登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問32|スイッチOTC・ダイレクトOTCの概念と一般用への移行の考え方

問題

登録販売者 | 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

スイッチOTCおよびダイレクトOTCに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

スイッチOTCとは、もともと医師の処方箋が必要な医療用医薬品として使われていた有効成分を、一般用医薬品(OTC:Over The Counter)として使えるように移行させたものです。移行後は処方箋なしで薬局・ドラッグストアで購入できます。

イは「スイッチOTCの用語」と混同させる誤りです。ダイレクトOTCの正しい定義は「医療用使用実績がなく、はじめから一般用として承認申請するもの」です。ウも誤りで、スイッチOTCは用量・効能効果が医療用より限定されます。エも誤りで、医療用使用実績があるものはスイッチOTCであり、ダイレクトOTCとは別概念です(同じ意味ではありません)。オも誤りで、リスク区分は第1類とは限りません。

スイッチOTCとダイレクトOTCの比較:

種類定義医療用使用実績
スイッチOTC(Switch OTC)医療用として使用実績のある有効成分を一般用へ移行あり
ダイレクトOTC(Direct OTC)医療用使用実績なしで、初めから一般用として承認申請なし

スイッチOTCの特徴(重要):

  • 用量・効能効果は医療用より限定・縮小される(安全性を優先)。
  • 使用上の注意も「自己判断で使う前提」で設計され直され、医療用と同一ではない。
  • 移行後のリスク区分(第1類・第2類等)は有効成分・効能等の評価によって決まり、必ずしも第1類になるわけではない。

各選択肢の解説:

  • ア(正): スイッチOTCの定義・移行後の処方箋不要は正しい。
  • イ(誤): ダイレクトOTCは「医療用使用実績なし・初めて一般用として申請」が正しい定義(医療用使用実績があるものはスイッチOTC)。
  • ウ(誤): 医療用と「同一用量・効能」ではなく、一般用として適切に限定・再設計される。
  • エ(誤): ダイレクトOTCは「医療用使用実績がない有効成分を初めから一般用として承認申請するもの」であり、医療用使用実績のある成分を移行するスイッチOTCとは別の概念。「スイッチOTCと同じ意味」は誤り。
  • オ(誤): リスク区分は一律に第1類ではない。スイッチOTC後も成分・効能・安全性によって第1類〜第3類に分類される。

【スイッチOTC政策の背景と一般用医薬品市場への影響】

スイッチOTCとダイレクトOTCは、医薬品の「規制区分の流動性」を理解するうえで重要な概念です。

スイッチOTCの歴史的文脈:

欧米では1980年代からスイッチOTCが積極的に推進されました。日本でも規制緩和の流れの中で、かつて処方箋が必要だった成分が次々と一般用医薬品として承認されています。代表的なスイッチOTC成分には次のものがあります(いずれも国内で実際にスイッチOTC化された成分の例。試験では用語の定義が中心で具体的銘柄の暗記は問われにくい):

  • ロキソプロフェンナトリウム(解熱鎮痛成分)
  • ファモチジン(H2ブロッカー・胃酸分泌抑制)
  • ケトプロフェン(湿布・外用NSAIDs)

スイッチOTC化のプロセス:

医療用成分が一般用に移行するためには、以下のプロセスが必要です。

1. 使用実績の評価: 医療用として十分な安全性・有効性データが蓄積される。

2. OTC用途での再評価: 「処方箋なし・自己判断で使う」前提での用量・効能効果・禁忌の再設計。

3. 薬事審査: 薬事審議会の意見を聴いた上での承認審査。

4. リスク区分の決定: 承認後に第1類〜第3類のいずれかのリスク区分に分類される。

スイッチOTC直後の品目は、承認から一定期間、要指導医薬品として薬剤師の対面等による情報提供・指導の対象となることがあり、その後一般用医薬品に移行しますが、使用実績が積まれて安全性が確認されれば第2類・第3類への移行(区分変更)もあり得ます。ただし「必ず第1類」ではなく、オの選択肢は誤りです。

ダイレクトOTCの特性と登録販売者の関わり:

ダイレクトOTCは医療用としての使用実績なしに最初から一般用として承認を求めるもので、「人体への影響についての十分なデータが医療現場から得られていない」という点でより慎重な評価が必要です。ただし、すでに他国でOTCとして広く使用されている成分は、その実績を参照して承認審査が行われます。

用量・効能効果の縮小設計の意義:

スイッチOTCが医療用より用量・効能を縮小するのは、「自己判断での使用」という前提に合わせた安全設計です。医療用では医師が患者の検査値・病歴を踏まえてリスク管理しながら使いますが、OTCでは購入者が自己判断します。そのためOTCの用量は「大多数の成人が自己判断で使って重篤な副作用が起きにくい範囲」に絞られ、適応も「自己診断できる軽症の症状」に限定されます。

第4章(法規)との接続:

スイッチOTC成分は承認から一定期間、「再審査期間」に置かれ、市販後の安全性情報が継続的に収集されます(第4章ch4_47の論点)。この期間中はリスク区分の変更が行われないことが原則であり、登録販売者は最新の区分情報を把握している必要があります。

登録販売者として: 「これはスイッチOTCですか?」と購入者に問われることは稀ですが、「以前病院でもらっていた薬と同じ成分ですか?」という質問にはスイッチOTCの知識が役立ちます。「同じ有効成分だが用量・効能の設定が異なる」ことを適切に伝え、購入者の状態に応じた対応(症状が重ければ受診勧奨)を行うことが実務上の応用となります。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章Ⅰ-4)「セルフメディケーションへの積極的な貢献」・第4章Ⅱ-1)「医薬品の定義と範囲」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章Ⅰ-4)「セルフメディケーションへの積極的な貢献」・第4章Ⅱ-1)「医薬品の定義と範囲」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。