨線テルハを除く)の運転
- 第7号: つり上げ荷重が1t以上の移動式クレーンの運転(道路上の走行を除く)
- 第11号: 最大荷重が1t以上のフォークリフトの運転(道路上の走行を除く)
- 第15号: 作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転(道路上の走行を除く)
- 第16号: 制限荷重1t以上の揚貨装置、つり上げ荷重1t以上のクレーン・移動式クレーン・デリックの玉掛け
特別教育を要する業務の例(安衛則第36条):
- 第1号: 研削といしの取替え又は取替え時の試運転
- 第15号: つり上げ荷重が5t未満のクレーン、つり上げ荷重5t以上の跨線テルハの運転
- 第16号: つり上げ荷重が1t未満の移動式クレーンの運転
- 記録: 受講者・科目等の記録を作成し3年間保存(第38条)
健康管理手帳(安衛令第23条・安衛則第53条)の主な対象と要件:
- ベンジジン・ベータ-ナフチルアミン・ジアニシジンの製造・取扱い: 3か月以上従事
- 粉じん作業: じん肺管理区分が管理2または管理3
- クロム酸・重クロム酸等の製造・取扱い(鉱石から製造する事業場): 4年以上従事
- 塩化ビニルの重合等: 4年以上従事
- 石綿等の製造・取扱い: 両肺野の不整形陰影・胸膜肥厚、または石綿等の製造・吹付け・除去等の作業に1年以上従事し初回ばく露から10年以上経過、など
- 交付後: 都道府県労働局長が受けるべき健康診断を勧告し、回数・方法等を通知(安衛則第55条・第56条)
【試験での位置づけ】
「特別教育では就業制限業務に就けない」「健康管理手帳は離職の際または離職後に本人の申請で交付」「特別教育の記録は3年保存」がよく問われます。アのように、特別教育の対象(5t未満のクレーン)と就業制限業務(5t以上のクレーン)の境目を入れ替える出題が典型です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: クレーンは5tを境に、移動式クレーンは1tを境に、特別教育と就業制限業務が分かれます(安衛令第20条第6号・第7号、安衛則第36条第15号・第16号)。
- イ: 就業制限業務に就くことができる者以外の者は、当該業務を行ってはならず(安衛法第61条第2項)、業務に従事するときは免許証等の資格を証する書面を携帯しなければなりません(同条第3項)。
- ウ: 交付を受けた者が健康診断を受けるときは、手帳を医療機関に提出し、医療機関は結果を手帳に記載します(安衛則第57条)。
- エ: 健康管理手帳は他人に譲渡・貸与してはなりません(安衛法第67条第3項)。
- オ: 特別教育の科目の全部または一部について十分な知識・技能を有していると認められる労働者は、その科目を省略できます(安衛則第37条)。
【根拠法令】労働安全衛生法 第59条第3項・第61条・第67条、労働安全衛生法施行令 第20条・第23条、労働安全衛生規則 第36条・第37条・第38条・第41条・第53条・第55条〜第57条
【補足】就業制限業務(つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転等)は免許・技能講習修了等の資格が必要(特別教育では不可)。健康管理手帳は離職の際または離職後に本人の申請で交付。特別教育の記録は3年保存。
- 労働安全衛生法第59条・第61条・第67条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第20条・第23条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第36条・第53条・第38条・第41条・第55条・第57条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第59条第3項(特別教育)・第61条(就業制限)・第67条(健康管理手帳)、安衛令第20条(就業制限業務)・第23条(健康管理手帳の対象業務)、安衛則第36条(特別教育を要する業務)・第38条(特別教育の記録保存3年)・第53条(健康管理手帳の交付要件・申請)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

