問題
外用消炎鎮痛成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はイ(誤っているもの)です。
フェルビナクなどの外用の非ステロイド性抗炎症成分には殺菌作用はありません。皮膚感染症には効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける必要があります。
ゴロ:「NSAIDs外用は菌を殺さない→みずむし・化膿には使わない」
ア・ウ・エ・オはいずれも正しい記述です。特にウのケトプロフェンの光線過敏症は頻出ポイントです。
外用NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)比較表:
| 成分名 | 特徴 | 小児向け製品 | 光線過敏症 | 喘息を起こしたことがある人 |
|---|---|---|---|---|
| インドメタシン | 骨格筋や関節部まで浸透しPG産生を抑える | 11歳未満向けの製品はない(含量1%の貼付剤は15歳未満向けの製品はない) | — | 使用を避ける(してはいけないこと) |
| フェルビナク | 同上。殺菌作用はない | 15歳未満向けの製品はない | — | 使用を避ける(してはいけないこと) |
| ケトプロフェン | 同上。紫外線吸収剤等と構造が類似 | 15歳未満向けの製品はない | あり(使用中・使用後も当分の間は遮光) | 使用を避ける(してはいけないこと) |
| ピロキシカム | 同上 | 15歳未満向けの製品はない | あり(野外活動が多い人は他の成分を選択) | 使用を避ける(してはいけないこと) |
| ジクロフェナクナトリウム | 同上 | 15歳未満向けの製品はない | — | 使用を避ける必要がある |
| サリチル酸メチル | 主として局所刺激で血行促進・知覚神経の軽い麻痺で鎮痛 | — | — | — |
各選択肢の解説:
- ア(正): 手引きは「インドメタシンを主薬とする外皮用薬では、11歳未満の小児(インドメタシン含量1%の貼付剤では15歳未満の小児)、その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬では、15歳未満の小児向けの製品はない」としています。インドメタシンだけ年齢区分が異なる点が頻出です。
- イ(誤・正答): 手引きは、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムについて「殺菌作用はないため、皮膚感染症に対しては効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける必要がある」としています。「殺菌作用もある」「みずむし等にも使用できる」はいずれも誤りです。
- ウ(正): ケトプロフェンはまれに重篤な副作用として光線過敏症を生じることがあり、「使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある」とされています。ただし、ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でないとされています。
- エ(正): 手引きは、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコールについて「皮膚から吸収された後、サリチル酸に分解されて、末梢組織(患部局所)におけるプロスタグランジンの産生を抑える作用も期待されるが、主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている」としています。正しい記述です。
- オ(正): 外用の非ステロイド性抗炎症成分は、内服で用いられる解熱鎮痛成分と同様に喘息の副作用を引き起こすおそれがあり、喘息を起こしたことがある人では使用を避ける必要があるとされています。正しい記述です。
【外用NSAIDsの薬理機序・光線過敏症・アスピリン喘息の詳細】
外用NSAIDsの経皮吸収と薬理:
手引きでは、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムは「皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用を示し」、筋肉痛、関節痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、腱鞘炎、肘の痛み(テニス肘等)、打撲、捻挫に用いられるとされています。
これらに共通する注意点:
- 過度の使用で効果は増さない:塗り薬又はエアゾール剤は1週間あたり50g(又は50mL)を超えての使用、貼付剤は連続して2週間以上の使用は避けることとされている製品が多い。長期連用を避け、まとめ買いや頻回購入者には注意を促す。
- 殺菌作用はない(選択肢イ):皮膚感染症には効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける。
- 妊婦:吸収された成分の一部が循環血液中に入る可能性があり、胎児への影響を考慮して使用を避けるべきとされる(インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム等を妊娠末期のラットに経口投与した実験で、胎児に高度~中等度の動脈管の収縮が見られたとの報告)。
インドメタシンの貼付剤: 適用部位の皮膚に腫れ、ヒリヒリ感、熱感、乾燥感が現れることがあるため、皮膚が弱い人は、あらかじめ1~2cm角の小片を腕の内側等の皮膚の薄い部位に半日以上貼ってみて、皮膚に異常を生じないことを確認することが推奨されています。
ケトプロフェンの光線過敏症の機序:
ケトプロフェンのベンゾフェノン部分が紫外線を吸収して励起状態となり、皮膚タンパクとの光化学反応で抗原(ハプテン)を形成します。
光線過敏症は2種類:
1. 光毒性反応:免疫反応を介さず、光化学的に組織が傷害される(即時性・用量依存性)
2. 光アレルギー性反応:免疫(IV型遅延型過敏反応)を介した反応(遅延性・感作後に低用量でも発症)
手引きでは、紫外線により使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず戸外活動を避け、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆うこと(ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でない)とされています。また、チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(いずれも医療用医薬品の有効成分)又はオキシベンゾン、オクトクリレン(化粧品や医薬部外品に紫外線吸収剤として配合される化合物)でアレルギー症状を起こしたことがある人は、分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいため、使用を避けることとされています。ピロキシカムも光線過敏症を生じることがあり、野外活動が多い人では他の抗炎症成分が配合された製品を選択することが望ましいとされます。
アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)の機序:
アラキドン酸代謝経路の概要:
- COX経路(プロスタグランジン産生)
- 5-LOX経路(ロイコトリエン産生)
NSAIDsがCOX-1を阻害すると:
- アラキドン酸が5-LOX経路へシャント
- システイニルロイコトリエン(LTC₄、LTD₄、LTE₄)の大量産生
- 気管支平滑筋LTC₄/LTD₄受容体刺激→強い気管支収縮・粘液分泌亢進→喘息発作
外用薬の場合:手引きは、内服で用いられる解熱鎮痛成分と同様に喘息の副作用を引き起こすおそれがあるため、喘息を起こしたことがある人では使用を避ける必要があるとしています。使用上の注意でも、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン又はピロキシカムが配合された外用鎮痛消炎薬は、「喘息を起こしたことがある人」が「してはいけないこと」の対象です(理由:喘息発作を誘発するおそれがあるため)。
小児向け製品の年齢区分(選択肢アの論点):
手引きは「小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず」とした上で、次のように区分しています。
| 主薬 | 小児向け製品 |
|---|---|
| インドメタシン(下記以外) | 11歳未満の小児向けの製品はない |
| インドメタシン含量1%の貼付剤 | 15歳未満の小児向けの製品はない |
| その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬 | 15歳未満の小児向けの製品はない |
サリチル酸メチルと局所刺激成分の区別:
サリチル酸メチル、サリチル酸グリコールは、主として局所刺激により患部の血行を促し、末梢の知覚神経に軽い麻痺を起こすことで鎮痛作用をもたらすと考えられています。一方、手引きで「温感刺激成分」として挙げられているのはカプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル等、「冷感刺激成分」はメントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等です。
登録販売者の実務ポイント:
- 喘息を起こしたことがある人には外用の非ステロイド性抗炎症成分も使用を避ける
- ケトプロフェン含有製品は使用中・使用後も当分の間の遮光を必ず説明する
- 小児には年齢区分(インドメタシンは11歳未満/1%貼付剤と他成分は15歳未満)を確認する
- みずむし・たむし・化膿した患部には使用しない
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅹ-2)「痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

