第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識33医薬品に共通する特性と基本的な知識(不適正使用・販売対応)

登録販売者 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問33:医薬品に共通する特性と基本的な知識(不適正使用・販売対応)

医薬品の不適正使用に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 医薬品を本来の用途と異なる目的で使用する「目的外使用」は、健康被害を引き起こすリスクがあるため不適正使用に当たる。
  • 医薬品の「みだりな使用」には、過量服用・長期連用のほか、他人への譲渡・売却目的での購入なども含まれる。
  • 登録販売者は、購入者が医薬品を適正に使用しようとしているかを確認する立場にはなく、購入希望があれば無条件に販売しなければならない。正答
  • コデイン配合製品を乱用目的(多量購入・頻回購入)で購入しようとしている場合、登録販売者は販売を断ることができる。
  • 医薬品の効能効果・用法用量の範囲を超えた使用は、たとえ効果があると感じていても不適正使用に当たる。
正答:登録販売者は、購入者が医薬品を適正に使用しようとしているかを確認する立場にはなく、購入希望があれば無条件に販売しなければならない。

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正答はウです。

登録販売者は、購入者が医薬品を適正に使用しようとしているかを確認する義務があります。濫用のおそれがある場合や目的外使用が疑われる場合には、販売を断ることができます。「購入希望があれば無条件に販売しなければならない」という記述は誤りです。

不適正使用には、①用法用量を守らない過量服用・長期連用、②本来の用途と異なる目的外使用(例:睡眠薬代わりに抗ヒスタミン薬を過量服用)、③他人への譲渡・転売目的の購入、④依存性成分(コデイン等)の乱用などが含まれます。登録販売者はこれらを防ぐための最前線の担い手です。

標準試験対策の基準レベル

不適正使用の類型(手引き第1章):

| 類型 | 具体例 |

|---|---|

| 過量服用 | 添付文書の用量を超えて服用する |

| 長期連用 | 添付文書で「長期連用しない」とされているものを継続使用 |

| 目的外使用 | 抗ヒスタミン薬を睡眠薬代わりに、鎮痛薬を気分転換目的に |

| 転売・譲渡目的 | 自己使用ではなく他者への販売・譲渡のために大量購入 |

| 乱用(依存形成) | コデイン配合剤・エフェドリン含有製品等の依存形成目的の多量・頻回購入 |

登録販売者の販売対応(重要):

登録販売者は、購入者の年齢・症状・購入数量等から不適正使用の可能性を判断し、必要に応じて販売を拒否できます。これは薬機法上の「不適正な使用のおそれがある場合の販売拒否」規定に基づきます。

各選択肢の解説:

  • ア(正): 目的外使用は不適正使用の一類型。適応外使用で予期せぬ副作用が生じる可能性がある。
  • イ(正): みだりな使用の中に転売・譲渡目的の購入が含まれることは正しい。
  • ウ(誤・正答): 登録販売者には確認義務があり、不適正使用が疑われる場合は販売拒否が可能。無条件販売義務はない。
  • エ(正): コデイン配合製品は「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されており、乱用目的の販売は拒否できる。
  • オ(正): 用法用量を超えた使用は有効成分の過量曝露を招き、副作用リスクが高まるため不適正使用。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【濫用防止規制の強化と登録販売者の実務的役割】

医薬品の不適正使用(特に濫用・乱用)への対応は、近年の法改正で強化されています。登録販売者がその最前線を担う実務的理由を深く理解することが、適切な現場対応につながります。

「濫用等のおそれのある医薬品」制度(令和8年5月1日施行の制度改正で「指定濫用防止医薬品」へ):

厚生労働大臣が指定する成分を含む製品が対象です。令和5年(現行)の指定は次の6成分でした:

  • エフェドリン
  • コデイン(鎮咳去痰薬に限る)
  • ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る)
  • ブロモバレリル尿素(旧名称: ブロムワレリル尿素・鎮静成分)
  • プソイドエフェドリン
  • メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち内用液剤に限る)

