登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問19:薬事関係法規・制度(濫用対策・販売時確認)
令和8年5月1日に施行された改正後の「指定濫用防止医薬品」(旧「濫用等のおそれのある医薬品」)の販売時の確認等に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア指定濫用防止医薬品を販売する際の年齢確認は、購入者が若年者(おおむね20歳未満)と思われる場合に限って行えばよく、明らかに成人と思われる購入者については年齢を確認する必要はない。正答
- イ指定濫用防止医薬品を販売する際、購入者が18歳以下である場合には、その氏名および年齢を確認しなければならない。
- ウ同一の購入者が1回の購入につき複数個(複数包装等)を購入しようとする場合、薬剤師または登録販売者は、購入目的・必要性等を確認し、必要と判断される量を超える販売を控えなければならない。
- エ指定濫用防止医薬品の成分は厚生労働大臣が指定するものであり、コデイン・ジヒドロコデイン・ブロモバレリル尿素・エフェドリン・メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン・ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファンが含まれる。
- オ指定濫用防止医薬品については、複数個または大容量の製品の販売を行う場合に、その理由を確認することが義務付けられている。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正答はア(誤っているもの)です。
令和8年5月1日施行の改正で、年齢確認は若年者だけでなくすべての購入者に対して行うこととされました。明らかに成人と思われる場合でも年齢の確認が必要であり、「若年者と思われる場合に限ってよい」とするアは改正後は誤りです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 令和8年5月1日施行の指定濫用防止医薬品制度では年齢確認が全購入者に拡大。旧「若年者(20歳未満)のみ確認」は改正後は不正確。改正反映のため設問を指定濫用防止医薬品に更新し正答をイ→アに変更 -->
イ:18歳以下の購入者は氏名・年齢の確認が必要で正しい。ウ:必要量を超える販売を控えなければならないのは正しい。エ:改正後の指定成分8つの一覧として正しい。オ:複数個・大容量の販売時に理由を確認するのは正しい。
指定濫用防止医薬品の販売時確認事項(令和8年5月1日施行・手引き令和8年4月版):
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 年齢確認 | すべての購入者の年齢を確認(18歳以下は氏名・年齢を確認) |
| 他店等での購入状況 | 他の薬局・店舗等での指定濫用防止医薬品の購入状況を確認 |
| 数量制限 | 18歳以下には大容量・複数個を販売しない。原則必要数量(1単位)を限度 |
| 複数個・大容量の理由 | 複数個・大容量の購入時はその理由を確認 |
| 情報提供 | 書面等を用いた情報提供と理解の確認を行う |
指定濫用防止医薬品の成分(厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定する8成分):
- コデイン・ジヒドロコデイン(鎮咳成分)
- エフェドリン・メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン(鼻炎・気管支拡張成分)
- ブロモバレリル尿素(鎮静成分)
- ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン成分)
- デキストロメトルファン(鎮咳成分)
各選択肢の解説:
- ア(誤・正答): 令和8年5月1日施行の改正により、年齢確認は若年者に限らずすべての購入者に対して行うこととされました。明らかに成人と思われる場合でも年齢確認が必要であり、「若年者と思われる場合に限ってよい」とするアは改正後は誤りです。
- イ(正): 改正後は、購入者が18歳以下である場合、その氏名および年齢を確認しなければなりません。
- ウ(正): 必要と認められる数量を超えた購入には理由等を確認し、適正使用を目的としない購入には販売しないこととされています(過量販売の防止)。
- エ(正): 列挙されている8成分は、改正後の指定濫用防止医薬品の成分として正しい内容です(コデイン・ジヒドロコデイン・エフェドリン・メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン・ブロモバレリル尿素・ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン)。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 改正後の成分は8つ。旧解説にあった「メトキシフェナミン」は指定成分ではないため削除し、改正で追加されたジフェンヒドラミン・デキストロメトルファンを反映 -->
- オ(正): 複数個・大容量の製品の販売時にはその理由を確認することが義務付けられています。1人に多量に販売することによる濫用を防ぐためです。
【指定濫用防止医薬品の規制背景と令和7年改正(令和8年5月1日施行)】
市販薬(OTC医薬品)の濫用、とりわけ若年層を中心とした「オーバードーズ(OD)」が社会問題化したことを受け、令和7年の薬機法改正(令和8年5月1日施行)により、従来の「濫用等のおそれのある医薬品」は「指定濫用防止医薬品」として制度が再構築・強化されました。
「指定濫用防止医薬品」の定義:
指定濫用防止医薬品とは、用法・用量や使用目的を守らず大量に使用した場合に中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚を生ずるおそれがあり、その防止を図る必要がある医薬品として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものです。
改正後に確認が義務付けられる具体的事項:
1. すべての購入者の年齢確認(改正前は「若年者と思われる場合」が中心だったが、改正後はすべての購入者が対象)
2. 18歳以下の場合は氏名および年齢の確認
3. 他の薬局・店舗等での指定濫用防止医薬品の購入状況の確認
4. 複数個・大容量の製品を購入しようとする場合の理由の確認
5. 適正な使用に必要と認められる数量を超える販売を行わないこと(18歳以下には大容量・複数個を販売しない)
6. 書面等を用いた情報提供と、その理解の確認
年齢確認の対象拡大(改正の最重要ポイント):
改正前は実務上「若年者(おおむね20歳未満)と思われる場合」の確認が中心でしたが、改正後は明らかに成人と思われる購入者を含むすべての購入者の年齢確認が必要になりました。特に18歳以下については、氏名・年齢の確認を行い、大容量・複数個の販売は行いません。本問の選択肢ア(「若年者と思われる場合に限ってよい」)が誤りとなるのはこの改正点によるものです。
指定濫用防止医薬品の成分(8成分):
改正後の指定成分は次の8つです。それぞれ濫用リスクの背景があります:
- コデイン・ジヒドロコデイン(鎮咳成分): 依存性があり、咳止めシロップ等の大量飲用が問題
- エフェドリン・メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン(鼻炎・気管支拡張成分): 大量摂取で興奮等を生じうる
- ブロモバレリル尿素(鎮静成分): 依存性・過量による意識障害のリスク
- ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン成分): 改正で新たに追加。大量摂取による中枢抑制・幻覚等
- デキストロメトルファン(鎮咳成分): 改正で新たに追加。大量摂取による解離症状等
販売を控える「判断の裁量」:
薬剤師・登録販売者は、確認した情報から「適正な使用を目的としない購入」と判断した場合、その販売を行わないこととされています。確認を踏まえた適切な販売管理が求められます。
登録販売者として知っておくべき実務上のポイント:
1. 年齢確認はすべての購入者に必要(18歳以下は氏名・年齢確認・大容量/複数個は販売しない)
2. 他店での購入状況・複数個や大容量購入の理由を確認する
3. 書面等を用いた情報提供と理解の確認を行う
4. 疑義がある場合は薬剤師・管理者に相談する
【根拠】薬機法・薬機法施行規則(指定濫用防止医薬品の販売時確認・情報提供等)、厚生労働大臣の指定(薬事審議会の意見聴取)、令和7年改正(令和8年5月1日施行)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 令和8年5月1日施行の指定濫用防止医薬品制度に全面更新。年齢確認は全購入者に拡大(18歳以下は氏名年齢確認・大容量/複数個販売不可)、成分は8つ(ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン追加、メトキシフェナミンは非該当)。架空の「2023年以降の購入履歴システム導入」等の検証不能な実務細目は削除 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章「指定濫用防止医薬品」(薬機法・薬機法施行規則。令和7年改正・令和8年5月1日施行) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。