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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働保険料徴収法 問3|労災保険率の業種別区分とメリット制

問題

社労士 | 労働保険料徴収法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働保険の保険料の徴収等に関する法律における労災保険率およびメリット制に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイ(正しい記述)です。

メリット制は連続する3保険年度の収支率(保険給付額/保険料)に基づいて個々の事業の労災保険率を±40%の範囲で増減させる仕組みです(徴収法第12条第3項)。災害の少ない事業は保険料が下がり、多い事業は上がるため、事業主の安全衛生管理へのインセンティブとなります。

アは誤りです。一般拠出金(石綿健康被害救済法第35条)は労災保険率とは別に徴収される(上乗せではなく別々の徴収)ため、表現が不正確です。ウは誤りで、メリット制の適用には一定の規模要件があり、全ての事業に自動適用されるわけではありません。エは誤りで、一括有期事業にもメリット制の適用があります(要件を満たす場合)。オは誤りで、労災保険率は業種ごとに個別に定められており、雇用保険の3区分とは全く異なる区分(数十の業種区分)です。

労災保険率の特徴(雇用保険率との違い):

比較項目労災保険率雇用保険率
区分数数十の業種別料率(詳細業種区分)3区分(一般/農林水産・清酒/建設)
料率の範囲2.5/1000〜88/1000(令和6年度・業種により大きく異なる)事業の区分ごとに設定(令和8年度の一般事業は1.35%)
決定方法厚生労働大臣が業種別被災率で定める同左(ただし区分が粗い)
メリット制あり(個別事業の収支率で増減)なし(業種全体で均一)

メリット制の仕組み(第12条第3項):

適用要件:

1. 連続する3保険年度中の各保険年度において、使用労働者数等の規模の要件(第12条第3項各号)に該当すること

2. 3保険年度の最後の保険年度の3月31日(基準日)において、労災保険の保険関係成立後3年以上経過していること

増減幅:

収支率が85%を超え、又は75%以下の場合に、労災保険率から非業務災害率を減じた率を40%の範囲内で引き上げ・引き下げ、基準日の属する保険年度の次の次の保険年度の労災保険率とする

```

収支率が低い(給付額が少ない・優良事業) → 保険料率を最大40%引下げ

収支率が高い(給付額が多い・災害頻発事業) → 保険料率を最大40%引上げ

```

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 一般拠出金(石綿救済法)は労災保険率とは別に徴収される(上乗せではなく別個の拠出金)。
  • イ(正): メリット制の収支率・±40%の範囲は条文通り。正しい。
  • ウ(誤): メリット制は規模要件・3年要件を満たす事業のみに適用。全事業への自動適用ではない。
  • エ(誤): 一括有期事業も一定要件を満たす場合にメリット制(継続事業と同じく第12条第3項)の適用を受ける。
  • オ(誤): 労災保険率は数十の業種区分(危険度に応じた細分化)。雇用保険の3区分とは全く異なる。

【労災保険率の業種別区分の設計思想】

労災保険率は、各業種の過去3年間の実際の災害率(被災率)と保険給付額を基に算出される「純保険料率」に、制度運営費用等を加味して厚生労働大臣が3年に1度のペースで改定します(直近は令和6年4月改定)。

業種別料率の高低の背景(例):

  • 高い料率(88/1000等): 金属鉱業・石炭鉱業等の採掘業。地下作業・爆発・落盤等の危険が高く、被災率・給付額が大きい
  • 低い料率(2.5/1000等): 金融・保険・不動産業・IT業等のオフィス系産業。身体的危険が低く、被災率も低い
  • 建設業: 高所作業・重機使用・多数の下請業者が同一現場で作業するため、製造業よりも高い料率

この業種別料率の精度が、メリット制の「個別事業への反映」と組み合わさることで、保険財政の安定と事業主の安全衛生インセンティブが同時に実現されます。

【メリット制の上限±40%の意味と実務的影響】

メリット制の増減幅±40%は、労災保険率そのものではなく「労災保険率から非業務災害率を減じた率」に対して最大40%増または40%減ということです(第12条第3項)。

具体例(非業務災害率を除いた部分を仮に10/1000とした場合):

  • 収支率が良い(給付少ない)事業: 最大40%減→6/1000(これに非業務災害率を加える)
  • 収支率が悪い(給付多い)事業: 最大40%増→14/1000(これに非業務災害率を加える)

この増減幅は相当に大きく、大規模な建設業者にとっては年間の保険料総額に数百万〜数千万円の差が生じることがあります。そのため安全衛生管理の費用対効果(安全管理コスト投資→事故減少→メリット料率引下げ→保険料節減)が成り立つ場合があり、企業の安全衛生管理への投資を促進するとされています。

【一般拠出金の別途徴収(石綿救済法)】

アが誤りである理由の詳細:

一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律第35条)は、石綿(アスベスト)による中皮腫等の健康被害者への補償財源として、すべての業種の事業主から徴収される拠出金です。

一般拠出金の性質:

  • 労災保険料率とは別枠の拠出金(同じ申告書で申告するが、料率計算は完全に別)
  • 現行の拠出金率: 0.02/1000(0.002%)(全業種均一・労働者数ではなく賃金総額ベース)
  • 事業主のみ負担(労働者は負担しない)
  • 賃金総額 × 一般拠出金率 = 一般拠出金額

この一般拠出金は「労災保険料に上乗せ」ではなく「別途徴収」であり、労災保険率の計算から除外して別に算出・申告する必要があります。年度更新の申告書では、確定保険料・概算保険料と並んで一般拠出金欄が設けられています。

【メリット制の適用判定と継続事業の3年間の計算】

メリット制の適用判定は「連続する3保険年度分の収支率」で行われます。

収支率の計算:

```

収支率 = 当該3保険年度中に発生した給付総額 ÷ 当該3保険年度に収納された確定保険料総額 × 100

```

メリット増減の判定(第12条第3項):

  • 収支率75%以下: 引下げ(最大-40%。具体的な増減率は収支率に応じて厚生労働省令で定める)
  • 収支率75%超85%以下: 増減なし
  • 収支率85%超: 引上げ(最大+40%)

【社労士実務:メリット制と労働安全衛生の一体管理】

社労士実務では、顧問先(特に建設業・製造業等の高危険業種)に対して、メリット制を活用した保険料最適化と安全衛生管理の両面からアドバイスを提供することが重要業務です。

1. 収支率の定期確認: 連続する3保険年度の収支率を事前に試算し、メリット増減の見込みを伝える

2. 安全衛生管理計画の策定: 事故件数・給付件数の削減が保険料節減に直結することを顧問先に示す

3. 特別加入の活用: 一人親方・中小事業主等の特別加入で事故時の補償を確保しつつ、メリット制の恩恵を受けられる事業の規模管理

これらの一体管理が「社労士による労働保険管理サービス」の付加価値となります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第12条第2項(労災保険率)・第3項(メリット制:収支率85%超又は75%以下で、労災保険率から非業務災害率を減じた率を40%の範囲内で増減し、次の次の保険年度に適用)、石綿による健康被害の救済に関する法律第35条(一般拠出金の徴収)、厚生労働省「令和6年度適用の労災保険率表」 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 労災保険率の業種別区分とメリット制
  • 頻出度B

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