問題
粉じん障害防止規則(粉じん則)における呼吸用保護具に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはウです。特定粉じん作業で、作業場の構造等により局所排気装置の設置等(粉じん則第4条の措置)が著しく困難であると所轄労働基準監督署長が認定したときは、第4条は適用されませんが、代わりに有効な呼吸用保護具の使用と、屋内作業場では全体換気装置による換気が必要です(粉じん則第9条)。
各誤りの要点: ア→使い捨て式にはDS1〜3のほかDL1〜3もある。イ→疾病感染のおそれがあるときは各人専用のものを備えるなどの措置が必要。エ→RS3の粒子捕集効率は99.9%以上。オ→別表第3第5号の作業では、呼吸用保護具は送気マスク又は空気呼吸器に限る。
防じんマスクの区分と粒子捕集効率(防じんマスクの規格 第1条第3項・第6条):
| 区分 | 粒子捕集効率 | 試験粒子 |
|---|---|---|
| RS1・DS1 | 80.0%以上 | 塩化ナトリウム |
| RS2・DS2 | 95.0%以上 | 塩化ナトリウム |
| RS3・DS3 | 99.9%以上 | 塩化ナトリウム |
| RL1〜3・DL1〜3 | 80.0%/95.0%/99.9%以上 | フタル酸ジオクチル |
R=取替え式防じんマスク、D=使い捨て式防じんマスク。数字が大きいほど粒子捕集効率が高い区分です。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 防じんマスクの規格第1条第3項は、使い捨て式防じんマスクを「DS一、DS二、DS三、DL一、DL二及びDL三」に区分しています。
- イ(誤): 安衛則第598条は、保護具の使用によって労働者に疾病感染のおそれがあるときは、各人専用のものを備え、又は疾病感染を予防する措置を講じなければならないとしています。「いかなる作業場でも共用してよい」は誤りです。
- ウ(正): 粉じん則第9条第1項のとおりです。認定を受けるには、粉じん障害防止規則一部適用除外認定申請書に作業場の見取図を添えて所轄労働基準監督署長に提出します(同条第2項)。
- エ(誤): 防じんマスクの規格第6条の表で、RS3の粒子捕集効率は99.9%以上です。95.0%以上はRS2です。
- オ(誤): 粉じん則第27条第1項は、別表第3第5号に掲げる作業を行う場合の呼吸用保護具を「送気マスク又は空気呼吸器に限る」としています。
【理論的背景】
粉じん則は、特定粉じん発生源には密閉する設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置・湿潤な状態に保つための設備などの措置(第4条)を、それ以外の屋内の粉じん作業には全体換気装置による換気等(第5条)を求め、設備による対策を基本にしています。設備による措置が適用されない場合(臨時の作業や短時間の作業、小規模な設備、構造上著しく困難との認定など)には、その代わりとして有効な呼吸用保護具の使用が条件とされています(第7条〜第9条)。さらに、別表第3に掲げる作業では、設備対策とは別に呼吸用保護具の使用が義務付けられています(第27条)。
防じんマスクは、防じんマスクの規格によって区分と性能が定められています。取替え式はRS1〜3・RL1〜3、使い捨て式はDS1〜3・DL1〜3に区分され、S区分は塩化ナトリウム、L区分はフタル酸ジオクチルを試験粒子として、それぞれ80.0%・95.0%・99.9%以上の粒子捕集効率が求められます。
【実務・条文構造】
設備措置が適用されない場合の呼吸用保護具(粉じん則第7条〜第9条):
- 第7条: 臨時の作業、作業期間・作業時間が短い場合などで、有効な呼吸用保護具を使用させたとき
- 第8条: 小さな研削といし・破砕機・ふるい分け機・混合機を用いる場合で、有効な呼吸用保護具を使用させたとき(屋内では全体換気装置による換気も必要)
- 第9条: 作業場の構造等により第4条の措置が著しく困難と所轄労働基準監督署長が認定したとき(呼吸用保護具の使用と、屋内では全体換気装置による換気が必要)
呼吸用保護具の使用(粉じん則第27条):
- 別表第3の作業: 有効な呼吸用保護具を使用させる(発散を防止する有効な措置を講じたときを除く)
- 別表第3第5号の作業(屋外の、研磨材の吹き付けにより研磨し、又は岩石若しくは鉱物を彫る場所における作業): 送気マスク又は空気呼吸器に限る
保護具の備付けと専用(安衛則第593条・第598条):
- 粉じんを発散する有害な場所における業務などでは、呼吸用保護具等の適切な保護具を備える
- 保護具の使用によって疾病感染のおそれがあるときは、各人専用のものを備えるか、疾病感染を予防する措置を講じる
- 労働者は、使用を命じられた保護具を使用しなければならない(安衛則第597条)
【試験での位置づけ】
「防じんマスクの区分と粒子捕集効率(80.0%・95.0%・99.9%以上)」「設備措置が困難な場合の保護具と全体換気」「別表第3第5号の作業は送気マスク又は空気呼吸器」「保護具の専用」がよく問われます。エのように区分と数値を入れ替える出題や、オのように防じんマスクで足りるとする出題が典型的な引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: L区分の試験粒子はフタル酸ジオクチルのミストで、粒子捕集効率の基準はS区分と同じ80.0%・95.0%・99.9%以上です(防じんマスクの規格第6条の表)。
- イ: 保護具の備付けは事業者の義務(安衛則第593条)であり、専用のものを備えるか感染を予防する措置を講じるかは、疾病感染のおそれの有無で判断します(第598条)。
- ウ: 認定を受けた事業者は、申請書や見取図に記載した事項を変更したときは、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません(粉じん則第9条第4項)。
- エ: 取替え式・使い捨て式とも、数字が大きい区分ほど粒子捕集効率が高く、3の区分が最も高い99.9%以上です。
- オ: 第27条第1項ただし書の「発散を防止するために有効な措置」を講じたときは呼吸用保護具の使用義務はかかりませんが、そうでない限り、第5号の作業では送気マスク又は空気呼吸器が必要です。
【根拠法令】粉じん障害防止規則 第4条・第5条・第7条・第8条・第9条・第27条・別表第3、安衛則第593条(保護具の備付け)・第597条(労働者の使用義務)・第598条(専用の保護具)、防じんマスクの規格 第1条第3項・第6条
【補足】RS3・DS3の粒子捕集効率は99.9%以上。使い捨て式はDS1〜3・DL1〜3。別表第3第5号の作業は送気マスク又は空気呼吸器。設備措置が著しく困難との認定を受けた場合も、呼吸用保護具と(屋内では)全体換気が必要。
- 粉じん障害防止規則第4条・第9条・第27条・第7条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第598条・第593条・第597条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 粉じん障害防止規則(粉じん則)第9条(設備等を設けることが困難な場合の適用除外)・第27条(呼吸用保護具の使用)、安衛則第593条(保護具の備付け)・第598条(専用の保護具)、防じんマスクの規格(第1条・第6条)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

