問題
生物由来製品・特定生物由来製品に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(正しいもの)です。
生物由来製品とは、人その他の生物を原材料として製造される医薬品・医療機器等のうち、保健衛生上の特別な注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものです。ウイルス・細菌・真菌・動物細胞等を原材料とする製品が対象となりえます。
イは誤りで、特定生物由来製品はリスクが高いもの(人の血液成分を含む製品等)が指定されます。ウは誤りで、生物由来製品は医薬品に限らず医薬部外品・化粧品・医療機器も対象となるため「医療用医薬品のみに適用される概念」ではありません(なお、現在のところ生物由来製品に指定された一般用医薬品・要指導医薬品はありません)。エは誤りで、生物由来製品の容器・被包に記載すべき文字は「生物由来製品」ではなく「生物」です(白地に黒枠・黒字)。オは誤りで、製造販売業者にも報告義務があります。
生物由来製品と特定生物由来製品の比較:
| 区分 | 定義・対象 | 容器被包の表示 |
|---|---|---|
| 生物由来製品 | 生物(人・動物・細菌・ウイルス等)を原材料として製造する医薬品・医療機器等のうち、保健衛生上特別な注意が必要として厚労大臣が指定するもの | 「生物」の文字(白地に黒枠・黒字)の記載義務あり |
| 特定生物由来製品 | 生物由来製品のうち、その製品に由来する感染症を起こすリスクが高く、特別の管理が必要なもの(ヒト血液由来成分を含む製品等) | 「特生物」の文字(白地に黒枠・黒字)の記載義務あり |
各選択肢の解説:
- ア(正): 生物由来製品の定義として正しい記述です。人・動物・細菌・ウイルス等を原材料とする医薬品・医療機器等のうち、厚生労働大臣が指定するものです。
- イ(誤): 特定生物由来製品は「リスクが最も低いもの」ではなく、感染症リスクが高いもの(ヒト血液由来成分を含む血液製剤等)が対象です。
- ウ(誤): 生物由来製品・特定生物由来製品は医療用医薬品に限られず、製品によって指定されます。「一般用医薬品には一切ない(医療用のみ)」と言い切るウの記述は誤りです(生物由来製品の定義は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器を対象としています)。
- エ(誤): 生物由来製品の容器・被包に記載すべき文字は「生物」です(白地に黒枠・黒字)。特定生物由来製品の場合は「特生物」と記載します。エの「『生物由来製品』という文字」は不正確であり、誤りです。
- オ(誤): 製造販売業者にも生物由来製品に係る感染症定期報告・感染症健康被害報告等の義務があります。医療機関のみに報告義務があるわけではありません。
【生物由来製品制度の目的と歴史的背景】
生物由来製品・特定生物由来製品の概念は、2002年(平成14年)の薬事法改正で創設されました。この制度創設の直接的な背景は、薬害エイズ問題・CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)汚染血液製剤問題等、生物由来原材料を使用した医薬品が引き起こした重大な健康被害事件にあります。
主な薬害事件との関係:
- 薬害エイズ: HIVに汚染された非加熱血液凝固因子製剤が投与され、血友病患者等が感染した事件(1980年代〜1990年代)
- CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病): ヒト乾燥硬膜(ライオデュラ)移植によるCJD感染事件
これらの教訓から、「生物由来」の製品については特別な管理・トレーサビリティ・報告体制が必要という認識が生まれ、生物由来製品制度として制度化されました。
生物由来製品の「感染症の伝播リスク」という核心:
生物由来製品が特別な規制を受ける根本的な理由は、生物を原材料とすることで「感染性物質(ウイルス・細菌・プリオン等)が製品中に残留・混入するリスク」が化学合成品より高いという点にあります。
製造工程での不活化・除去処理によってリスクを最小化していますが、完全に「ゼロリスク」とはいえないため、以下の特別措置が課されています:
1. 製造管理の強化: 原材料(採血・採取)から製品出荷まで厳格な品質管理
2. トレーサビリティの確保: 製品番号等を用いた製造・使用の記録保存(誰にいつ使用されたかを追跡できるようにする)
3. 感染症定期報告: 製造販売業者がPMDAに定期的に感染症に関する情報を報告
4. 特定の表示義務: 生物由来製品には「生物」、特定生物由来製品には「特生物」の文字(いずれも白地に黒枠・黒字)を容器・被包に記載
特定生物由来製品の具体例:
特定生物由来製品として指定されているのは主に以下のカテゴリです:
- ヒト血液由来の血液製剤(アルブミン・血液凝固因子製剤・免疫グロブリン等)
- ヒト組織由来の製品
これらは「感染症の伝播リスクが高く、特別な管理が必要」として特定生物由来製品に指定されています。
生物由来製品と一般用医薬品の関係:
生物由来製品の制度は医療用医薬品に限られず、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器を対象として、厚生労働大臣が品目を指定します。したがって「生物由来製品は医療用医薬品のみに適用される概念」と言い切ることはできません(ウが誤りとなる理由)。なお、現在のところ、生物由来製品として指定された一般用医薬品又は要指導医薬品はありません。
登録販売者の業務との直接的な関連は少ないですが、生物由来製品の概念・制度的位置づけを理解しておくことで、ch5の「生物由来製品感染等被害救済制度」(PMDA救済制度の一部)への接続も深まります。
生物由来製品感染等被害救済制度との接続:
生物由来製品の使用によって感染症を発症した場合の救済制度として「生物由来製品感染等被害救済制度」があります(PMDA)。この救済制度は、通常の医薬品副作用被害救済制度(ch5参照)とは別に設けられており、生物由来製品の感染リスクという特殊性を考慮した制度設計です。
製造販売業者は、当該感染症健康被害が発生した場合には行政(PMDA・厚生労働大臣)への報告義務を負います。これは一般の副作用報告(GVP)と並行して機能するものです。
【根拠】薬機法第2条第10項・第11項、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章Ⅱ-1)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章Ⅱ-1)「医薬品の定義と範囲」【生物由来製品】(PDF p222) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

