登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問9|強心薬・センソ・循環器用薬の特徴

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

一般用医薬品の強心薬・循環器系成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイ(誤っているもの)です。

ジギタリスは医療用(処方箋医薬品)の強心配糖体であり、OTC医薬品には使用されていません。OTC強心薬の主な成分はセンソ(蟾酥)・リュウノウ・ジャコウ等の生薬です。ジギタリスは有効域が非常に狭く(有効量と中毒量が近い)医師管理が必須であるため、OTCとして販売することが困難な成分です。

ア・ウ・エ・オはいずれも正しい記述です。特にセンソについては「1日服用量を超えると心臓毒性」という記述が重要で、OTC強心薬であっても用量遵守が必須である点が頻出です。

OTC強心薬の主な成分と特性:

成分由来作用注意事項
センソ(蟾酥)ヒキガエルの耳後腺分泌物乾燥品強心(心筋収縮力増大)中毒域が近い→用量厳守
ジャコウ(麝香)ジャコウジカの分泌物強心・精神安定高価・本物は希少
リュウノウ(竜脳)植物成分(ボルネオール)中枢神経刺激→強心補助比較的安全
ゴオウ(牛黄)牛の胆石強心・解熱・鎮静漢方薬(牛黄清心丸等)にも配合

各選択肢の解説:

  • ア(正): センソ(蟾酥)はヒキガエル(ガマガエル)の耳後腺から分泌される白色の毒液を乾燥した生薬です。強心配糖体様の成分(ブファジエノリド類)を含み、心筋のNa+/K+-ATPaseを阻害して心筋収縮力を増大させます。この機序がジギタリスと類似しており、同様に有効域と中毒域が近いため、指示された量を厳守する必要があります。
  • イ(誤・正答): ジギタリスはジギタリス(Digitalis lanata/purpurea)から抽出される強心配糖体(ジゴキシン・ジキトキシン等)ですが、有効域が非常に狭く(治療濃度と中毒濃度の差が小さい)、血中濃度の精密な管理が必要なため、OTC医薬品には用いられません(処方箋医薬品)。「OTC強心薬の主力成分」という記述は完全に誤りです。
  • ウ(正): リュウノウはボルネオールを主成分とする植物性成分で、中枢神経を軽度に刺激することで強心薬の補助として機能します。芳香性があり、口腔・消化管粘膜での清涼感・局所刺激作用も持ちます。
  • エ(正): ユビデカレノン(コエンザイムQ10・CoQ10)は心筋細胞のミトコンドリアにおける電子伝達系(呼吸鎖)の補助因子として心筋エネルギー代謝を助けます。OTC医薬品として「軽度な心疾患の補助」に使用されますが、小児への使用は安全性が確立していないため不可です。
  • オ(正): パンテチンはパントテン酸(ビタミンB5)の誘導体で、補酵素A(CoA)の前駆体として脂質代謝を調節し、LDLコレステロール低下・HDLコレステロール増加作用が報告されています。OTCの高コレステロール改善薬として使用されますが、効果は医療用スタチン系薬に比べて弱く、食事療法との併用が基本です。

【センソとジギタリス:強心配糖体機序の共通性とOTC規制の違い】

センソ(蟾酥)の主成分はブファリン・シノブファリン等のブファジエノリド類(強心ステロイド)です。これらはジギタリス由来の強心配糖体(ジゴキシン等のカルデノリド類)と同様に心筋細胞膜のNa+/K+-ATPase(ナトリウムポンプ)を阻害します:

Na+/K+-ATPase阻害 → 細胞内Na+上昇 → Na+/Ca²+交換体(NCX)による Ca²+排出が低下 → 細胞内Ca²+増加 → 心筋収縮力増大(陽性変力効果)

過剰な細胞内Ca²+蓄積 → Ca²+過負荷 → 不整脈(心室性期外収縮・心室細動)・心毒性

この有効域と中毒域の狭さから、ジギタリスは血中濃度モニタリング必須の処方箋医薬品です。センソはジギタリスより有効量の幅がやや広く生薬規格(含有量の変動あり)のためOTCとして許可されていますが、規定量を超えた服用は危険です。

【コエンザイムQ10(ユビデカレノン)の生化学的役割と医薬品・サプリの区分】

コエンザイムQ10(CoQ10、ユビキノール/ユビキノン)はミトコンドリア内膜に存在し、電子伝達系の複合体I→Q→複合体III間で電子を運搬する脂溶性キャリアです。心筋はATP消費量が最大の組織であり、CoQ10不足で心筋エネルギー代謝が低下します。心不全患者では心筋CoQ10レベルが低下していることが報告されています。

注意すべき区分:

  • 医薬品(OTC): 薬機法上の承認を得た「ユビデカレノン錠」→適応は「軽度な心疾患の場合の補助」。小児不可。
  • 食品・サプリメント: 「CoQ10サプリ」はあくまで食品→薬機法上の効能効果の標榜不可(「心臓に効く」と書けない)。

この区分を混同させる引っかけが試験で頻出です。「OTC医薬品として販売されているユビデカレノン」と「サプリのCoQ10」は法的に異なるものです。

【高コレステロール改善薬の成分と限界】

OTC高コレステロール改善薬の位置づけは「食事療法との補助」であり、医療用スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)とは効果の強さが根本的に異なります:

成分作用機序期待効果限界
パンテチンCoA前駆体→脂質代謝改善LDL↓・HDL↑効果は弱い
大豆油不けん化物(ソイステロール)腸管でのコレステロール吸収阻害血清コレステロール軽度低下効果限定的
ニコチン酸アミド末梢脂肪分解抑制(高用量ニコチン酸として)LDL↓・TG↓・HDL↑OTC用量は少量・顔面紅潮(フラッシング)副作用

OTC高コレステロール改善薬の適応は「食事・生活習慣の改善で対処可能な境界域の高コレステロール」であり、医師から薬物療法が必要と診断されたレベルの高脂血症にはOTCでは対応不可です。登録販売者は「OTCの限界」を正直に伝え、必要に応じて医師受診を勧奨することが求められます。

【センソ含有OTC強心薬の購入者への実務対応】

センソ含有強心薬(「救心」等)を購入する消費者への対応として登録販売者が確認すべき事項:

1. 狭心症・重篤な心臓病の診断がないか(→医師管理が必要な疾患には不適)

2. 他の強心薬・ジギタリス製剤の服用がないか(→ジギタリス服用中にセンソは相互作用リスク)

3. 長期服用の場合は定期的な医師相談を勧める

4. 用法・用量を厳守し「調子が悪いから多めに飲む」を避けるよう説明

センソはOTCとはいえ強力な心臓作用薬であり、「薬局で買えるから安全」という誤解を正すことが登録販売者の重要な役割です。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅳ-1「強心薬」・Ⅳ-2「高コレステロール改善薬」・Ⅳ-4「その他の循環器用薬」

この問題の根拠
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律e-Govで原文を読む
条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅳ-1「強心薬」・Ⅳ-2「高コレステロール改善薬」・Ⅳ-4「その他の循環器用薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。