第4章 薬事関係法規・制度55薬事関係法規・制度(薬事監視・名義貸し罰則)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問55:薬事関係法規・制度(薬事監視・名義貸し罰則)

薬事監視員の職務および登録販売者の名義貸し禁止・罰則に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 薬事監視員は厚生労働大臣が任命するものであり、都道府県知事には薬事監視員を任命する権限はない。
  • 薬事監視員は、自らの判断で薬局・店舗に対する業務停止命令や医薬品の廃棄・回収命令を直接発令する権限を有している。
  • 登録販売者は、自らが直接販売に従事しない形で、他者にその名義(登録販売者としての資格)を使用させることは禁止されており、この行為(名義貸し)は行政処分の対象となる場合がある。正答
  • 名義貸しを行った登録販売者の販売従事登録は、都道府県知事が直ちに取り消さなければならず、取消し以外の処分は認められない。
  • 薬事監視員は、警察官と同様の逮捕権・強制捜査権を有しており、違反が疑われる業者に対して直ちに身柄を拘束できる。
正答:登録販売者は、自らが直接販売に従事しない形で、他者にその名義(登録販売者としての資格)を使用させることは禁止されており、この行為(名義貸し)は行政処分の対象となる場合がある。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

正答はウ(正しいもの)です。

登録販売者が自分の名義(資格)を他者に使わせる「名義貸し」は禁止されており、行政処分の対象となります。資格は個人に付与されるものであり、他者が使用することは資格制度の根幹を損なう行為です。

アは誤り。薬事監視員は厚生労働大臣だけでなく都道府県知事も任命できます。イは誤り。薬事監視員の権限は立入検査・質問・収去であり、業務停止・廃棄・回収を直接命じるのは厚生労働大臣・都道府県知事です。エは誤り。処分は取消し以外(業務停止等)も認められます。オは誤り。薬事監視員は行政上の調査・検査権限を持ちますが、警察官のような逮捕権・強制捜査権は持ちません。

標準試験対策の基準レベル

薬事監視員の権限と名義貸し禁止の比較整理:

| 事項 | 内容 |

|---|---|

| 薬事監視員の任命権者 | 厚生労働大臣・都道府県知事(両者が任命可) |

| 薬事監視員の権限 | 立入検査・質問・医薬品の収去(サンプル採取)。命令の発令権はなく、行政庁への報告を通じて命令につなげる |

| 業務停止・廃棄・回収命令の主体 | 厚生労働大臣・都道府県知事(薬事監視員ではない) |

| 名義貸しの禁止 | 登録販売者が他者に名義・資格を使用させることの禁止 |

| 名義貸しに対する処分 | 販売従事登録の取消し・業務停止等の行政処分、または刑事罰の対象 |

| 薬事監視員と警察 | 薬事監視員は行政調査権(立入・質問・収去)のみ。逮捕権・強制捜査権は警察のみ |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 薬事監視員は厚生労働大臣だけでなく、都道府県知事も任命できます。実際に都道府県単位での薬事監視業務が行われており、都道府県の薬事監視員が日常的な立入検査を担います。
  • イ(誤): 薬事監視員の権限は立入検査・質問・収去(医薬品サンプルの持ち帰り)といった調査・監視権限にとどまります。業務停止命令・廃棄・回収命令といった行政処分を「発令」する権限を持つのは厚生労働大臣・都道府県知事等の行政庁であり、薬事監視員が自らの判断で直接これらの命令を発することはできません。薬事監視員は調査結果を行政庁に報告し、行政庁が命令の要否を判断します。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 薬事監視員=立入検査・質問・収去(調査権限)。業務停止・廃棄・回収等の「命令」は厚労大臣・都道府県知事の権限で、監視員は発令できない。二重正答を避けるため選択肢イを「監視員が直接命令を発令できる」(明白な誤り)に修正。根拠: 薬機法第69条・第70条(命令の主体は厚労大臣・知事)、第76条の3(薬事監視員の職権=立入・質問・収去) -->
  • ウ(正): 登録販売者の名義貸し(他者に登録販売者の資格・名義を使用させること)は禁止されており、発覚した場合は行政処分(登録取消し・業務停止等)の対象となります。資格は個人に付与されるものであり、他者への転貸は資格制度の根幹を損ないます。
  • エ(誤): 名義貸しに対する処分は「直ちに取消し一択」ではなく、業務停止(一定期間の販売業務禁止)などの処分も含まれます。行政処分の種類には段階があり、違反の状況・悪質性等を考慮した上で処分が決定されます。
  • オ(誤): 薬事監視員は行政官であり、立入検査・質問・収去等の行政調査権を持ちます。しかし警察官のような逮捕権や強制捜査権は持ちません。刑事捜査・逮捕が必要な場合は警察への告発という手続きを経ます。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【薬事監視制度の全体像と名義貸し禁止の制度的背景】

