問題
一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項に記載される「高齢者」と、その対象となる成分及び注意理由に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答(誤っているもの)はアです。
使用上の注意の「高齢者」は、およその目安として65歳以上を指します。しかし、65歳以上の年齢であっても、どの程度リスクが増大しているかを年齢のみから一概に判断することは難しいとされています。専門家に相談しながら、個々の状態に応じて使用の適否を慎重に判断する必要があります。
別表5-2の「高齢者」の欄には、解熱鎮痛薬・鼻炎用内服薬、グリセリンが配合された浣腸薬、アドレナリン作動成分又はマオウ、グリチルリチン酸を含む成分(一定量以上)、抗コリン成分又はロートエキスが挙げられています。ウ・イ・エ・オは正しい記述です。
別表5-2「相談すること」の「高齢者」の欄:
| 主な成分・薬効群等 | 理由 |
|---|---|
| 解熱鎮痛薬、鼻炎用内服薬 | 効き目が強すぎたり、副作用が現れやすいため |
| グリセリンが配合された浣腸薬 | (第3章)排便時に血圧低下を生じて立ちくらみの症状が現れるとの報告があり、体力の衰えている高齢者等で特に現れやすいため |
| メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩水和物等のアドレナリン作動成分又はマオウが配合された内服薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏) | 心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため |
| グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸又はカンゾウが配合された内服薬等(1日用量がグリチルリチン酸として40mg以上、又はカンゾウとして1g以上) | 偽アルドステロン症を生じやすいため |
| スコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物、イソプロパミドヨウ化物等の抗コリン成分又はロートエキスが配合された内服薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏) | 緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため |
各選択肢の解説:
- ウ(正): 別表5-2の高齢者の欄の記載どおりです。
- イ(正): 第1章の高齢者への配慮の記載どおりです。
- ア(誤): 65歳以上という目安はおよそのものであり、年齢のみからリスクの程度を一概に判断することは難しいとされています。「年齢のみから一律に判断できる」は誤りです。
- エ(正): 別表5-2の高齢者の欄の記載どおりです。
- オ(正): 積極的な情報提供のポイントは、その医薬品を実際に使用する人(購入者本人とは限らない)に当てはまる事項です。代理人が来局したときも、使用する人の状況を確認します。
【「高齢者」の注意を、年齢の目安と別表の成分の両面から押さえる】
1. 「65歳以上」はおよその目安
第5章では、使用上の注意の記載における「高齢者」とは、およその目安として65歳以上を指すとされています。一般に高齢者では、加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあり、また、何らかの持病(基礎疾患)を抱えていること等も多いとされます。そのうえで、65歳以上の年齢であっても、どの程度リスクが増大しているかを年齢のみから一概に判断することは難しく、専門家に相談しながら個々の状態に応じて使用の適否について慎重な判断がなされるべきであり、使用する場合には副作用等に留意しながら使用される必要がある、とされています。選択肢アはこの「一概に判断することは難しい」を逆にした誤りです。
2. 第1章が挙げる高齢者のリスク
- 生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる
- 喉の筋肉が衰えて飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を喉に詰まらせやすい。医薬品の副作用で口渇を生じると、誤嚥を誘発しやすくなる
- 持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。複数の医薬品が長期間にわたって使用される場合には、副作用を生じるリスクも高い
- 医薬品の説明を理解するのに時間がかかる場合や、細かい文字が見えづらく添付文書等の記載を読み取るのが難しい場合がある
口渇を起こす成分(抗コリン成分など)が誤嚥のきっかけになり得る点は、別表5-2の抗コリン成分の理由(口渇)とつながります。
3. 別表5-2の成分と第3章の記載のつながり
- アドレナリン作動成分・マオウ:第3章では、高齢者は心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要とされています。
- グリセリンが配合された浣腸薬:排便時に血圧低下を生じて立ちくらみの症状が現れるとの報告があり、体力の衰えている高齢者や心臓に基礎疾患がある人で現れやすいとされています。
- グリチルリチン酸:1日用量がグリチルリチン酸として40mg以上、又はカンゾウとして1g以上を含有する場合に、偽アルドステロン症を生じやすいとして記載されます。
4. 実務での確認
高齢者本人が来局しない場合も、積極的な情報提供のポイントは「その医薬品を実際に使用する人(購入者本人とは限らない)」に当てはまる事項です。使用する人の年齢だけで判断せず、持病、服用中の薬、飲み込みやすさ、説明の理解のしやすさなどを確かめ、必要に応じて医師又は薬剤師への相談を勧めます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅰ-1)「添付文書の読み方」・別表5-2(高齢者)、第1章Ⅱ-4)「小児、高齢者等への配慮」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

