測量士補 GNSS測量 問11:出典: 令和8年度 問11
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19)
次の文は,公共測量における GNSS 標高測量について述べたものである。ア 〜 オ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 GNSS 標高測量とは,既知点に基づき,GNSS 測量機を用いて,新設する ア の標高を定める作業をいい,イ 水準測量に区分される。 基線解析の固定点の ウ は,成果表の標高及び エ から求めた値(成果表の ウ も用いることができる。)とし,元期座標又は今期座標とする。 エ は,国土地理院が提供する最新のジオイド・モデルから求めた値とする。ただし,国土地理院の長が承認した測量の原点(標高)に基づく離島においては,この値に国土地理院が提供する オ から求めた値を加えた値を エ として使用する。
- 1ア:基準点 イ:3級 ウ:楕円体高 エ:ジオイド高 オ:標高補正パラメータ
- 2ア:水準点 イ:2級 ウ:ジオイド高 エ:楕円体高 オ:標高補正パラメータ
- 3ア:水準点 イ:3級 ウ:楕円体高 エ:ジオイド高 オ:基準面補正パラメータ正答
- 4ア:水準点 イ:2級 ウ:楕円体高 エ:ジオイド高 オ:基準面補正パラメータ
- 5ア:基準点 イ:2級 ウ:ジオイド高 エ:楕円体高 オ:地殻変動補正パラメータ
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GNSS標高測量の定義・区分・計算に関する穴埋め問題です。正答は「3」です。
各空欄の答え:
- ア:水準点(GNSS標高測量は新設する「水準点」の標高を定める)
- イ:3級(水準測量に区分される等級は3級)
- ウ:楕円体高(固定点の楕円体高を標高+ジオイド高から算出)
- エ:ジオイド高(国土地理院のジオイドモデルから求める値)
- オ:基準面補正パラメータ(離島での特別補正値)
GNSS測量では衛星から楕円体高(h)が得られますが,生活に使う「標高」はジオイド面からの高さ(H)です。関係式は h = H + N(N:ジオイド高)であり,既知の標高と国土地理院のジオイドモデルを使って楕円体高を逆算し,固定点として使用します。
【GNSS標高測量の定義・手順・固定点計算】
公共測量作業規程の準則 GNSS標高測量編の規定:
ア:対象点の種類
GNSS標高測量は「水準点」の標高を決定する作業。「基準点」は水平位置を含む概念(三角点・多角点等)であり,選択肢1・5(基準点)は誤り。
イ:水準測量の等級区分
準則では,GNSS標高測量は「3級水準測量」に相当する精度区分に位置づけられます(2級ではない)。
ウ:固定点の設定に使用する値
基線解析における固定点(既知点)の座標として,「楕円体高 h」を設定します。この楕円体高は:
h(楕円体高)= H(成果表の標高)+ N(ジオイド高)
の式で,既知の成果表標高とジオイドモデルから計算します。
エ:ジオイド高の出所
国土地理院が提供する最新のジオイド・モデル(GSIGEO2011等)から求めた値を使用。
オ:離島の特例
本土から離れた離島では,全国統一のジオイドモデルでは精度が不足する場合があります。国土地理院が提供する「基準面補正パラメータ」を加算することで,離島固有の高さ基準に対応します(「標高補正パラメータ」「地殻変動補正パラメータ」は別の用途)。
正答の確認:
ア:水準点,イ:3級,ウ:楕円体高,エ:ジオイド高,オ:基準面補正パラメータ → 選択肢3。
【GNSS標高測量の深層:ジオイドモデルの精度と離島補正の実務】
楕円体高・標高・ジオイド高の三角形関係:
h(楕円体高)= H(標高・正標高)+ N(ジオイド高)
この関係式は,GRS80楕円体の表面,ジオイド面(平均海面の延長),地表の三者の鉛直関係を表します。
- h:GNSSで直接測定可能(楕円体面からの高さ)
- H:水準測量や GNSS標高測量で決定(ジオイド面からの高さ)
- N:ジオイドモデルで計算(楕円体面とジオイド面の高さの差)
GSIGEO2011 ジオイドモデルの精度:
国土地理院の現行モデル GSIGEO2011(2011年改訂)は,全国で標準偏差 ±2〜3 cm 程度の精度。日本各地での N 値の範囲は概ね +28 m〜+43 m です。精度限界から,GNSS標高測量は「3級水準測量相当」と位置づけられており,高精度が必要な1・2級水準測量の代替としては使用できません。
基準面補正パラメータの必要性:
本土から遠く離れた離島(沖縄,小笠原,択捉等)では:
1. 独自の水準基標・験潮所による標高基準を持つ
2. 全国統一ジオイドモデルの精度が低下する
3. 本土の水準系(東京湾平均海面)と独立した高さ基準
この場合,国土地理院の「基準面補正パラメータ」を適用することで,離島固有の基準面とGNSS測量結果を整合させます。
最新のジオイドモデル更新(2025年以降の動向):
国土地理院は GSIGEO2024 への更新を進めており,衛星重力ミッション(GOCE,GRACE-FO)データの統合により精度を ±1 cm 以下に向上させる計画です。これにより,将来的には GNSS標高測量が2級水準測量相当へ昇格する可能性があります。測量士試験では,この最新動向を踏まえた問題が今後出題される可能性があります。
測量士試験への接続:
GNSS標高測量と従来型水準測量の精度比較・経済性比較,ジオイドモデルの誤差伝播計算,離島における測量基準の法的根拠(測量法第11条第2項・第3項)が上位問題で問われます。
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和8年度 測量士補試験 問11(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。