登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問48:薬事関係法規・制度(リスク区分変更・告示制度)
一般用医薬品のリスク区分の変更に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア一般用医薬品のリスク区分(第1類・第2類・指定第2類・第3類)は、厚生労働大臣が告示により定めるものであり、製造販売業者が独自に決定するものではない。
- イ既存の第2類医薬品の成分が指定第2類医薬品に変更された場合、変更の告示から一定の経過措置期間が設けられ、その間は旧表示の製品を販売し続けることができる。
- ウ区分変更の告示が行われた後は、即日その日から新たな区分に基づく陳列・情報提供の義務が発生するため、経過措置は一切設けられない。正答
- エ第1類医薬品の成分について、市販後の安全性評価の結果、安全性の懸念が低下したと判断された場合には、第2類医薬品または第3類医薬品へのリスク区分の格下げが行われることがある。
- オ新たに第1類医薬品となった成分については、登録販売者はその医薬品を単独で販売する権限を有しない。
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正答はウ(誤っているもの)です。
リスク区分の変更告示が行われる際には、通常、既存の在庫製品を販売し続けることができるよう経過措置期間が設けられます。「即日・経過措置なし」とするウは誤りです。
アは正しく、リスク区分は国(厚生労働大臣)が告示で定めます。イは正しく、経過措置期間中は旧区分の表示の製品を販売継続できます。エは正しく、市販後データで安全性が確認されれば格下げがあります。オは正しく、第1類医薬品は薬剤師のみが販売できます(登録販売者は販売不可)。
リスク区分変更の流れと経過措置:
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. データ収集 | 製造販売業者がGVPに基づき副作用・安全性データを収集・報告 |
| 2. 審議会評価 | 薬事・食品衛生審議会が評価・答申 |
| 3. 告示改正 | 厚生労働大臣が告示(施行規則別表改正)を公布 |
| 4. 経過措置 | 既存在庫の販売・表示変更対応のための猶予期間 |
| 5. 完全施行 | 経過措置期間終了後、新区分に基づく販売・陳列義務が完全適用 |
各選択肢の解説:
- ア(正): リスク区分は厚生労働大臣が告示で定め、製造販売業者が独自に変更できるものではありません。これは薬機法の規制の根幹です。
- イ(正): 告示改正の際は実務上、既存製品への対応猶予として経過措置期間が設けられます。事業者が製品の包装変更・陳列見直しを行うための合理的な期間です。
- ウ(誤): 区分変更告示後に経過措置が一切設けられない、という記述は誤りです。即日完全施行では製造販売業者・薬局・店舗が対応できないため、通常は経過措置期間が設定されます。
- エ(正): 市販後安全性評価の結果、安全性懸念が低下したと判断されれば、第1類→第2類・第3類への格下げが行われることがあります。スイッチOTCの成分で実際に起きた事例があります。
- オ(正): 第1類医薬品の販売は薬剤師のみが行えます。登録販売者は第2類・第3類(指定第2類を含む)を販売できますが、第1類は販売できません。薬剤師不在時間中は第1類の販売自体が禁止されます。
【リスク区分変更制度の詳細と指定第2類への移行の意義】
指定第2類医薬品の位置づけ:
指定第2類医薬品は、第2類医薬品のうち「特別の注意を要するもの」として厚生労働大臣が指定した品目です。第2類の中でもリスクが比較的高いと評価されており、次の特別な販売・陳列規制が適用されます:
1. 情報提供の努力義務の強化: 第2類全般で「努力義務」とされる情報提供が、指定第2類では「購入者への積極的な声かけ・注意事項の説明」の実施が一層求められます(ただし義務の法的強度は第2類と同様)。
2. 陳列の特別規制: 指定第2類医薬品は、情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列しなければなりません。ただし、かぎをかけた陳列設備に陳列する場合、又は指定第2類医薬品を陳列する陳列設備から1.2メートルの範囲に購入者等が進入することができないよう必要な措置が採られている場合は、この限りではありません。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 「情報提供設備から7メートル以内」は薬局等構造設備規則で確認。例外(施錠/1.2メートル進入防止措置)を追記。根拠: 薬局等構造設備規則・薬機法施行規則 -->
3. 外箱の枠囲み表示: 指定第2類医薬品の外箱には「2」の文字を枠で囲んだ形の表示(リスク区分記号)が必要です。
第2類から指定第2類への移行が起きる理由:
区分変更の告示が行われる主な契機は次のとおりです:
- 新たな副作用症例の報告: 第2類として市販後に重篤ではないが特別の注意を要する副作用症例が集積された場合
- 使用実態調査の結果: 高齢者・特定疾患患者等でのリスク再評価
- 海外規制動向: 諸外国でリスク評価が強化された場合の国内追随
経過措置の法的根拠と実務上の重要性:
区分変更告示の際に設けられる経過措置期間は、薬機法・施行規則上の手当として、通常は告示公布から施行日までの間(数か月程度の猶予が多い)に設定されます。この期間中は旧区分表示の製品を引き続き販売することが認められますが、施行日以降は新区分に基づく陳列・情報提供の完全遵守が求められます。登録販売者実務では、告示改正の情報を定期的に確認し(厚生労働省ウェブサイト・業界団体情報)、自店舗の在庫品が経過措置対象かどうかを把握する体制が必要です。
格上げと格下げの非対称性:
リスク区分変更には格上げ(リスク増加側)と格下げ(リスク低下側)の両方向があります。格上げ(例:第2類→指定第2類、第2類→第1類)は消費者保護の観点から迅速に対応が求められますが、格下げ(例:第1類→第2類)はセルフメディケーション推進の観点から積極的に検討されるものの、より慎重な安全性評価を経て行われます。スイッチOTCの第1類成分が一定期間後に第2類に移行した場合、初めて登録販売者が販売主体となれるため、店舗経営にも直接影響します。
登録販売者として区分変更情報を把握すべき理由:
- 第1類から第2類に格下げされた成分:登録販売者が新たに販売可能になる→知識の更新が必要
- 第2類から指定第2類に格上げされた成分:陳列場所・情報提供対応の変更が必要
- 在庫管理との連動:経過措置期間内の旧表示品を施行後も誤って第2類として販売した場合の法的リスク
上記のように、リスク区分変更の仕組みを正確に理解することは、法令遵守の実務に直結する登録販売者の必須知識です。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法施行規則(リスク区分告示・経過措置関連規定)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(リスク区分の変更・経過措置) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。