問題
石綿障害予防規則(石綿則)が定める建築物等の解体・改修工事前の事前調査および行政への報告義務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはウです。石綿則で、一定の解体・改修工事について事前に求められるのは、所轄労働基準監督署長への事前調査の結果等の報告(第4条の2・電子情報処理組織を使用)であり、吹き付けられた石綿等の除去等の作業についても、作業の届出先は所轄労働基準監督署長です(第5条)。「都道府県労働局長への工事計画届出」は誤りです。
他の選択肢は正しい内容です。書面・目視による事前調査(第3条第2項)、記録の3年保存(同条第7項)、厚生労働大臣が定める者による調査(同条第4項)、作業場への掲示(同条第8項)はいずれも石綿則の規定です。
石綿則の事前調査・報告義務の体系:
| 義務 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 事前調査の実施 | 解体等の作業を行うときは、あらかじめ石綿等の使用の有無を調査。全ての材料について設計図書等の文書の確認と目視による確認 | 石綿則第3条第1項・第2項 |
| 調査者 | 一定の場合を除き、厚生労働大臣が定める者に行わせる | 石綿則第3条第4項 |
| 分析調査 | 事前調査で有無が明らかにならないときは分析調査(石綿等が使用されているものとみなして措置を講ずるときを除く)。分析調査者も厚生労働大臣が定める者 | 石綿則第3条第5項・第6項 |
| 記録・保存 | 事前調査等の結果の記録を作成し、調査終了日から3年間保存 | 石綿則第3条第7項 |
| 掲示 | 解体等の作業を行う作業場に、調査終了日と調査結果の概要等を掲示 | 石綿則第3条第8項 |
| 結果の報告 | 一定規模以上の工事は、あらかじめ電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に報告 | 石綿則第4条の2 |
| 作業の届出 | 吹き付けられた石綿等の除去等の作業は、あらかじめ所轄労働基準監督署長に届書を提出 | 石綿則第5条 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 石綿則第3条第2項は、事前調査を全ての材料について「設計図書等の文書を確認する方法」と「目視により確認する方法」により行うよう定めています(文書が存在しない場合・構造上目視が困難な材料はただし書あり)。
- イ(正): 第3条第7項により、事前調査等の結果(石綿等が使用されていないと判断した材料はその判断の根拠を含む)の記録を作成し、3年間保存します。
- ウ(誤): 第4条の2の報告先・第5条の届出先はいずれも所轄労働基準監督署長です。「都道府県労働局長への工事計画届出」は誤りです。
- エ(正): 第3条第4項により、事前調査は一定の場合を除き、必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものに行わせなければなりません。
- オ(正): 第3条第8項により、解体等の作業を行う作業場には、調査終了日と、事前調査を行った部分及び材料ごとの石綿等の使用の有無等の概要を見やすい箇所に掲示します。
【理論的背景】
建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る)の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む)の作業では、石綿等が使われている材料を知らずに切断・破砕すると、作業者が石綿等の粉じんにばく露するおそれがあります。石綿則は、作業の前に「調べる(事前調査)」「記録して掲示する」「行政に報告・届け出る」「作業計画を定める」という順序で、石綿等の有無を確かめてから作業させる仕組みを定めています。
事前調査の方法の考え方(第3条第2項・第3項):
- 原則は、全ての材料について文書の確認と目視による確認の両方
- 文書が存在しないとき、構造上目視が困難な材料にはただし書がある(目視が可能となったときに事前調査を行う・第9項)
- 既に相当する調査が行われている場合や、着工日等が平成18年9月1日以降であることを文書で確認できる場合等は、それぞれ定められた確認方法によることができる
【実務・条文構造】
石綿則の事前調査・報告義務の詳細:
(1)事前調査(第3条):
