問題
小児(15歳未満)への医薬品使用に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
小児の解熱用にはアセトアミノフェン配合の坐薬もありますが、成人用の薬を減らして与えるのではなく、年齢に応じた用法用量が定められた製品を使うことが重要です(アが正しい)。
小児で注意が必要な成分を覚えましょう。
| 成分 | 年齢制限 | 理由(手引き) |
|---|---|---|
| アスピリン | 15歳未満は使用しない(一般用) | 外国でライ症候群の発症との関連性が示唆されている |
| イブプロフェン | 15歳未満は使用しない(一般用) | 一般用医薬品では小児向けの製品はない |
| コデイン | 12歳未満は使用しない(令和元年7月の通知で禁忌に) | 重篤な呼吸抑制があらわれるおそれ |
| プロメタジン | 15歳未満は使用しない | 外国で乳児突然死症候群等の致命的な呼吸抑制の報告 |
| アセトアミノフェン | 年齢に応じた用法用量の製品を使う | 専ら小児の解熱に用いる坐薬もある |
ウはアスピリンを15歳未満に使用してはならないため誤り。イはコデインを半量にするのではなく「12歳未満の小児」は使用しないため誤り。
小児への医薬品使用における成分別の注意事項横断整理:
| 成分 | 年齢制限(使用上の注意) | 理由(手引き) |
|---|---|---|
| アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)・サザピリン・サリチル酸ナトリウム | 15歳未満の小児は使用しない(いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない) | 外国において、ライ症候群の発症との関連性が示唆されている |
| エテンザミド・サリチルアミド | 水痘又はインフルエンザにかかっている(疑いを含む)15歳未満の小児は使用を避ける | 構造が類似しているアスピリンでライ症候群との関連性が示唆されている |
| イブプロフェン | 15歳未満の小児は使用しない | 一般用医薬品では、小児向けの製品はない |
| プロメタジンを含む成分 | 15歳未満の小児は使用しない | 外国において、乳児突然死症候群、乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制の報告 |
| 抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬 | 15歳未満の小児は使用しない | 小児では神経過敏、興奮を起こすおそれが大きい |
| コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩 | 12歳未満の小児は使用しない(令和元年7月の通知で禁忌) | 重篤な呼吸抑制があらわれるおそれ |
| アセトアミノフェン | 年齢に応じた用法用量の製品を使用 | 専ら小児の解熱に用いる坐薬もある。坐薬と内服薬の併用に注意 |
各選択肢の解説:
- ウ(誤): 手引きは、アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)について「15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない」としています。サリチル酸系解熱鎮痛成分ではライ症候群の発生が示唆されており、「水痘やインフルエンザの発熱にも安全に使用できる」は誤りです。
- イ(誤): コデイン類は、平成29年に原則12歳未満の小児等に使用しないよう注意喚起がなされ、経過措置期間を経て、令和元年7月の通知で12歳未満の小児への使用が禁忌とされました。一般用医薬品では「してはいけないこと」に「12歳未満の小児」が記載されています。「半量にして使用することが推奨」は誤りで、12歳未満では量を減らしても使用しません。
- ア(正): 手引きには、専ら小児の解熱に用いる製品としてアセトアミノフェンが配合された坐薬もあると記載されています。また、保護者等に対して「成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明がなされることも重要」とされています。
- エ(誤): 小柴胡湯は「体力中等度」で、体の虚弱な人には不向きとされ、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られています。インターフェロン製剤で治療を受けている人では使用を避ける必要があります。「積極的に使用できる安全な漢方薬」「問題なく使用できる」という記述は誤りです。
- オ(誤): 抗ヒスタミン成分のうち「15歳未満の小児」が「してはいけないこと」とされているのは、プロメタジンを含む成分や、抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬などです。クロルフェニラミン等を含む製品の全品に「15歳未満使用不可」と記載されているわけではないため、誤りです。
