地図編集23出典: 令和5年度 問23

測量士補 地図編集 問23:出典: 令和5年度 問23

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の文は,地図編集の原則について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

  • 1編集の基となる地図(基図)は,新たに作成する地図(編集図)の縮尺より小さく,かつ最新のものを使用する。正答
  • 2地物の取捨選択は,編集図の目的を考慮して行い,重要度の高い対象物を省略することのないようにする。
  • 3注記は,地図に描かれているものを分かりやすく示すため,その対象により文字の種類,書体,字列などに一定の規範を持たせる。
  • 4有形線(河川,道路など)と無形線(等高線,境界など)とが近接し,どちらかを転位する場合は無形線を転位する。
  • 5山間部の細かい屈曲のある等高線を総描するときは,地形の特徴を考慮する。
正答:1編集の基となる地図(基図)は,新たに作成する地図(編集図)の縮尺より小さく,かつ最新のものを使用する。

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地図編集の基本原則に関する誤り識別問題(令和5年度 問23)。正答は(1)です。

選択肢(1)が誤りの理由:地図編集の基となる地図(基図)は,編集図よりも縮尺が「大きく」(より詳細な)最新のものを使用するのが原則です。「縮尺より小さく」という記述が誤りです。

例えば,1/25,000の地形図を編集して1/50,000の地形図を作成する場合,基図には1/25,000(より詳細・縮尺が大きい)の地図を使います。縮尺が「小さい」(より広域の)地図を基図にすると,編集図に必要な詳細情報が含まれないため,品質を確保できません。

選択肢(2)(3)(4)(5)は正しい記述です。地物の取捨選択(2),注記の規範(3),有形線優先の転位(4),等高線の総描(5)はいずれも地図編集の正しい原則です。

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【地図編集原則の誤り識別問題】(令和5年度 問23)

【(1) が誤りの根拠:基図の縮尺】

地図編集の基本原則:

基図(編集のもととなる地図)は,編集図(作成する地図)より縮尺が大きい(より詳細な)ものを使用する。

理由:縮尺が大きい地図は小さい縮尺の地図より詳細な情報を含む。縮小編集(大縮尺→小縮尺)が標準的な地図編集の流れ。縮尺が小さい基図から大縮尺の編集図を作成することは,存在しない詳細を補完しなければならず,精度・信頼性が著しく低下する。

例:

  • 正しい:1/2,500の基図 → 1/10,000の編集図(縮小・取捨選択)
  • 誤り:1/50,000の基図 → 1/10,000の編集図(拡大・詳細情報なし)

「かつ最新のものを使用する」部分は正しい。

【正しい選択肢の根拠】

(2) 正しい。地物取捨選択の原則:

縮尺が小さくなると全地物は描けないため取捨選択が必要。「重要度の高い対象物(道路・河川・建物)を省略しない」は基本原則。

(3) 正しい。注記(レタリング・文字注記)の規範:

地図記号規程では,注記の種類・書体・字列配置が規定されている。例:地名は明朝体,居住地名は横字列,山名は斜字体等,対象物ごとに異なる注記規則を適用。

(4) 正しい。有形線と無形線の転位ルール:

有形線(実在する地物:道路・河川・海岸線)と無形線(実在しない概念的線:等高線・行政界・測量基準線)が接近した場合,位置精度が重要な有形線の位置を優先し,無形線を転位(移動)させる。

(5) 正しい。等高線の総描:

細かい屈曲を持つ等高線をそのまま描くと地図が複雑になりすぎるため,「総描(そうびょう)」により地形の大局を保ちつつ単純化する。山間部の尾根・谷の形状を考慮して,尾根線・谷線の連続性が失われないよう処理する。

【転位の原則の詳細】

転位(Displacement):2つの地物が重なるまたは近接しすぎる場合に,一方をずらして描く処理。

優先順位(高い→低い):

1. 測量基準点(三角点・水準点等)

2. 有形地物(道路・鉄道・河川・建物)

3. 無形地物(等高線・行政界・地番界)

道路と等高線が重なる場合:等高線を転位(道路の位置を変えない)。

河川と道路が重なる場合:道路を転位(河川の蛇行を優先)。

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【地図編集の技術体系・取捨選択・総描・転位の詳細】(令和5年度 問23)

【縮尺変更に伴う情報量の変化と取捨選択の理論】

縮尺が1/n倍になると図上面積は1/n²倍になるため,同じ図上面積に収容できる情報量は縮尺の2乗に反比例して減少する。

例:1/2,500→1/25,000(縮尺1/10)の場合:

図上1cm²=地上25m²(1/2,500)→地上62,500m²=6.25ha(1/25,000)

→ 同一面積に1/100の情報しか収容できない → 大幅な取捨選択が必要

取捨選択の判断基準(作業規程の準則第10章地図編集):

  • 道路:幅員3m以上(1/25,000図),幅員1.5m以上(1/10,000図)等,縮尺に応じた閾値設定
  • 建物:主要建物・ランドマーク的建物は必須保持,密集地では代表的なものを残す
  • 植生:大規模な植生変化(森林・水田・畑の境界)は保持,小規模なものは省略

【総描(総括描写:Generalization)の技法】

総描アルゴリズムの代表例:

1. ダグラス・ポーカーアルゴリズム(Douglas-Peucker):

折れ線の簡略化。始点・終点を結ぶ線から最も遠い頂点を選択し,閾値以下なら除去。再帰的に繰り返す。

2. ラング(Lang)アルゴリズム:

固定ウィンドウ内の頂点をまとめて除去判定。

3. 等高線総描の地形特徴保持:

尾根線(稜線)・谷線(谷底)に沿った等高線の突出部分を保持しつつ,小さな屈曲を平滑化。地形特徴(山頂・鞍部・急斜面・緩斜面)の相対的関係を維持する。

【デジタル地図編集(GIS)での実装】

現代の地図編集はGIS(Geographic Information System)でデジタル処理:

  • ArcGIS / QGIS での総描:Generalizeツール(ポリゴン・ポリライン簡略化)
  • トポロジー維持:隣接ポリゴンの境界を同時に処理してギャップ・オーバーラップを防止
  • 自動転位:カートグラフィックコンフリクト解消アルゴリズム

国土地理院の数値地図シリーズ(25000地形図・電子国土基本図)では,スケールに応じたデータセットを個別に作成・管理し,縮小表示時の自動総描との組み合わせでマルチスケール地図を実現している。

【測量士試験への接続】

測量士では,縮尺変換に伴う情報量計算,GIS形式(Shape・GeoJSON・GeoTIFF)の仕様,地図記号(図式)の規程(国土地理院告示),電子地形図(タイル配信・WMTS)の技術仕様が出題される。

出典・根拠について

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和5年度 測量士補試験 問23(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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