問題
妊婦又は授乳中の人に対する一般用医薬品の添付文書の使用上の注意の記載に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウです。
コデインリン酸塩水和物が入ったかぜ薬や咳止めは、成分の一部が胎盤を通って胎児に移ることが知られているため、妊婦は「相談すること」とされています。
アとイは誤りで、イブプロフェンは授乳中の人、アセトアミノフェン配合のかぜ薬・解熱鎮痛薬は妊婦の「相談すること」の対象です。エとオも誤りで、コデインリン酸塩水和物とジフェンヒドラミンを含む内服薬は、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」という「してはいけないこと」の対象です。
妊婦・授乳中の人への主な注意(手引き 第5章 別表):
| 成分・薬効群 | 区分 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|---|
| コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩が配合されたかぜ薬、鎮咳去痰薬 | 相談すること | 妊婦又は妊娠していると思われる人 | 吸収された成分の一部が胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られているため |
| アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン等が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬 | 相談すること | 妊婦又は妊娠していると思われる人 | 妊娠末期のラットの実験で胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため |
| イブプロフェン(かぜ薬、解熱鎮痛薬等) | 相談すること | 授乳中の人 | 乳汁中への移行が考えられる成分として掲載 |
| コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩 | してはいけないこと | 授乳中の人 | 母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告があるため |
| ジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬、点鼻薬、坐薬、注入軟膏 | してはいけないこと | 授乳中の人 | 乳児に昏睡を起こすおそれがあるため |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 別表5-2「授乳中の人」の欄に、乳汁中への移行が考えられる成分としてイブプロフェンが挙げられています。
- イ(誤): 別表5-2「妊婦又は妊娠していると思われる人」で、アセトアミノフェンが配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬が挙げられています。
- ウ(正): 別表5-2 の記載どおりです。
- エ(誤): コデインリン酸塩水和物は別表5-1の「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」の対象です。
- オ(誤): ジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬も、エと同じ「してはいけないこと」の対象で、理由は乳児に昏睡を起こすおそれがあるためです。
【妊婦・授乳中の人の注意は「してはいけないこと」と「相談すること」を分けて覚える】
1. なぜ妊婦は「相談すること」が多いのか
手引き(第1章Ⅱ-4))は、胎盤には胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)があるが、医薬品の成分の胎児への移行がどの程度防御されるかは未解明のことも多く、妊婦が使用した場合の安全性の評価が困難なため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い、と説明しています(p20)。
2. 妊婦:「してはいけないこと」(別表5-1, p411)
| 対象 | 主な成分・薬効群 | 理由 |
|---|---|---|
| 妊婦又は妊娠していると思われる人 | ヒマシ油類 | 腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれ |
| 同上 | ジフェンヒドラミン塩酸塩を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬) | 妊娠に伴う不眠は、睡眠改善薬の適用症状でないため |
| 同上 | エチニルエストラジオール、エストラジオール | 胎児の先天性異常の発生が報告されているため |
| 出産予定日12週以内の妊婦 | アスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェン | 妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれ |
3. 妊婦:「相談すること」(別表5-2, p415)
- アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン等が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬(妊娠末期のラットの実験で胎児に弱い動脈管の収縮)
- ブロモバレリル尿素が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬、乗物酔い防止薬(胎児障害の可能性)
- コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩が配合されたかぜ薬、鎮咳去痰薬(胎盤関門を通過して胎児へ移行。コデインリン酸塩水和物は動物実験で催奇形性の報告)
- 瀉下薬(カルボキシメチルセルロースカルシウム等のみからなる場合を除く)、浣腸薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏)(腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれ)
4. 授乳中の人:「してはいけないこと」(別表5-1, p411)
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」の対象と理由は次のとおりです。
- ジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬、点鼻薬、坐薬、注入軟膏 → 乳児に昏睡を起こすおそれ
- アミノフィリン水和物、テオフィリンが配合された鎮咳去痰薬、鎮暈薬 → 乳児に神経過敏
- ロートエキスが配合された内服薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏)→ 乳児に頻脈
- センノシド、センナ、ダイオウ又はカサントラノールが配合された内服薬、ヒマシ油類 → 乳児に下痢
- コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩 → 母乳への移行により乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告
5. 授乳中の人:「相談すること」(別表5-2, p415)
乳汁中への移行が考えられる主な成分として、メチルエフェドリン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、プソイドエフェドリン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、アスピリン、イブプロフェン、カフェイン(1回分量100mg以上)、ロペラミド塩酸塩、エチニルエストラジオール等が挙げられています。
6. コデインの注意のまとめ(第3章 p93・別表5-1)
コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩は、妊娠中に摂取されると成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られ、分娩時服用により新生児に呼吸抑制が現れたとの報告があります。授乳中は「してはいけないこと」、妊婦は「相談すること」、12歳未満の小児は「してはいけないこと」(重篤な呼吸抑制)と、対象ごとに区分が異なります。
【試験での位置づけ】
同じ成分でも、妊婦と授乳中の人で区分が違うものがあります(コデイン:妊婦は相談すること/授乳中はしてはいけないこと)。ジフェンヒドラミンは、授乳中は成分として「してはいけないこと」、妊婦は「主薬とする睡眠改善薬」に限って「してはいけないこと」です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1「主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等」してはいけないこと・妊婦、授乳婦等(手引き R8 PDF p411)、別表5-2 同 相談すること・妊婦又は妊娠していると思われる人/授乳中の人(手引き R8 PDF p415)、第3章 Ⅱ-1-2)「代表的な配合成分等、主な副作用」(手引き R8 PDF p93) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

