第3章 主な医薬品とその作用107主な医薬品とその作用(外皮用薬・非ステロイド性抗炎症成分)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問107:主な医薬品とその作用(外皮用薬・非ステロイド性抗炎症成分)

外皮用薬に配合される非ステロイド性抗炎症成分に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • グリチルレチン酸は甘草(カンゾウ)由来の成分であり、外用薬に配合された場合でも内服薬と同様に偽アルドステロン症を引き起こすリスクが高いため、外用製剤への配合は原則として認められていない。
  • ウフェナマートはフェナム酸系の非ステロイド性抗炎症成分であり、プロスタグランジンの産生を抑制することで抗炎症・鎮痛作用を発揮し、外用薬として湿疹・皮膚炎・かぶれ等に用いられる。正答
  • グリチルレチン酸は強力なステロイド性抗炎症作用を持つため、ステロイド外用薬の代替として感染症を伴う皮膚病変にも積極的に使用できる。
  • ウフェナマートは外用薬であるため、全身性の副作用(光線過敏症・胃腸障害)は全く起こらない。
  • グリチルレチン酸を含む外皮用薬は、グリチルリチン酸二カリウムを含む内服薬と同時に使用した場合でも、外用成分の全身吸収量は無視できるため、合算してのグリチルリチン酸過剰摂取の心配はない。
正答:ウフェナマートはフェナム酸系の非ステロイド性抗炎症成分であり、プロスタグランジンの産生を抑制することで抗炎症・鎮痛作用を発揮し、外用薬として湿疹・皮膚炎・かぶれ等に用いられる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

正答はイ(正しいもの)です。

ウフェナマートはフェナム酸系の非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs系外用)で、プロスタグランジンの産生を抑えることで抗炎症・鎮痛作用を示します。湿疹・皮膚炎・かぶれ等に外用として使われます。

各選択肢の誤りポイント:

  • ア(誤): グリチルレチン酸の外用では偽アルドステロン症のリスクは内服より低く、外用製剤への配合は認められています(現に多数の市販外皮用薬に配合されています)。
  • ウ(誤): グリチルレチン酸はステロイド性ではなく非ステロイド性抗炎症成分です。感染症への積極使用も推奨されません。
  • エ(誤): ウフェナマートは外用薬でも皮膚から吸収されると光線過敏症等の副作用が起こることがあります。
  • オ(誤): 外用のグリチルレチン酸も皮膚から一部吸収されるため、内服薬と合わせてグリチルリチン酸量の過剰摂取に注意が必要です。
標準試験対策の基準レベル

非ステロイド性外用抗炎症成分の分類と特性比較:

| 成分名 | 分類 | 主な作用機序 | 適応 | 注意事項 |

|---|---|---|---|---|

| グリチルレチン酸 | トリテルペン系(甘草由来) | 炎症性サイトカイン抑制・COX抑制(弱い) | 湿疹・かぶれ・皮膚炎 | 大量長期使用で偽アルドステロン症(内服との合算注意) |

| ウフェナマート | フェナム酸系NSAIDs | COX阻害→プロスタグランジン産生抑制 | 湿疹・皮膚炎・かぶれ | 光線過敏症に注意。広範囲・長期は全身影響の可能性 |

| インドメタシン(外用) | インドール酢酸系NSAIDs | COX-1/COX-2阻害 | 肩こり・筋肉痛・関節痛 | 既存外皮問で扱い済み(本問とは別論点) |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): グリチルレチン酸の外用薬は多数の市販皮膚薬・化粧品に配合されており、外用製剤への配合は認められています。外用では吸収量が内服に比べて少ないため、偽アルドステロン症のリスクは低いとされています。ただし、大量・広範囲・長期使用では吸収量が増え、また内服薬(グリチルリチン酸含有)との重複では注意が必要です。
  • イ(正): ウフェナマートはフェナム酸系のNSAIDs外用成分で、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害してプロスタグランジンの産生を抑制します。これにより炎症による発赤・熱感・かゆみを和らげます。登録販売者が扱う市販外皮用薬(湿疹・かぶれ・皮膚炎の薬)に配合されている主要成分の一つです。
  • ウ(誤): グリチルレチン酸は非ステロイド性の抗炎症成分です。ステロイドホルモン(糖質コルチコイド)ではなく、甘草(カンゾウ)由来のトリテルペン系化合物です。感染症(細菌性・真菌性・ウイルス性)を伴う皮膚病変への積極使用は推奨されません(ステロイドと同様、感染症への適用には慎重さが必要)。
  • エ(誤): ウフェナマートは外用薬ですが、皮膚から一定量が吸収されると全身性の副作用が現れることがあります。特に光線過敏症(日光に当たるとかぶれ・炎症が起こる)が報告されており、使用部位が日光に当たらないよう注意が必要です。また、広範囲・長期使用では胃腸への影響も完全には否定できません。
  • オ(誤): グリチルレチン酸(外用)も皮膚から一部吸収されます。グリチルリチン酸を含む内服薬(かぜ薬・胃腸薬等に多数配合)と同時使用する場合は、外用分も含めてグリチルリチン酸の合算量が過剰にならないよう注意が必要です。手引きではグリチルリチン酸の摂取上限(目安として1日最大量の概念)を意識した使用が求められています。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【グリチルレチン酸・ウフェナマートの薬理・偽アルドステロン症の機序・上位資格接続の深掘り】

