測量士補 地形測量 問15:出典: 令和5年度 問15
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19)
細部測量において,基準点Aにトータルステーションを整置し,点Bを観測したときに2′40″の水平方向の誤差があった場合,点Bの水平位置の誤差は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。 ただし,基準点Aと点Bの間の水平距離は97 m,角度1ラジアンは(2×10⁵)″とする。また,距離測定と角度測定は互いに影響を与えないものとし,角度測定以外の誤差は考えないものとする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
- 138 mm
- 259 mm
- 378 mm正答
- 497 mm
- 5116 mm
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(測量法・作業規程の準則・計算式根拠)も明記。
角度誤差が点の水平位置に与える誤差量を計算する問題(令和5年度 問15)。正答は(3)「78 mm」です。
【考え方】
角度誤差Δθが生じた場合,点Bの水平位置誤差は,距離Dとラジアン換算した角度誤差の積で求まります。
【計算手順】
角度誤差をラジアンに変換します:
Δθ = 2′40″ = 2×60 + 40 = 160″
1ラジアン = 2×10⁵ = 200,000″
Δθ(ラジアン)= 160 ÷ 200,000 = 0.0008 rad
水平位置誤差を計算します:
誤差 = D × Δθ = 97 m × 0.0008 = 0.0776 m ≈ 78 mm
→ 正答(3)「78 mm」
ポイント:角度をラジアンに変換してから距離に掛けるのが正しい計算順序です。「2′40″」を秒に直してから200,000″で割るのを忘れないようにします。
【細部測量の角度誤差による水平位置誤差の計算】(令和5年度 問15)
【位置誤差の計算原理】
角度θで方向を観測した場合,角度誤差Δθによる点Bの水平位置誤差ΔPは,距離Dと角度誤差(ラジアン)の積で与えられる:
ΔP = D × Δθ(ラジアン)
これは,Δθが小さいとき arc ≈ chord(弧長≈弦長)の近似が成立することによる。
【計算の詳細】
角度誤差のラジアン変換:
2′40″ = 2分40秒 = (2×60 + 40)秒 = 160″
1ラジアン = 2×10⁵ = 200,000″(問題文の条件)
※実際は1ラジアン ≈ 206,265″だが,本問は2×10⁵ = 200,000″を使用
Δθ = 160″ ÷ 200,000″/rad = 0.000800 rad
水平位置誤差:
ΔP = 97 m × 0.000800 = 0.07760 m = 77.6 mm ≈ 78 mm → 正答(3)
【選択肢別の誤答分析】
- (1) 38 mm:160″÷(2×10⁵)×D の計算で,分を秒に変換せず80″で計算した場合(80÷200000×97≈38.8mm)
- (2) 59 mm:2′を使い120″で計算(120÷200000×97≈58.2mm)
- (4) 97 mm:ΔP=D×1×10⁻³(計算誤り)
- (5) 116 mm:3′=180″として計算(180÷200000×97≈87mm)や別の誤り
正確な秒変換(2′40″=160″)が解法の核心。
【角度誤差と位置誤差の理論・細部測量精度管理への応用】(令和5年度 問15)
【弧長近似の理論的根拠】
角度誤差Δθ(ラジアン)が小さいとき,点Bの位置は半径D(距離)の円弧上でΔθだけずれる。
弧長 s = D × Δθ(厳密な弧長)
点Bの位置誤差(弦長) = 2D × sin(Δθ/2) ≈ D × Δθ(Δθ<<1 の近似)
本問:Δθ = 0.0008 rad → sin(0.0004) ≈ 0.0004(誤差<0.001%)
近似誤差は無視できるレベル。
【ラジアンの正確な値と問題設定の差異】
厳密値:1ラジアン = 180°/π × 3600″ = 206,264.806...″ ≈ 206,265″
本問設定:1ラジアン = 2×10⁵ = 200,000″(約2.9%の差)
厳密計算でのΔP = 97 × (160/206265) = 97 × 0.000776 = 75.3mm(≈75mm)
問題設定でのΔP = 97 × (160/200000) = 97 × 0.0008 = 77.6mm(≈78mm)
試験では問題文の条件(2×10⁵)を使うことが必須。暗記した206,265で計算すると異なる選択肢になるため注意。
【細部測量の精度管理と許容角度誤差】
作業規程の準則における細部測量の精度規格(縮尺1/500地形図の場合):
- 水平位置精度:CE90 = ±0.25m(地上)→ 図上0.5mm
- 距離97mで0.25m精度を確保するための角度精度:
Δθ_max = 0.25/97 = 0.00258 rad = 531″ ≈ 8′51″
本問の2′40″=160″は許容値の約30%に相当し,精度は余裕がある。ただし,細部測量では多数の点を観測するため,個々の点の誤差が累積しないよう系統誤差の管理が重要。
【位置誤差の誤差伝播】
実際の測量では角度誤差と距離誤差が複合する:
全位置誤差 ΔP = √((D×Δθ)² + (ΔD)²)
ΔD:距離誤差(TS光波距離計の場合,±(2mm + 2ppm×D)程度)
D=97mで ΔD ≈ ±2mm + 2×10⁻⁶×97000mm ≈ ±2.2mm
角度誤差による誤差77.6mmに対し,距離誤差2.2mmは1/35程度で無視できる。
本問の「角度測定以外の誤差は考えない」という条件はこの現実に基づく。
【測量士・地形図作成の上位知識への接続】
測量士試験では,細部測量の誤差伝播(角度・距離・既知点誤差の複合),UAV写真測量での地上画素寸法と位置精度の関係,地形図精度規格(RMSE・CE90・LE90)の計算,精度管理表の作成が出題される。
地形測量では,特に「何cmの精度で何分の1の地図が作れるか」という縮尺・精度・誤差の3角関係を体系的に理解することが重要。
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和5年度 測量士補試験 問15(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。