問題
禁煙補助薬(ニコチン製剤)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウ(誤っているもの)です。
禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえ使用することとされています。特に、使用中又は使用直後の喫煙は、血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり、避ける必要があります。「禁煙中であれば喫煙との併用は問題ない」は誤りです。
ア・イ・エ・オはいずれも正しい記述です。使用を避ける人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人・重い狭心症や不整脈と診断された人・妊婦・授乳婦等)と使用上の注意(喫煙との併用を避ける・ゆっくりと断続的に噛む)が頻出論点です。
ニコチン置換療法製剤の比較:
| 剤形 | 特徴 | 主な注意事項 |
|---|---|---|
| パッチ製剤 | 1日1回皮膚に貼付→ニコチンが皮膚を透過して血中に移行 | ― |
| 咀嚼剤(ニコチンガム) | 噛むことで口腔内でニコチンが放出→口腔粘膜から吸収 | ゆっくりと断続的に噛む・1度に2個以上は避ける・顎の関節に障害がある人は避ける・口腔内を酸性にする食品の摂取後しばらくは避ける |
各選択肢の解説:
- ア(正): 禁煙補助剤には、噛むことにより口腔内でニコチンが放出され口腔粘膜から吸収される咀嚼剤と、1日1回皮膚に貼付することによりニコチンが皮膚を透過して血中に移行するパッチ製剤があります。
- イ(正): 咀嚼剤は、菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐きけや腹痛等の副作用が現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛むこととされています。噛みすぎて唾液が出過ぎたときは、飲み込まずにティッシュ等に吐き出すこととされています。
- ウ(誤・正答): 禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえ使用することとされています。特に、使用中又は使用直後の喫煙は、血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり、避ける必要があります。他のニコチン含有製剤を併用した場合も、同様にニコチンの過剰摂取となるおそれがあります。「禁煙中であれば問題ない」は誤りです。
- エ(正): 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)では、循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるため、使用を避ける必要があります。これは「相談すること」ではなく「使用を避ける」に当たる点が出題のポイントです。
- オ(正): 妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性では、摂取されたニコチンにより胎児又は乳児に影響が生じるおそれがあるため、使用を避ける必要があります。
【ニコチン依存とニコチン置換療法の考え方】
タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情動を司る部位に働いて覚醒、リラックス効果などをもたらします。習慣的な喫煙により、血中ニコチン濃度の低下によってイライラ感、集中困難、落ち着かない等のニコチン離脱症状(禁断症状)が現れ、禁煙が困難になります。
ニコチン置換療法は、ニコチンの摂取方法を喫煙以外に換えて離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにする方法です。この考え方からも、使用中の喫煙(選択肢ウ)は前提に反します。
【「使用を避ける」と「相談する」の区別(頻出)】
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 使用を避ける | 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)/うつ病と診断されたことのある人/妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性/(咀嚼剤)顎の関節に障害がある人 |
| 使用前に医師・薬剤師に相談 | 心臓疾患(心筋梗塞、狭心症、不整脈)、脳血管障害、バージャー病、高血圧、甲状腺機能障害、褐色細胞腫、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、咽頭炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病又は腎臓病の診断を受けた人 |
「心筋梗塞」が両方に出てくる点に注意します。3ヶ月以内の心筋梗塞発作・重い狭心症や不整脈は「使用を避ける」、それ以外で心臓疾患の診断を受けた人は「相談」です(選択肢エ)。糖尿病でインスリン製剤を使用している人が相談の対象となるのは、ニコチンがインスリンの血糖降下作用に拮抗して効果を妨げるおそれがあるためです。
【咀嚼剤(ニコチンガム)の使い方】
- 菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、吐きけや腹痛等の副作用も現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛む(選択肢イ)
- 大量に使用しても禁煙達成が早まるものでなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがあるため、1度に2個以上の使用は避ける
- 口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避ける
- 口内炎や喉の痛み・腫れの症状がある場合には、口内・喉の刺激感等の症状が現れやすくなる
【相互作用と禁煙達成へのアドバイス】
- ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を増強させるおそれがあります。
- ニコチン離脱症状は、通常、禁煙開始から1~2週間の間に起きることが多いとされています。初めから無理に減らそうとせず、徐々に使用量を減らしていくほうが、結果的に禁煙達成につながるとされます。
- 禁煙補助剤は長期間にわたって使用されるべきものではなく、添付文書で定められた期限を超える使用は避けるべきです。重度の依存がある場合には、ニコチン依存症の治療を行う禁煙外来の受診を勧めることも考慮します。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅡ「禁煙補助剤」
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅡ「禁煙補助剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

