問題
かぜ薬(総合感冒薬)に配合される成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(誤っているもの)です。
医薬品でのグリチルリチン酸の1日摂取量の上限は200mgです(40mgではありません)。40mgは「注意の目安」で、1日最大服用量が40mg以上の製品は、むくみ・心臓病・腎臓病・高血圧のある人や高齢者では事前に医師等に相談し、どのような人でも長期連用を避けるとされています。
ゴロ:「グリチルリチン酸は40で注意・200で上限」
ア・ウ・エ・オはいずれも正しい記述です。
かぜ薬の抗炎症・気管支拡張成分まとめ:
| 成分名 | 目的 | 注意事項 |
|---|---|---|
| トラネキサム酸 | 鼻粘膜や喉の炎症による腫れの緩和(起炎物質の産生抑制) | 血栓のある人・血栓を起こすおそれのある人は相談 |
| グリチルリチン酸二カリウム | 鼻粘膜や喉の炎症による腫れの緩和(ステロイド性抗炎症成分に類似した構造) | 1日最大服用量40mg以上の製品は高リスク者で相談・長期連用を避ける。医薬品の1日摂取量の上限は200mg |
| メチルエフェドリン塩酸塩 | 鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる(アドレナリン作動成分) | 心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症の人は相談。依存性に留意 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 手引きは、トラネキサム酸について「体内での起炎物質の産生を抑制することで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる」としています。鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的にかぜ薬に配合されます。
- イ(誤・正答): 手引きは「医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が200mg を超えないよう用量が定められている」としています。40mgは上限ではなく、「1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg 以上となる製品は長期連用を避ける」という注意の目安です。「40mgを超えないよう用量が定められている」は誤りです。
- ウ(正): メチルエフェドリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、「交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮める」ことを目的に用いられます。かぜ薬には、鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる成分として配合されます。
- エ(正): グリチルリチン酸を大量に摂取すると偽アルドステロン症を生じるおそれがあり、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は長期連用を避けるとされています。なお、かぜ薬はグリチルリチン酸を含む成分が配合されているか否かによらず、長期連用は避けることとされています。
- オ(正): トラネキサム酸には凝固した血液を溶解されにくくする働きもあるため、血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)や血栓を起こすおそれのある人に使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要とされています。
【かぜ薬成分の薬理詳細と配合の意義】
トラネキサム酸の薬理機序:
トラネキサム酸(TXA)はリジン類似構造を持ち、プラスミノゲンのリジン結合部位に競合的に結合することでプラスミノゲン→プラスミンへの変換を阻害します(抗プラスミン・抗線溶作用)。
手引きでは、トラネキサム酸は「体内での起炎物質の産生を抑制することで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる」成分とされ、鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的にかぜ薬に配合されます(選択肢ア)。
血栓リスクとの関係: トラネキサム酸には「凝固した血液を溶解されにくくする働きもある」ため、血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)や血栓を起こすおそれのある人に使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要です(選択肢オ)。
グリチルリチン酸と偽アルドステロン症の詳細:
グリチルリチン酸(GL)を含む生薬成分がカンゾウ(マメ科のGlycyrrhiza uralensis Fischer 又は Glycyrrhiza glabra Linné の根及びストロン)です。グリチルリチン酸二カリウムの作用本体であるグリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示すと考えられています。
偽アルドステロン症とは:体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態で、副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、こう呼ばれます。主な症状は手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)等です。
40mgと200mgの区別(選択肢イの論点):
| 数値 | 手引きでの位置づけ |
|---|---|
| 1日最大服用量 40mg以上 | むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者に使用する場合は医師等に相談する等、事前に適否を十分考慮/どのような人が対象であっても長期連用を避ける |
| 1日摂取量 200mg | 医薬品ではこれを超えないよう用量が定められている(上限) |
複数製品の重複摂取が問題になる事例:
- グリチルリチン酸はかぜ薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、グリチルリチン酸二カリウムは甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられている
- そのため、購入者等に対して、グリチルリチン酸の総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある
登録販売者の実務として:販売時に「漢方薬を飲んでいますか」「他のかぜ薬を使っていますか」と確認し、GL・カンゾウ含有製品の重複使用に注意することが求められます。
メチルエフェドリン塩酸塩の薬理と注意事項:
メチルエフェドリンはエフェドリン(植物マオウ由来)のN-メチル体で、交感神経刺激薬(アドレナリン作動薬)です。
作用機序:
- α₁受容体刺激:血管収縮(鼻粘膜充血緩和)
- β₂受容体刺激:気管支平滑筋弛緩→気道拡張(喘鳴・息苦しさの緩和)
- β₁受容体刺激:心拍数増加・心拍出量増加
使用前に医師又は薬剤師への相談が必要な基礎疾患:
- 心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症:交感神経系への刺激作用によって、心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じ、症状を悪化させるおそれがある
- 高齢者では心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため慎重に使用する
マオウ(麻黄)との関係:マオウ含有漢方(葛根湯・小青竜湯など)にもエフェドリン類が含まれます。かぜ薬(メチルエフェドリン含有)と漢方薬(マオウ含有)を重複使用すると、交感神経刺激作用が増強するため注意が必要です。
登録販売者としての販売時確認事項:
| 確認事項 | 関連成分 | リスク |
|---|---|---|
| 他のかぜ薬・漢方薬の使用 | GL・マオウ | 過剰摂取・偽アルドステロン症 |
| 血栓・心臓病の既往 | TXA・メチルエフェドリン | 血栓リスク・心負荷 |
| 高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症 | メチルエフェドリン | 症状悪化 |
| 長期連用 | かぜ薬全般 | グリチルリチン酸を含むか否かによらず長期連用は避ける |
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅰ-1「かぜ薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

