登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問44:薬事関係法規・制度(薬局製剤)
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア薬局製造販売医薬品とは、薬局開設者が当該薬局における設備・器具を用いて製造し、その薬局において直接消費者に販売・授与する医薬品をいう。
- イ薬局製造販売医薬品を製造・販売するためには、薬局開設の許可だけでなく、別途「薬局製造販売医薬品の製造業」の許可が必要である。
- ウ薬局製造販売医薬品は、日本薬局方に収められているものその他厚生労働大臣の指定する医薬品に限られており、すべての医薬品を薬局で製造・販売できるわけではない。
- エ薬局製造販売医薬品は、当該薬局以外の店舗や自社の別の薬局に販売・授与することが認められている。正答
- オ薬局製造販売医薬品を製造した薬局の薬剤師は、その医薬品の品質・安全性に関する情報を把握し、購入者への適切な情報提供を行う義務を負う。
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正答はエ(誤っているもの)です。
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)は、製造した当該薬局においてのみ消費者に販売・授与することができます。他の店舗・他の薬局に販売・授与することは認められていません。これが薬局製剤の「当該薬局での完結」という重要な制約です。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。薬局製剤は薬局開設者が当該薬局内の設備で製造するものであり、日本薬局方収載品等に限られます。製造した薬剤師が情報提供義務を負うことも正しいです。イについては、薬局製剤を行うには薬局開設許可に加えて、薬局ごとに薬局製剤の製造販売業許可・製造業許可および製造販売承認(または届出)が必要であり、正しい記述です。
薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の特徴:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製造主体 | 薬局開設者(薬剤師の関与のもと) |
| 製造場所 | 当該薬局内の設備・器具を使用 |
| 販売可能場所 | 当該薬局のみ(他の薬局・店舗への販売不可) |
| 対象品目 | 日本薬局方収載品その他厚生労働大臣が指定する医薬品に限る |
| 規模 | 小規模製造・少量販売が前提 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 薬局製剤の定義として正しい記述です。薬局開設者が当該薬局の設備・器具で製造し、その薬局で直接消費者に販売します。
- イ(正): 薬局製剤を製造・販売するには、薬局開設許可に加えて、薬局ごとに「薬局製剤の製造販売業許可」「製造業許可」および「製造販売承認(承認不要品目は製造販売届出)」が必要です。これらの許可・承認はいずれも都道府県知事が薬局ごとに与えます。薬局開設許可だけでは薬局製剤を製造・販売できないため、本肢は正しい記述です。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 薬局製剤には薬局開設許可に加え、製造販売業許可・製造業許可・製造販売承認/届出が必要(いずれも都道府県知事が薬局ごとに付与)。厚労省通知(薬食審査発0325009号)・各県薬局製剤の手引きで突合 -->
- ウ(正): 薬局製剤の品目は日本薬局方収載品等、厚生労働大臣が指定する品目に限られます。薬局が任意の医薬品を製造できるわけではありません。
- エ(誤): 薬局製造販売医薬品は当該薬局でのみ販売・授与可能です。他の薬局や店舗への販売は認められていません。これが「薬局製剤」の最大の制約です。
- オ(正): 薬局製剤を製造した薬剤師(または薬局)は、その医薬品の品質・安全性に責任を持ち、購入者への情報提供義務を負います。製造者として情報提供の質が高いことが薬局製剤の強みでもあります。
【薬局製造販売医薬品(薬局製剤)制度の概要と歴史的背景】
薬局製剤(正式名称:薬局製造販売医薬品)は、薬機法が認める特別な医薬品の製造・販売形態です。日本では古くから「薬局が独自に調合した薬」という伝統があり、現代の法制度の中でも「薬局内製造・当該薬局での販売限定」という形で制度化されています。
薬局製剤が認められる趣旨:
1. 地域住民のニーズへの対応: 特定の患者・地域の需要に合わせた調合薬を提供する。大量製造された既製品では対応しきれない個別的ニーズに応える。
2. 伝統的な薬局調合の維持: 日本薬局方に収載された生薬製剤・漢方製剤等の伝統的な薬局調合を維持するための制度的枠組み。
3. 承認不要の小規模製造: 一定の品目・数量の範囲内で、大企業の承認取得プロセスを経ずに製造・販売できる仕組み。
品目の制限(日本薬局方収載品等):
薬局製剤として製造・販売できる医薬品は「日本薬局方に収められているもの、その他厚生労働大臣の指定する医薬品」に限られます。
日本薬局方(JP:Japanese Pharmacopoeia)は、医薬品の基準(規格・試験法等)を定めた公定書であり、主な収載品目には:
- 生薬(乾燥生薬・エキス等)
- 基本的な医薬品成分(局方品)
- 一部の漢方処方エキス製剤
等が含まれます。任意の化学合成医薬品を薬局が独自に製造することはできません。
「当該薬局限定」販売の法的意味:
薬局製剤が「製造した当該薬局でのみ販売できる」とされる理由は次のとおりです:
1. 品質管理の担保: 製造した薬剤師が直接品質を把握しており、他の場所に移動する間の品質変化リスクが生じない。
2. 情報提供の一体性: 製造した薬剤師が購入者に直接情報提供できる環境で販売することで、製品への深い理解に基づいた適切な説明が可能。
3. 製造販売業の規模制限: 薬局製剤は小規模な製造が前提であり、広域流通を認めると製造販売業(大手製薬メーカー)と競合する問題が生じる。
薬局製剤と処方せん調剤の違い:
混同しやすい概念として「薬局での調剤(処方せん調剤)」があります:
- 処方せん調剤: 医師の処方せんに基づいて患者のために薬を調合する。患者個人のためのもので「販売」ではなく「調剤」。
- 薬局製剤: あらかじめ製造しておき、薬局の店頭で消費者に販売する。「製造」かつ「販売」として規制。
製造許可要件の位置づけ:
薬局製剤を行う薬局は、薬局開設者としての許可に加えて、薬局ごとに薬局製剤の製造販売業許可・製造業許可・製造販売承認(または届出)を受け、製造に関する設備・衛生管理等の基準への適合を満たす必要があります。これらの許可・承認はいずれも都道府県知事が薬局ごとに付与します。一般的な薬局が当然に薬局製剤を行えるわけではなく、一定の許可・設備・体制を整えた薬局のみが対象となります。
今日における薬局製剤の実態:
現代において薬局製剤を行っている薬局は非常に少数です。ハーブ・生薬を用いた薬局製剤・漢方薬の煎じ薬の一部等が実例として挙げられますが、製造コスト・品質管理のコスト・許可要件等の観点から、既製品(製造販売業者が製造した医薬品)の取扱いが圧倒的多数を占めます。
試験対策としては、薬局製剤の「当該薬局限定」「日本薬局方収載品等に限定」という2つの制約を正確に覚えることが重要です。
【根拠】薬機法(薬局製造販売医薬品に関する規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(薬局製造販売医薬品) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。