問題
一般用医薬品の添付文書における「相談すること」の記載のうち、てんかん・腎臓病・肝臓病・甲状腺機能障害に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っている選択肢)はエです。
アルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬は、腎臓病の診断を受けた人では、過剰のアルミニウムイオンが体内に貯留し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれがあるため「相談すること」の対象です。エの「体内蓄積は生じず、該当しない」は誤りです(透析療法を受けている人は「してはいけないこと」の対象)。
ア(てんかん×ジプロフィリン)・イ(肝臓病×アセトアミノフェン)・ウ(甲状腺機能障害×アドレナリン作動成分・マオウ)・オ(マオウ×甲状腺機能障害・高血圧・心臓病・糖尿病)はいずれも別表5-2のとおりです。
「相談すること」別表:てんかん・腎臓病・肝臓病・甲状腺×成分の対応表:
| 基礎疾患 | 該当成分の例 | 注意が必要な理由 |
|---|---|---|
| てんかん | ジプロフィリン | 中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれ |
| 腎臓病 | アルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬・胃腸鎮痛鎮痙薬 | 過剰のアルミニウムイオンが体内に貯留し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれ |
| 腎臓病 | アスピリン、エテンザミド、イブプロフェン、アセトアミノフェン等 | むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、腎臓病を悪化させるおそれ |
| 肝臓病 | アスピリン、エテンザミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン等 | 肝機能障害を悪化させるおそれ |
| 甲状腺機能障害 | メチルエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩水和物、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分、マオウ | 甲状腺機能亢進症の主症状は交感神経系の緊張等によってもたらされており、交感神経系を興奮させる成分は症状を悪化させるおそれ |
各選択肢の解説:
- ア(正): 別表5-2の「てんかん」に挙げられている成分はジプロフィリンで、理由は「中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれがあるため」です。
- イ(正): 別表5-2の「肝臓病」には、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェンが「肝機能障害を悪化させるおそれがあるため」として挙げられています。
- ウ(正): 別表5-2の「甲状腺機能障害」には、メチルエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分とマオウが挙げられ、理由は記述のとおりです。なお、プソイドエフェドリン塩酸塩は甲状腺機能障害の診断を受けた人では使用を避ける成分(「してはいけないこと」の対象)です。
- エ(誤): 別表5-2の「腎臓病」では、アルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬・胃腸鎮痛鎮痙薬について、過剰のアルミニウムイオンが体内に貯留し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれがあるとされ、使用する場合には医療機関で定期的に血中アルミニウム等の測定を行う必要があるとされています。
- オ(正): マオウは、別表5-2で「甲状腺機能障害」「高血圧」「心臓病」「糖尿病」の各欄に挙げられています。
【別表5-2「次の診断を受けた人」を疾患ごとに整理する】
「相談すること」の別表5-2は、疾患ごとに「主な成分・薬効群等」と「理由」が対応しています。成分名と疾患の組み合わせを、理由とセットで押さえるのが確実です。
1. てんかん
別表5-2の「てんかん」に挙げられている成分はジプロフィリンだけです。理由は「中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれがあるため」です。ジプロフィリンは「甲状腺機能障害」(中枢神経系の興奮作用により、症状の悪化を招くおそれ)や「心臓病」の欄にも挙げられています。
2. 肝臓病
| 主な成分 | 理由 |
|---|---|
| 小柴胡湯 | 間質性肺炎の副作用が現れやすいため |
| アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン | 肝機能障害を悪化させるおそれがあるため |
| サントニン、ピペラジンリン酸塩等のピペラジンを含む成分 | 肝臓における代謝が円滑に行われず、体内への蓄積によって副作用が現れやすくなるため |
| ガジュツ末・真昆布末を含む製剤 | 肝機能障害を起こすことがあるため |
3. 甲状腺機能障害
| 主な成分 | 理由 |
|---|---|
| アドレナリン作用成分が配合された鼻炎用点鼻薬、メチルエフェドリン塩酸塩・トリメトキノール塩酸塩水和物・フェニレフリン塩酸塩・メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分、マオウ | 甲状腺機能亢進症の主症状は、交感神経系の緊張等によってもたらされており、交感神経系を興奮させる成分は、症状を悪化させるおそれがあるため |
| ジプロフィリン | 中枢神経系の興奮作用により、症状の悪化を招くおそれがあるため |
| 水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、沈降炭酸カルシウム等 | 甲状腺ホルモンの吸収を阻害するおそれがあるため |
なお、別表5-2には「甲状腺疾患」の欄もあり、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された口腔咽喉薬・含嗽薬が「ヨウ素の体内摂取が増える可能性があり、甲状腺疾患の治療に影響を及ぼすおそれがあるため」として挙げられています。
4. マオウとプソイドエフェドリン塩酸塩の違い
マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分です。別表5-2では「甲状腺機能障害」「高血圧」「心臓病」「糖尿病」の各欄に挙げられており、「腎臓病」の欄には挙げられていません。
一方、プソイドエフェドリン塩酸塩は、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では使用を避ける必要がある成分で、心臓病・高血圧等は「してはいけないこと」(別表5-1)の対象です。「相談すること」では「腎臓病」の欄に、ピペラジンを含む成分とともに「腎臓における排泄が円滑に行われず、副作用が現れやすくなるため」として挙げられています。
5. 腎臓病
| 主な成分 | 理由 |
|---|---|
| アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、イブプロフェン、アセトアミノフェン | むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、腎臓病を悪化させるおそれがあるため |
| スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、アルジオキサ等のアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬・胃腸鎮痛鎮痙薬 | 過剰のアルミニウムイオンが体内に貯留し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれがあるため。使用する場合には、医療機関において定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行う必要があるため |
| 制酸成分を主体とする胃腸薬 | ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の無機塩類の排泄が遅れたり、体内貯留が現れやすいため |
アルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬は、「透析療法を受けている人」では「してはいけないこと」(別表5-1)の対象になります(長期間服用した場合に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告があるため)。
6. 「相談すること」の位置づけ
「相談すること」は、その医薬品を使用する前に、その適否について専門家に相談した上で適切な判断がなされるべきである場合の記載です。基礎疾患のある購入者には、診断を受けている疾患を確認し、該当する成分が含まれていないかを説明することが重要です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅰ-1)「添付文書の読み方」・別表5-2(使用上の注意「相談すること」別表関連) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