グリチルレチン酸(Glycyrrhetinic acid)の化学的特性と抗炎症機序:

グリチルレチン酸はカンゾウ(Glycyrrhiza glabra 等の根)から得られるトリテルペン系化合物です。生薬中にはグリコシド型(グリチルリチン酸:グリチルレチン酸+グルクロン酸2分子)として存在し、経口摂取後に腸内細菌によりグリチルレチン酸に変換されます。

抗炎症機序(複合的):

1. 11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β-HSD2)の阻害→コルチゾールの局所濃度上昇(ステロイド的効果の増強)

2. プロスタグランジン産生の一部抑制(COX経路への関与・弱い)

3. ヒアルロニダーゼ活性の抑制→炎症性透過性亢進の抑制

4. フリーラジカルのスカベンジャー作用

これらの機序は「非ステロイド性でありながらステロイド様の効果を一部持つ」という特性を説明します。ただしステロイド受容体への直接結合(ステロイド性抗炎症薬の本来の機序)は示しません。

偽アルドステロン症(Pseudohyperaldosteronism)の機序と外用リスクの評価:

偽アルドステロン症は「アルドステロンの血中濃度が正常または低値にもかかわらず、アルドステロン過剰と同様の症状が出る状態」です。

機序:

  • グリチルレチン酸が11β-HSD2(腎尿細管でコルチゾールをコルチゾンに変換する酵素)を阻害
  • コルチゾールがミネラルコルチコイド受容体(MR)に作用→アルドステロン様作用
  • Na貯留・K喪失→高Na血症・低K血症・高血圧・浮腫・筋力低下

症状:

  • 低カリウム血症(四肢の脱力・筋痙攣・麻痺)
  • 高血圧・浮腫
  • 横紋筋融解症(重篤例)

外用グリチルレチン酸のリスク評価:

  • 正常な角質バリアを持つ皮膚からの吸収量は内服に比べて少ない
  • ただし皮膚バリアが破綻(湿疹・傷・炎症部位)では吸収亢進
  • 大面積・長期・高濃度使用では全身移行量が増加
  • 内服薬(かぜ薬・胃腸薬・補中益気湯・小青竜湯等カンゾウ含有漢方薬)と同時使用では合算摂取量が問題になる

手引きでのグリチルリチン酸の扱い:

  • 1日摂取量の目安として数十mg〜の上限意識が必要(手引き参照)
  • 重複摂取の注意喚起:カンゾウを含む漢方薬・内服薬と外用の合算

ウフェナマートの光線過敏症と外用NSAIDs全般の注意:

ウフェナマート(Ufenamate)の光線過敏症機序:

  • 化学物質(光感作物質)が紫外線(主にUVA:320〜400nm)を吸収→活性化
  • 活性型が皮膚タンパクと結合→抗原形成→免疫反応(IV型過敏症の一形態)
  • 日光に当たることで接触部位・露出部位に紅斑・水疱・色素沈着

光線過敏症の実用的回避法:

1. 使用部位が日光に直接当たらないようにする(衣服・包帯等で保護)

2. 使用中および使用後しばらくは強い日光を避ける

3. 広範囲への使用を避ける

外用NSAIDs全般(ウフェナマート・インドメタシン・ケトプロフェン等)の共通注意:

  • 喘息患者への使用には注意(「アスピリン喘息」と同様のCOX阻害起因の気管支攣縮)
  • 妊娠後期への使用は避ける(内服NSAIDsの原則と同様の観点)
  • アレルギー体質・NSAIDsで過去に過敏反応の既往がある人には慎重使用

グリチルレチン酸の内服・外用の重複摂取管理(登録販売者の実務):

登録販売者が確認すべき重複摂取リスクシナリオ:

| パターン | リスク | 対応 |

|---|---|---|

| 外皮用薬(グリチルレチン酸)+かぜ薬(グリチルリチン酸) | 合算超過のリスク | かぜ薬の成分表を確認・用法通りの使用を指導 |

| 外皮用薬+補中益気湯等カンゾウ含有漢方薬 | 合算超過のリスク | 漢方薬服用中の外皮薬は医師・薬剤師に確認を勧奨 |

| 外皮用薬の長期大量使用(高齢者・乳幼児) | 吸収量増加 | 最小限の量・面積・期間での使用を指導 |

この重複摂取管理は登録販売者が日常販売現場で実践すべき重要な業務です。「使用中の他の薬を確認する」という基本動作が偽アルドステロン症の予防につながります。

次世代の外用抗炎症薬との接続(薬剤師・医師領域):

外用タクロリムス(カルシニューリン阻害薬)・外用JAK阻害薬(デルゴシチニブ等)はステロイドに依存しない新しい外用抗炎症薬として薬剤師・医師が処方する領域です。登録販売者が扱う市販外皮用薬の成分(グリチルレチン酸・ウフェナマート等)はあくまで軽症〜中等症の軽い炎症に対する一次対応であり、重症化・悪化時の受診勧奨と上位専門家との連携が重要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第13節「外皮用薬」(非ステロイド性抗炎症成分・グリチルレチン酸) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

抗炎症外用成分(グリチルレチン酸/ウフェナマート頻出度A

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

章別に解いて、登録販売者に合格

全5章のオリジナル問題。各問に出典(厚労省手引き)とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。