【小児への医薬品使用における薬理学的背景と実務の横断理解】
なぜ小児は成人と別の成分・用量管理が必要か(生理学的背景):
| 小児の生理的特性(手引き) | 医薬品使用への影響 |
|---|---|
| 身体の大きさに対して腸が長い | 服用した医薬品の吸収率が相対的に高い |
| 血液脳関門が未発達 | 循環血液中に移行した成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい |
| 肝臓や腎臓の機能が未発達 | 成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある |
この特性があるため、手引きは「成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明」することを求めています。成人用を減らせば済むという発想は、吸収率・脳への移行・代謝排泄の違いを無視しているため誤りです(アの根拠)。
サリチル酸系成分とライ症候群:
手引きは、サリチル酸系解熱鎮痛成分において特に留意されるべき点として、ライ症候群の発生が示唆されていることを挙げています。
- アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)、サザピリン、サリチル酸ナトリウム:15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない
- エテンザミド、サリチルアミド:水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっている15歳未満の小児に対しては使用を避ける
アスピリンとエテンザミドで扱いが異なる点(「いかなる場合も」か「水痘・インフルエンザのとき」か)は頻出のひっかけです。
コデイン類の12歳未満の扱いの経緯:
手引きによると、米国等において12歳未満の小児等への使用を禁忌とする措置がとられたことを踏まえ、平成29年度に国内でも安全対策が検討されました。本剤による死亡例の国内報告はなく、日本での呼吸抑制のリスクは欧米と比較して遺伝学的に低いと推定されるとしつつ、予防的な措置として次の3段階がとられました。
1. 速やかに添付文書を改訂し、原則、12歳未満の小児等に使用しないよう注意喚起を行う
2. 1年6ヶ月程度の経過措置期間を設け、コデイン類を含まない代替製品や12歳未満を適応外とする製品へ切り換える
3. 切換え後、12歳未満の小児への使用を禁忌とする改訂を再度実施する(一般用医薬品は「してはいけないこと」に「12歳未満の小児」を追記)
この禁忌化は令和元年7月の通知によるものです。
アセトアミノフェン(小児用坐薬)の注意:
手引きは、内服薬のほか、専ら小児の解熱に用いる製品としてアセトアミノフェンが配合された坐薬もあるとしたうえで、次の点に注意を促しています。
- 一般の生活者の中には「坐薬と内服薬とは影響し合わない」との誤った認識を持っている人がいるため、解熱鎮痛薬やかぜ薬を併用しないよう注意を喚起する
- 誤って坐薬を服用しないよう注意する
- 重篤な副作用(肝機能障害等)は、特に定められた用量を超えて使用した場合に起こりやすい
小柴胡湯の注意事項(エの誤りの根拠):
小柴胡湯は、体力中等度で、かぜの後期の諸症状や食欲不振、吐きけ等に適すとされますが、体の虚弱な人には不向きとされます。まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られており、インターフェロン製剤で治療を受けている人では使用を避ける必要があります。また、漢方処方製剤は、用法用量に適用年齢の下限がない場合でも、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされています。「小児に積極的に使用できる安全な漢方薬」という認識は誤りです。
登録販売者の実務対応(小児向け医薬品販売時):
1. 年齢確認を優先: 想定される使用者を把握し、年齢に応じた用法用量の製品を選ぶ
2. 水痘・インフルエンザが疑われる場合: アスピリン等は15歳未満に使用しない。エテンザミド・サリチルアミドも使用を避ける
3. 鎮咳薬の年齢確認: 12歳未満にコデイン類を含む製品を使用しない
4. 重複確認: アセトアミノフェン坐薬と内服の解熱鎮痛薬・かぜ薬の併用を避ける
5. 乳児への対応: 乳児は状態が急変しやすく一般用医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることを優先する
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章Ⅱ-4)「小児、高齢者等への配慮」、第3章Ⅰ-2-2)、Ⅱ-1-2) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