薬事監視員制度の概要:

薬事監視員は、薬機法に基づいて医薬品・医療機器等の製造・販売・流通を監視する行政官です。主に以下の職務を担います:

1. 立入検査(臨検): 許可を受けた薬局・店舗・製造施設等に立ち入り、施設設備・帳簿・在庫品・陳列状況等を検査する

2. 質問: 薬局・店舗の開設者・管理者・従業員に対して業務に関する質問を行う

3. 収去(サンプル採取): 販売中の医薬品・原材料等のサンプルを持ち帰り、品質試験・分析を行う

4. 不正品の対応: 規格不適合・無承認無許可医薬品等が発見された場合、廃棄・回収等の行政的措置への連動

薬事監視員は都道府県知事のほか厚生労働大臣も任命でき、国レベル(主に製造施設・輸入品)と都道府県レベル(主に販売店舗・薬局)の二層体制で監視が行われています。

名義貸し禁止の規制の背景と目的:

登録販売者制度が設けられた趣旨は、一般用医薬品(第2類・第3類)の販売において専門的知識を持つ者が適切な情報提供・相談対応を行うことで消費者の安全を確保することです。名義貸し(他者にその登録販売者資格・名義を使用させること)は、この趣旨を根底から覆す行為です:

1. 無資格者が登録販売者として販売業務を行うことを可能にする

2. 消費者が専門家と信じて相談したが、実は無資格者だったというリスクが生じる

3. 資格制度の信頼性・有効性を損なう

名義貸しの具体的な例:

  • 登録販売者A(名義人)が実際には別の店舗・業者で働いているのに、店舗Bの「管理者」として登録されている
  • 登録販売者Cが、資格のないDのために試験を代わりに受験する(資格詐取の一形態)
  • 登録販売者Eが名義料を受け取り、実際には勤務していない店舗の在籍者として登録される

行政処分の種類と段階:

名義貸しその他の違反行為に対する行政処分は、行政庁(都道府県知事等)が違反の態様・悪質性・消費者への影響等を考慮した上で以下の中から選択されます:

  • 業務停止命令: 一定期間、販売業務を行うことを禁止する
  • 販売従事登録の取消し: 登録販売者としての登録そのものを取り消す(再登録には一定期間の欠格期間が設けられる場合がある)
  • 改善命令: 違反状態の是正を命じる

これらの処分は「一律に取消し」ではなく、違反の程度・経緯・再発防止策等を踏まえた行政裁量による判断が行われます。また、悪質な違反は刑事告発によって刑事訴追(懲役・罰金)の対象ともなります。

登録販売者として名義貸し問題を理解する意義:

登録販売者は自らの資格・名義について個人的な責任を持ちます。名義貸しは違法であることを明確に認識し、「ちょっとだけ名義を貸す」「名目上だけ登録する」等の誘いに応じることなく、自らが実際に業務を行う場合にのみ登録者として名義を使用することが求められます。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法(薬事監視員の権限・登録販売者の名義貸し禁止・行政処分規定)

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(薬事監視員の権限・登録販売者の禁止行為と処分) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

薬事監視員・名義貸しの禁止と罰則・行政処分頻出度B

第4章 薬事関係法規・制度の他の問題

1
薬事関係法規・制度
2
薬事関係法規・制度
3
薬事関係法規・制度
4
薬事関係法規・制度
5
薬事関係法規・制度
6
薬事関係法規・制度

章別に解いて、登録販売者に合格

全5章のオリジナル問題。各問に出典(厚労省手引き)とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。