第4章 薬事関係法規・制度30薬事関係法規・制度(薬剤師不在時間・販売制限)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問30:薬事関係法規・制度(薬剤師不在時間・販売制限)

薬局における薬剤師不在時間に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 薬剤師不在時間とは、調剤に従事する薬剤師が当該薬局に不在となる時間のことであり、あらかじめ定められた時間に限られる。
  • 薬剤師不在時間中は、第1類医薬品の販売・授与を行うことができない。
  • 薬剤師不在時間中は、要指導医薬品の販売・授与を行うことができない。
  • 薬局開設者は、薬剤師不在時間中に当該薬局内の見やすい場所に、その旨を掲示しなければならない。
  • 薬剤師不在時間中は、登録販売者のみが在籍していれば薬剤師の代わりとして第1類医薬品の情報提供・販売を行うことができる。正答
正答:薬剤師不在時間中は、登録販売者のみが在籍していれば薬剤師の代わりとして第1類医薬品の情報提供・販売を行うことができる。

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正答はオ(誤っているもの)です。

薬剤師不在時間中は、登録販売者が在籍していても第1類医薬品の販売・授与を行うことができません。第1類医薬品は薬剤師のみが情報提供・販売できる医薬品であり、登録販売者が代替することはできないからです。

ア〜エはいずれも正しい記述です。薬剤師不在時間中は第1類医薬品・要指導医薬品の両方とも販売不可で、その旨を店内の見やすい場所に掲示することが義務づけられています。第2類・第3類医薬品は登録販売者が引き続き販売できますが、第1類は薬剤師が戻るまで販売を停止しなければなりません。

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薬剤師不在時間中の各区分の取扱いまとめ:

| 医薬品区分 | 薬剤師不在時間中の取扱い | 誰が担当できるか |

|---|---|---|

| 要指導医薬品 | 販売・授与不可 | 薬剤師のみ(不在中は禁止) |

| 第1類医薬品 | 販売・授与不可 | 薬剤師のみ(不在中は禁止) |

| 第2類医薬品 | 販売可能 | 薬剤師・登録販売者 |

| 第3類医薬品 | 販売可能 | 薬剤師・登録販売者 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 薬剤師不在時間は「調剤に従事する薬剤師が薬局に不在となる時間」であり、あらかじめ定められた時間(例:往診・医療機関への出向等)に適用されます。突発的な不在は本来の薬剤師不在時間制度の想定外です。
  • イ(正): 第1類医薬品は薬剤師しか販売できないため、薬剤師不在時間中は販売不可です。
  • ウ(正): 要指導医薬品も薬剤師のみが販売できるため、不在時間中は販売・授与不可です。
  • エ(正): 薬局開設者は薬剤師不在時間中に「薬剤師不在時間中である旨」を店内の見やすい場所に掲示しなければなりません。これにより購入者が第1類・要指導が購入できないことを事前に把握できます。
  • オ(誤): 登録販売者は第1類医薬品の情報提供・販売権限を持ちません。薬剤師が不在の間、第1類医薬品は販売停止状態となります。「登録販売者が代替できる」という記述は誤りです。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【薬剤師不在時間制度の制度趣旨と背景】

薬剤師不在時間の制度は、薬局の薬剤師が調剤業務以外の目的(在宅訪問・医療機関への出向・研修参加等)で一時的に不在となるケースに対応するために設けられたものです。すべての時間帯に薬剤師を在籍させることが困難な薬局の実態(人員・財務的制約)を踏まえながら、消費者保護の観点から適切な販売制限を課す仕組みです。

薬剤師不在時間の要件:

薬剤師不在時間として認められるには、以下の条件を満たす必要があります:

1. あらかじめ定められた時間であること: 薬剤師不在時間は事前に計画・公表されるものでなければなりません。突発的な不在(急病等)は本制度の「薬剤師不在時間」には該当せず、その場合は薬局として正規の開業状態を維持できない問題が生じます。

2. 薬局として開業中の時間内であること: 薬局の開局時間中において一時的に調剤担当薬剤師が不在となる場合に適用されます。

3. 登録販売者その他のスタッフが在籍していること: 薬剤師が不在でも、登録販売者が在籍し、第2類・第3類医薬品の販売・情報提供を継続できる体制がとられていることが前提です。

第1類医薬品の情報提供義務と薬剤師限定の根拠:

第1類医薬品は、一般用医薬品の中でリスクが最も高く、薬剤師による書面を用いた情報提供が義務づけられています。この情報提供義務は「薬剤師が対面で行う」ことが法的要件であり、登録販売者は情報提供の主体となれません。

薬剤師不在時間中に第1類を販売できない理由は次の2点です:

  • 書面による情報提供を薬剤師が行えない
  • 購入者の質問・相談に対して薬剤師として対応できる者がいない

掲示義務の実務上の意味:

薬剤師不在時間中に「その旨の掲示」を求める規定は、購入者が来店した際に「現在第1類医薬品・要指導医薬品は購入できない」ことを明確に伝えるためのものです。掲示がなければ、購入者が無駄足を踏むほか、販売スタッフが誤った対応をするリスクもあります。

掲示内容には一般的に以下が含まれます:

  • 薬剤師不在時間である旨
  • 薬剤師が不在のため第1類医薬品・要指導医薬品を販売・授与できない旨
  • 薬剤師が戻る時刻の目安(任意ですが実務上有用)

特定販売(インターネット販売)との関係:

薬剤師不在時間中は、店舗での第1類医薬品の販売が禁止されますが、特定販売(インターネット販売)についても同様に第1類医薬品の特定販売は当該薬局の薬剤師が対応できる体制があることが前提とされます。薬剤師不在時間中は、インターネット上での第1類医薬品の特定販売も停止する必要があります。

登録販売者の管理者要件との接続:

薬局の店舗管理者は薬剤師でなければならない(薬局の場合)という原則があります。一方、店舗販売業では登録販売者が管理者となれるケースがありますが、薬局においては薬剤師が管理者の基本であり、薬剤師不在時間はあくまで「例外的措置」として制度的に許容されているものです。

受験上のポイント:

試験での頻出論点は「薬剤師不在時間中に○○できるか/できないか」の判断です。

  • 第1類・要指導 → 薬剤師不在中は販売不可(登録販売者での代替不可)
  • 第2類・第3類 → 登録販売者が販売可能
  • 掲示義務 → 薬局開設者の義務(見やすい場所に)

【登録販売者が薬剤師不在時間中に実際に直面する場面と対応】

薬剤師不在時間中の登録販売者には、ルールを「知っている」だけでなく「適切に対応できる」ことが求められます。

よく起きる場面と正しい対応:

| 場面 | 誤った対応 | 正しい対応 |

|---|---|---|

| 第1類医薬品(H2ブロッカー等)を求められた | 「少量なら大丈夫だろう」と販売する | 「ただいま薬剤師が不在のため、第1類医薬品はお出しできません。薬剤師が戻る○時頃に再度お越しいただくか、別の薬局でご相談ください」と丁寧に説明 |

| 「情報提供は要らないから売ってほしい」と言われた | 情報提供省略で販売する | 第1類は「情報提供拒否」でも薬剤師限定であり、登録販売者での販売は不可。同じ回答を繰り返す |

| 掲示をし忘れたまま薬剤師が外出した | 気づいてもそのままにする | 直ちに所定の掲示を見やすい場所に設置し、来店者に口頭でも第1類・要指導薬の販売ができない旨を案内する |

| 要指導医薬品(スイッチ直後のOTC薬等)の購入希望 | 「自分で対応できる」と判断して販売する | 要指導医薬品は薬剤師による対面情報提供が必須であり、薬剤師不在中は販売不可。第1類と同様に対応 |

制度改正の方向性:要指導医薬品のオンライン化と特定要指導医薬品(令和7年改正)との接続:

令和7年(2025年)改正(令和7年5月21日公布・段階施行)では、要指導医薬品について薬剤師による映像・音声を用いたオンラインでの情報提供・指導による販売が可能となる方向で整備が進められました。一方、新設された「特定要指導医薬品」は、対面による情報提供・指導の必要性が継続する限り恒久的にその区分にとどまる医薬品(緊急避妊薬等が想定される)であり、オンライン販売の対象とはならず対面販売が義務づけられている点が通常の要指導医薬品と異なります。すなわち改正は「要指導医薬品の一部をオンライン可とする一方、特に対面が必要なものを特定要指導医薬品として対面に固定する」という方向です。薬剤師不在時間中の取扱いとの関係(不在時間中はそもそも要指導・第1類を販売できない)は従来どおりであり、リモート対応の細目は手引きの最新版・施行規則の確認が必要です。登録販売者として、こうした制度改正の最新情報へのアンテナを常に立てておくことが専門職としての重要な姿勢です。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser・品質ゲート編集分の再検証): advanced末尾に品質ゲートが追記した「特定要指導医薬品制度=一定条件下でオンライン販売可」という記述が一次ソースと逆の事実誤認だったため修正。一次確認(厚労省 令和7年薬機法改正・データインデックス解説)により、特定要指導医薬品は対面販売が恒久的に必要でオンライン不可の区分(緊急避妊薬等)、オンライン化されるのは通常の要指導医薬品の側、と確定。公布日(令和7年5月21日)・段階施行を併記し制度趣旨の表現に置換。ア〜オの正答(オ=薬剤師不在時間中に登録販売者が第1類を代替販売できるとする記述が誤り)は手引き準拠で一意、正答変更なし。 -->

【根拠】薬機法施行規則(薬剤師不在時間・第1類医薬品の取扱い制限・掲示義務の規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬剤師不在時間の制度) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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