令和8年5月1日施行の制度改正では、上記6成分の剤形・薬効の限定(「鎮咳去痰薬に限る」「内用液剤に限る」等)が撤廃されて全製剤が対象となり、さらにジフェンヒドラミンデキストロメトルファンの2成分が追加されて計8成分となります。これらを含む製品は、購入者の氏名・年齢の確認(必要に応じ身分証提示)、他店での購入状況の確認、確認記録の作成・保管等、より厳格な販売管理が求められます(若年層のオーバードーズ対策強化)。

目的外使用の心理的・薬理的メカニズム:

目的外使用が問題になる典型例として、第1世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)の睡眠目的使用があります。

  • ジフェンヒドラミンはH1受容体遮断に加え、中枢神経抑制(眠気)を引き起こす。
  • この眠気を「睡眠補助」として意図的に利用する目的外使用が広く行われている。
  • 問題点: ①連用による耐性形成(翌日の眠気残存・認知機能低下)、②抗コリン作用による口渇・排尿困難、③中枢抑制が過量になった場合の危険性(特に高齢者)。
  • 登録販売者の対応: 「眠れないために睡眠補助薬として購入したい」という購入者には、まず睡眠補助薬(ジフェンヒドラミン配合睡眠補助薬)を短期(2週間以内)の使用に限定するよう説明し、症状が続くようであれば医療機関への受診勧奨を行う。「抗ヒスタミン薬であれば何でもよい」という誤解を解く情報提供が必要。

転売・譲渡目的購入の見分け方と対応:

転売・譲渡目的購入の典型的なサインとしては:

  • 同じ製品を複数個まとめて購入しようとする
  • 使用する本人以外(子・親・友人のため)と主張して多量購入する
  • 外国語でコミュニケーションをとりながら特定の成分名の製品を求める
  • 複数の店舗を訪問して同一製品を大量に購入するパターン

これらを観察した場合、登録販売者は「誰がどのような症状でどのくらいの期間使用するか」を確認し、不自然に多い数量への注意喚起・数量制限・販売拒否を行う権限があります。

依存性・習慣性と化学的背景:

コデインはアヘンアルカロイドの一種(モルヒネの前駆体)であり、体内でモルヒネに変換(CYP2D6媒介)されます。依存形成の機序はμオピオイド受容体を介した内因性オピオイドシステムの活性化であり、繰り返し使用によって「薬なしでは不快感・離脱症状が生じる」状態になります。登録販売者試験では機序の詳細よりも「コデインは依存形成のリスクがある=乱用防止の販売管理が必要」という事実が問われます。

「販売を断れる」法的根拠:

薬機法上、医薬品の販売者は「不適正な使用のおそれがある場合」に販売を拒否できると解釈されています。また、「濫用等のおそれのある医薬品」については、購入者の状況確認の義務が具体的に規定されており(令和8年5月1日施行の制度改正で確認・記録義務が強化)、確認を経ずに販売することが不適切とされる場面があります。登録販売者は「患者さんを守る最前線」として、商業的圧力に屈せず適切な販売管理を行うことが制度上の責務です。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 濫用医薬品の指定成分リストを一次情報で是正。誤りとして「ペントバルビタール」が含まれ、令和8年改正の追加成分(ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン)が欠落していた。現行6成分(エフェドリン/コデイン/ジヒドロコデイン/ブロモバレリル尿素/プソイドエフェドリン/メチルエフェドリン)+令和8年5月1日施行で剤形限定撤廃&ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン追加=計8成分(指定濫用防止医薬品)に修正。出典: 第一三共ヘルスケア/日経メディカル/各都道府県告知。設問・正答ウは一意性OK(変更なし)。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章 第1節「医薬品の本質」・第4章「薬事関係法規」(濫用等のおそれのある医薬品) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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章別に解いて、登録販売者に合格

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