登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問135|利尿・泌尿生薬・キササゲ/サンキライ/ソウハクヒの基原

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

利尿・泌尿器に用いられる生薬に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

サンキライ(山帰来)はユリ科植物ケナシサルトリイバラの塊茎を基原とし、利尿・消炎の目的で用いられます。記述イは正確です。

各誤り選択肢のポイントです。

  • ア→キササゲの薬用部位は「葉」ではなく果実(さやが細長い実)
  • ウ→ソウハクヒの薬用部位は「葉」ではなく根皮(根の皮)
  • エ→キササゲはブドウ科ではなくノウゼンカズラ科
  • オ→ブクリョウはユリ科ではなくサルノコシカケ科(菌類)。科も利尿機序も異なる

語呂:「桑白皮(そうはくひ)は桑(マグワ)の根の皮・白い皮」「木大角豆(きささげ)は細長い実」で覚えましょう。

利尿・泌尿生薬の基原・薬用部位まとめ:

生薬名科名薬用部位主な作用配合製品・処方例
キササゲ(木大角豆)ノウゼンカズラ科果実利尿・強心八正散・泌尿器用薬
サンキライ(山帰来)ユリ科(サルトリイバラ属)塊茎利尿・消炎・解毒猪苓湯合四物湯等
ソウハクヒ(桑白皮)クワ科根皮利尿・鎮咳・消炎清肺湯・五苓散系処方

各選択肢の解説:

  • ア(誤): キササゲ(木大角豆)の薬用部位は果実です。葉ではありません。ノウゼンカズラ科植物キササゲ(Catalpa ovata)の細長いさや(果実)を乾燥させたもので、キャタルポール等の成分が利尿・強心作用を示します。「木大角豆」という名は細長い豆(さや)に似た果実の形から来ています。
  • イ(正): サンキライ(山帰来)はユリ科植物ケナシサルトリイバラ(Smilax glabra)の塊茎を基原とします(日本薬局方の規定基原。手引きはユリ科表記)。スミラキン等のサポニン・フラボノイドが利尿・消炎・解毒の作用を示します。「山帰来」とは中国から薬材が帰ってきた(伝来した)という意味に由来します。
  • ウ(誤): ソウハクヒ(桑白皮)の薬用部位は根皮(マグワの根の皮を乾燥・加工したもの)です。葉ではありません。「桑白皮」の「白皮」が「白い根の皮」を指す漢字表記から薬用部位のヒントが読み取れます。クワ科植物マグワ(Morus alba)等の根皮を用います。利尿のほか鎮咳・消炎の作用もあり、清肺湯等に配合されます。
  • エ(誤): キササゲはブドウ科ではなくノウゼンカズラ科に属します。ブドウ科との混同は試験での誤答パターンです。科名と薬用部位(果実)の両方を正確に記憶してください。
  • オ(誤): ブクリョウ(茯苓)はユリ科ではなくサルノコシカケ科の菌類(マツ等の根に寄生する菌核)が基原です。サンキライとブクリョウは科も基原の種類(植物 vs 菌類)も異なります。利尿の機序も相違するため、「ほぼ同一」という記述は誤りです。

【「利尿」の機序と各生薬の薬理の違い】

利尿薬は作用機序により大きく3つに分類されます。登録販売者試験の範囲は現代医学的な利尿薬の機序よりも「生薬の基原と作用」が中心ですが、機序を理解すると記憶の定着に役立ちます。

1. キササゲ(木大角豆)の強心・利尿機序

キササゲ果実にはキャタルポール(catalpol)・p-ヒドロキシ安息香酸等が含まれます。

  • 強心による二次的利尿: キャタルポールが心筋の収縮力を高める(陽性変力作用)ことで心拍出量が増加し、腎臓への血流量が増大して糸球体濾過量(GFR)が上昇します。心機能低下による浮腫(心臓性浮腫)に対して利尿効果が得られる「間接的な利尿」機序です。
  • 直接腎作用: 腎尿細管での水・ナトリウムの再吸収を一部抑制する直接作用も報告されています。

このため、キササゲは「強心+利尿」の2つの作用を組み合わせた生薬として、動悸・浮腫・排尿困難に対応する処方に配合されます。

2. ソウハクヒ(桑白皮)の利尿・鎮咳二刀流

マグワ(Morus alba)の根皮に含まれるムルベロシドA・B(フラボノイド配糖体)やシクロムルベリン等の成分が、腎尿細管での再吸収を抑制する直接利尿作用を示します。

また、ソウハクヒは鎮咳作用も持ちます。清肺湯(体力中等度以下の咳・たんが多い慢性気管支炎)にはソウハクヒが配合されており、「肺を清める(清肺)」という漢方理論において肺熱を取り除く役割を担います。「利尿と鎮咳の両方」という複合作用が特徴です。

3. サンキライのサポニンと消炎・解毒

サンキライ塊茎に含まれるサポニン(スミラキン類)は腎臓への直接作用で利尿を促すとともに、抗炎症・抗菌効果を示します。「梅毒・皮膚疾患の解毒薬」として江戸時代から用いられた歴史があり、「山帰来(中国から帰ってきた)」という名称はこの薬効の伝来由来説に基づきます。

現代では猪苓湯合四物湯等の処方で泌尿器の炎症(膀胱炎・尿道炎)に用いられることがあります。

4. 泌尿器用生薬の横断整理(試験頻出)

生薬科名・部位主機序配合処方
キササゲノウゼンカズラ科・果実強心→二次利尿+直接利尿八正散等
サンキライユリ科・塊茎直接利尿・消炎猪苓湯系
ソウハクヒクワ科・根皮直接利尿・鎮咳清肺湯等
ブクリョウ※既存サルノコシカケ科・菌核水分代謝調整猪苓湯・五苓散等
ウワウルシ※既存ツツジ科・葉アルブチン→尿の殺菌泌尿器用薬

登録販売者試験では「ブクリョウはサルノコシカケ科(菌類)」「キササゲはノウゼンカズラ科(果実)」「ソウハクヒはクワ科(根皮)」の3点が特に混同されやすいポイントです。科名・薬用部位・作用をセットで覚え、1問で複数の生薬を比較する問題に対応できる力をつけてください。

5. 上位資格への接続

薬剤師国家試験では利尿薬の作用機序(ループ利尿薬・チアジド系・K保持性・浸透圧利尿薬)の詳細が問われますが、登録販売者試験の「生薬の利尿」は「生薬名・基原・作用」の基礎レベルで十分です。ただし、「強心による間接的利尿(キササゲ)」という視点は、市販の強心薬を選ぶ際に「浮腫も改善したい顧客へのキササゲ含有製品の提案」として実務に直結する知識です。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅴ-2-1)「代表的な配合成分等、主な副作用」(その他の泌尿器用薬)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅴ-2-1)「代表的な配合成分等、主な副作用」(その他の泌尿器用薬) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。