- 解体等の作業を行うときは、あらかじめ石綿等の使用の有無を調査(第1項)
- 全ての材料について、設計図書等の文書の確認と目視による確認(第2項)
- 一定の場合を除き、必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定めるものに行わせる(第4項)
- 有無が明らかにならないときは分析調査。ただし、石綿等が使用されているものとみなして法令の措置を講ずるときはこの限りでない(第5項)。分析調査は厚生労働大臣が定める者に行わせる(第6項)
(2)記録・掲示(第3条第7項・第8項):
- 記録事項: 事業者の名称・住所・電話番号/作業場所の住所・工事の名称及び概要/調査終了日/事前調査を行った部分・方法/材料ごとの石綿等の使用の有無と、使用されていないと判断した材料はその判断の根拠/事前調査を行った者の氏名 等
- 記録は調査終了日から3年間保存
- 解体等の作業を行う作業場に、調査終了日と、調査を行った部分・材料ごとの使用の有無の概要を掲示
(3)事前調査の結果等の報告(第4条の2):
- 対象工事: 建築物の解体工事(床面積の合計80㎡以上)/建築物の改修工事(請負代金100万円以上)/厚生労働大臣が定める工作物の解体・改修工事(請負代金100万円以上)/船舶(総トン数20トン以上)の解体・改修工事
- 報告先・方法: あらかじめ、電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に報告(様式第一号の報告書の提出で代えることもできる・第3項)
- 工事を二以上の契約に分割して請け負う場合は一の契約とみなす(第4項)。元方の事業者が作業の全部について報告する(第5項)
(4)作業計画・作業の届出(第4条・第5条):
- 石綿等が使用されている解体等対象建築物等の解体等の作業は、あらかじめ作業計画を定め、関係労働者に周知(第4条)
- 吹き付けられた石綿等の除去・封じ込め・囲い込みの作業等は、あらかじめ様式第一号の二の届書を所轄労働基準監督署長に提出(第5条。法第88条第3項の届出をする場合は不要)
【試験での位置づけ】
石綿則の事前調査では「文書確認と目視確認の両方」「記録は3年保存」「厚生労働大臣が定める者による調査」「掲示」「報告・届出の提出先は所轄労働基準監督署長」が頻出です。特に「都道府県労働局長への届出(誤)」vs「所轄労働基準監督署長への報告・届出(正)」という提出先の混同は典型的な引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 文書確認のただし書(文書が存在しないとき)と目視確認のただし書(構造上目視が困難な材料)があり、目視が困難だった材料は目視で確認できるようになったときに事前調査を行います(第3条第9項)。
- イ: 記録には、石綿等が使用されていないと判断した材料について「その判断の根拠」も記載します(第3条第7項第8号)。
- エ: 第3条第4項の「厚生労働大臣が定めるもの」に事前調査を行わせた場合は、その者が該当することを証明する書類の写しも記録とともに保存します(同条第7項第11号)。
- オ: 第4条第1項の作業(石綿使用建築物等解体等作業)を行う作業場には、掲示に加えて、第3条第7項の記録の写しを備え付けなければなりません(同条第8項)。
【根拠法令】石綿障害予防規則第3条(事前調査の義務:文書+目視・第4項=調査者・第5項・第6項=分析調査・第7項=記録の3年保存・第8項=作業場への掲示)・第4条(作業計画)・第4条の2(事前調査の結果等の報告)・第5条(作業の届出)
【補足】石綿事前調査は「文書確認+目視確認」が原則。調査結果は3年保存。事前調査の結果等の報告(第4条の2)と吹付け石綿等除去等の作業の届出(第5条)の提出先はいずれも所轄労働基準監督署長。報告先・届出先の混同(労働局長か労基署長か)に注意。
- 石綿障害予防規則第3条・第4条の2・第5条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 石綿障害予防規則第3条(事前調査の義務・調査者・記録の3年保存・掲示)・第4条(作業計画)・第4条の2(事前調査の結果等の報告:所轄労働基準監督署長への電子報告)・第5条(作業の届出:所轄労働基準監督署長)。「都道府県労働局長への工事計画届出」は誤り。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

