登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問93|解熱鎮痛成分の比較=アセトアミノフェン/アスピリン/エテンザミド

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

解熱鎮痛成分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

アスピリンとエテンザミドはいずれもサリチル酸系の解熱鎮痛成分です。妊娠末期のラットで胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため、妊婦又は妊娠していると思われる人は使用上の注意で「相談すること」の対象とされています。

誤りの選択肢のポイント:

  • ア:アセトアミノフェンは主として中枢作用で解熱・鎮痛をもたらし、末梢における抗炎症作用は期待できません。
  • イ:アスピリンには血液を凝固しにくくさせる作用があるため、出産予定日12週間以内の使用を避けます(「してはいけないこと」)。
  • ウ:エテンザミドはサリチル酸系で、15歳未満のインフルエンザ・水痘時はアスピリン同様に避けるべきで「同様の条件で認められている」は誤り。
  • エ:アセトアミノフェンは他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もあります(食後の服用が推奨)。

ゴロ:「アセトアミノフェン=抗炎症なし・胃に優しい/サリチル酸系(アスピリン・エテンザミド)は妊婦は相談/アスピリンは出産予定日12週以内は避ける」

解熱鎮痛成分の主要3成分比較表:

成分名分類抗炎症作用小児へのインフルエンザ使用妊婦後期胃腸への影響
アセトアミノフェン非サリチル酸系末梢での抗炎症作用は期待できない専ら小児の解熱に用いる坐薬もある相談すること比較的小さい
アスピリン(アセチルサリチル酸)サリチル酸系あり15歳未満はいかなる場合も使用不可(ライ症候群)出産予定日12週以内は使用しない(してはいけないこと)刺激あり(空腹時注意)
エテンザミドサリチル酸系あり水痘・インフルエンザの15歳未満は原則使用を避ける(相談すること)相談すること刺激あり

各選択肢の解説:

  • ア(誤): アセトアミノフェンは「主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない」とされています。関節の腫れや発赤を伴う炎症に対してNSAIDsと同等の効果は期待できません。
  • イ(誤): 手引きは「アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)には血液を凝固しにくくさせる作用もあるため、胎児や出産時の母体への影響を考慮して、出産予定日12週間以内の使用を避ける」としています。使用上の注意でも「出産予定日12週以内の妊婦」は「してはいけないこと」の対象です。「血液を凝固しにくくさせる作用はない」「使用を避ける必要はない」はいずれも誤りです。
  • ウ(誤): エテンザミドはサリチル酸系であり、15歳未満の小児がインフルエンザ・水痘罹患時に使用した場合のライ症候群(重篤な肝・脳障害)の懸念から、水痘・インフルエンザにかかっている15歳未満の小児では使用を避ける必要があるとされています。「アスピリンと同様の条件で認められている」という記述は誤りです。
  • エ(誤): アセトアミノフェンは「他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もあるが、食後の服用が推奨されている」とされています。NSAIDsと同程度の刺激があるわけではなく、「食後服用を必須とする記載」も誤りです。
  • オ(正): 手引きの「相談すること」の「妊婦又は妊娠していると思われる人」の対象成分に、アスピリン、エテンザミド等が配合されたかぜ薬・解熱鎮痛薬が挙げられています。理由は「妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため」です。正しい記述です。

【解熱鎮痛成分の薬理機序と使用上の注意の詳細】

アセトアミノフェンの薬理:

アセトアミノフェン(パラセタモール)は主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できません。そのため:

  • 抗炎症作用がほとんどない(関節炎・腫れへの効果は弱い)
  • 他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少ない→空腹時に服用できる製品もあるが、食後の服用が推奨されている

アセトアミノフェンの重篤な副作用:まれに皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性肺炎、腎障害、肝機能障害を生じることがあり、特に定められた用量を超えて使用した場合や、日頃から酒類(アルコール)をよく摂取する人で起こりやすいとされます。坐薬と内服薬は影響し合わないとの誤った認識を持つ人もいるため、解熱鎮痛薬やかぜ薬との併用(重複摂取)に注意が必要です。

アスピリン(アセチルサリチル酸)の薬理と使用上の注意:

アスピリンはCOX-1・COX-2をアセチル化により不可逆的に阻害します。有核細胞(多くの組織細胞)は新たなCOX蛋白を合成できますが、無核細胞である血小板は新しいCOXを合成できないため、血小板の寿命が尽きるまでCOX阻害が持続します。これにより:

  • トロンボキサンA₂(TXA₂)産生抑制→血小板凝集抑制が持続
  • 消化管粘膜のPGE₂産生低下→胃粘膜保護機能低下→消化性潰瘍リスク

手引きでも「アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)には血液を凝固しにくくさせる作用もある」とされ、胎児や出産時の母体への影響を考慮して出産予定日12週間以内の使用を避ける(使用上の注意「してはいけないこと」)とされています。医療用医薬品のアスピリンは血栓予防薬の成分としても用いられており、既にアスピリン製剤が処方されている場合は一般用医薬品の解熱鎮痛薬を自己判断で使用せず、処方した医師又は調剤した薬剤師に相談します(選択肢イの論点)。

ライ症候群との関連(15歳未満の使用制限の根拠):

サリチル酸系解熱鎮痛成分において特に留意されるべき点は、ライ症候群の発生が示唆されていることです。ライ症候群は、主として小児が水痘(水疱瘡)やインフルエンザ等のウイルス性疾患に罹っているときに、激しい嘔吐や意識障害、痙攣等の急性脳症の症状を呈する症候群で、発生はまれですが死亡率が高く、生存の場合も脳に重い障害を残す等、予後は不良です。アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む)は15歳未満の小児に対してはいかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない、エテンザミドは水痘・インフルエンザにかかっている15歳未満で原則使用を避ける(相談すること)とされています。

エテンザミドの特性:

エテンザミドはサリチル酸系解熱鎮痛成分で、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い成分です。同じサリチル酸系として:

  • 15歳未満の水痘・インフルエンザ時:原則使用を避ける(相談すること)
  • 妊婦又は妊娠していると思われる人:相談すること
  • アセトアミノフェン・カフェインとの三者配合は「ACE処方」と呼ばれる

妊娠後期における注意の根拠:

アスピリン、サザピリン、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等を妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管(肺動脈と大動脈をつなぐ血管)の収縮が見られたとの報告があります。なお、アスピリンについては動物実験(ラット)で催奇形性が現れたとの報告もあります。このため「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、アスピリン、エテンザミド、アセトアミノフェン等が配合されたかぜ薬・解熱鎮痛薬の「相談すること」の対象とされています。

登録販売者として確認すべき重複リスク:

かぜ薬・鎮痛薬・生理痛薬を複数使用する場合の成分重複(特にアセトアミノフェンの多剤重複摂取)は実臨床でもしばしば問題になります。販売時は「他に何か薬を飲んでいますか」と確認し、同系統成分の過剰摂取を防ぐことが登録販売者の重要な役割です。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅰ-2「解熱鎮痛薬」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅰ-2「解熱鎮痛薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

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