第4章 薬事関係法規・制度37薬事関係法規・制度(GVP)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問37:薬事関係法規・制度(GVP)

製造販売後安全管理(GVP)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • GVP(製造販売後安全管理の基準)は製造業者が対象であり、製造販売業者には適用されない。
  • GVPに基づき、製造販売業者は安全管理責任者を置き、市販後の副作用情報等の安全性情報を収集・評価・措置する体制を整備しなければならない。正答
  • 安全管理責任者は品質保証責任者(GQP担当)と同一人物が兼任しなければならず、別々の担当者を置くことは認められない。
  • GVPに基づく副作用情報の報告先は都道府県知事のみであり、PMDAへの直接報告義務はない。
  • 製造販売業者がGVP体制を整備するのは新薬(医療用医薬品)に限られており、一般用医薬品の製造販売業者にはGVPの適用はない。
正答:GVPに基づき、製造販売業者は安全管理責任者を置き、市販後の副作用情報等の安全性情報を収集・評価・措置する体制を整備しなければならない。

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正答はイ(正しいもの)です。

GVP(Good Vigilance Practice)とは、製造販売後安全管理の基準です。製造販売業者はGVPに基づき、市販後の副作用情報・品質情報・有効性情報等の安全性情報を収集・評価し、必要な措置(改善・回収・行政報告等)を講じる体制を整備しなければなりません。安全管理責任者の配置もその一環です。

アは誤りで、GVPは製造販売業者が対象の基準です。製造業者はGMPが対象です。ウは誤りで、安全管理責任者と品質保証責任者を「同一人物が兼任しなければならない(兼任強制)」という規定はありません。エは誤りで、副作用報告はPMDAへの報告義務が基本です。オは誤りで、一般用医薬品の製造販売業者にもGVPは適用されます。

標準試験対策の基準レベル

GVPの主な内容と安全管理責任者の役割:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 対象 | 医薬品・医薬部外品・化粧品・再生医療等製品の製造販売業者 |

| 安全管理責任者 | GVP体制の責任者。品質保証責任者(GQP担当)とは独立して責務を果たせる体制で配置 |

| 安全性情報の収集 | 副作用報告・医療機関・消費者からの情報・文献情報等 |

| 情報の評価・措置 | 重大な副作用が疑われる場合の自発的報告・回収・改善措置 |

| 報告先 | PMDA(医薬品医療機器総合機構)経由で厚生労働大臣への報告が基本 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): GVPは製造販売業者が対象です。製造業者にはGMPが適用されます。
  • イ(正): GVPに基づく安全管理責任者の配置・安全性情報の収集評価措置体制の整備は製造販売業者の義務です。正しい記述です。
  • ウ(誤): 安全管理責任者(GVP担当)と品質保証責任者(GQP担当)を「同一人物が兼任しなければならない」とする規定はありません。むしろ品質管理と安全管理はそれぞれ独立して適切に機能することが求められており、「兼任を強制する」というウの記述は誤りです。
  • エ(誤): 副作用情報の報告はPMDA(医薬品医療機器総合機構)を通じた厚生労働大臣への報告が基本です。都道府県知事への報告のみではありません。
  • オ(誤): GVPは医療用医薬品のみでなく、一般用医薬品の製造販売業者にも適用されます。一般用医薬品においても市販後の副作用情報収集・報告体制が求められます。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【GVP制度の制度趣旨と法的根拠】

GVP(Good Vigilance Practice:製造販売後安全管理の基準)は、薬機法に基づく省令として定められており、医薬品が市場に流通した後の安全性監視を製造販売業者に義務付けるものです。医薬品は承認時点では限定的な臨床試験データに基づいていますが、実際に多数の患者・消費者に使用されることで、稀な副作用・特定の集団への影響・他の医薬品との相互作用等が新たに明らかになる場合があります。GVPはこのような「市販後に発見されるリスク」を適切に管理するための仕組みです。

GVPの主な業務内容:

1. 安全性情報の収集:

- 医療機関・薬局・消費者から直接寄せられる副作用報告

- 学術文献・外国の規制当局情報等の文献情報

- 製品の品質苦情情報(GQPとの連携)

2. 安全性情報の評価:

- 収集した情報を評価し、自社製品との因果関係・重大性・頻度等を判断

- 既知の副作用と新たに検出された副作用の区別

3. 必要な措置の実施:

- 重大な副作用が疑われる場合の行政報告(PMDAへの報告)

- 添付文書の改訂(使用上の注意の更新)

- 医療機関等への緊急安全性情報(イエローレター)・安全性速報(ブルーレター)の発出

- 回収の判断・実施

4. 安全管理責任者の役割:

安全管理責任者は以上の業務を統括する責任者として機能します。品質保証責任者(GQP担当)と安全管理責任者(GVP担当)を独立して機能させることは、「品質問題(GQP)」と「安全性問題(GVP)」がそれぞれ適切に管理されることを確保するための制度趣旨です(両者を同一人が兼任することを一律に強制したり禁止したりする趣旨ではなく、本問のウは「兼任しなければならない」という点が誤り)。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): ウの誤りは「兼任強制」の記述であり、正答イは維持。兼任可否の細目は手引き範囲外のため断定表現を緩和 -->

GVPにおける副作用報告の流れ:

製造販売業者がGVPに基づき副作用情報を収集・評価した結果、重大な副作用が疑われる場合の報告は以下の流れで行われます:

1. 製造販売業者がPMDAに副作用情報を報告

2. PMDAが情報を評価・集積

3. 必要に応じてPMDAから厚生労働大臣への提言・厚生労働大臣による行政措置(添付文書改訂指示・承認取消し等)

報告期限(参考):

副作用報告の期限は副作用の重大性・既知/未知の別・外国情報か国内情報かによって異なります:

  • 国内で発生した死亡・重篤副作用で未知のもの:7日以内(緊急)〜15日以内
  • 既知の重篤副作用:30日以内

(詳細は手引き第5章・副作用報告制度の節を参照)

一般用医薬品へのGVP適用:

GVPは一般用医薬品の製造販売業者にも適用されます。一般用医薬品は消費者が自己判断で使用するセルフメディケーション製品であり、医療用医薬品と比較して管理が行き届きにくいという特性があります。そのため、市販後の副作用報告体制の整備は特に重要です。

消費者から直接副作用報告を受ける立場にある登録販売者は、GVP体制の「情報収集の末端」として機能します。購入者から副作用の報告を受けた場合は、製造販売業者・PMDAへの報告を適切に行えるよう、情報を正確に記録・伝達することが求められます。

GQP・GVP・GMP三者の連携:

三つの基準は相互補完的に機能します:

  • GMP:「製造工程での品質確保」→ 規格どおりの製品を作る
  • GQP:「出荷製品の品質確認」→ 規格を満たした製品のみ市場へ出す
  • GVP:「市販後の安全監視」→ 出荷後の問題を早期発見・対応する

これら三者が機能することで、医薬品の「製造→出荷→使用」全段階での安全・品質保証が実現されます。

【根拠】薬機法(製造販売後安全管理に関する規定)、医薬品等の製造販売後安全管理の基準に関する省令(GVP省令)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(GVP・安全管理) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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