問題
一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」に記載される連用に関する注意について、次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答(誤っているもの)はオです。
別表5-1では、短期間の服用に限られる漢方生薬製剤のうち、1日用量がグリチルリチン酸として40mg以上、又はカンゾウとして1g以上を含有するものに、偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」と記載されます。「食事からカリウムを摂取していれば連用してよい」という例外は定められていません。
ア(副腎皮質の機能低下)、イ(ほかに原因がある可能性)、ウ(適切な睡眠を摂る必要)、エ(精神神経症状の報告)は、いずれも別表5-1の理由どおりで正しい記述です。
別表5-1「連用に関する注意」の主な記載と理由:
| 薬効群・成分 | 記載 | 理由 |
|---|---|---|
| かぜ薬、解熱鎮痛薬、抗菌性点眼薬、鼻炎用内服薬、鎮静薬、アレルギー用薬(成分によらず) | 長期連用しないこと | 一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため |
| 鼻炎用点鼻薬(成分によらず) | 長期連用しないこと | 二次充血、鼻づまり等を生じるおそれ |
| カフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬 | 短期間の服用にとどめ、連用しないこと | 連用によって睡眠が不要になるものではなく、適切な睡眠を摂る必要があるため |
| グリチルリチン酸を含む成分(1日用量がグリチルリチン酸40mg以上又はカンゾウ1g以上)を含む、短期間の服用に限られる漢方生薬製剤 | 短期間の服用にとどめ、連用しないこと | 偽アルドステロン症を生じるおそれ |
| アルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬 | 長期連用しないこと | アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を生じるおそれ |
| ステロイド性抗炎症成分(一定含量以上)が配合された外用痔疾用薬等 | 長期連用しないこと | 副腎皮質の機能低下を生じるおそれ |
| ビスマスを含む成分(止瀉薬) | 1週間以上継続して服用しないこと | 海外で長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告 |
| 芍薬甘草湯 | 症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと | うっ血性心不全、心室頻拍の副作用が現れることがある |
各選択肢の解説:
- ア(正): 別表5-1のとおり、理由は副腎皮質の機能低下です。
- イ(正): 成分によらず当該薬効群のすべてに記載され、理由は「ほかに原因がある可能性」です。
- ウ(正): 別表5-1の理由のとおりです。第3章では、カフェインには作用は弱いながら反復摂取により依存を形成する性質があるため、この注意喚起がなされているとも説明されています。
- エ(正): 別表5-1のとおりです。
- オ(誤): 別表に「食事からカリウムを摂取していれば連用してよい」という例外はなく、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」とされています。
【「連用しないこと」の言い回しと理由を正確に区別する】
別表5-1の連用に関する注意は、薬効群ごとに言い回しが少しずつ違います。試験では、言い回しと理由の組合せを入れ替えた選択肢がよく作られます。
1. 言い回しの違い
- 「長期連用しないこと」:かぜ薬、解熱鎮痛薬などの薬効群全体、外用鎮痛消炎薬(インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン、ピロキシカム)、鼻炎用点鼻薬、外用痔疾用薬、アルミニウムを含む胃腸薬、ステロイド性抗炎症成分を含む外用薬など
- 「連用しないこと」:ヒマシ油(瀉下薬)、浣腸薬(成分によらず。感受性の低下(いわゆる"慣れ")が生じて習慣的に使用される傾向があるため)
- 「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」:カフェインを含む眠気防止薬、グリチルリチン酸を一定量以上含む短期間の服用に限られる漢方生薬製剤
- 「症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」:芍薬甘草湯
- 「1週間以上継続して服用しないこと」:ビスマスを含む止瀉薬
- 「大量に使用(服用)しないこと」:センナ、センノシド、ダイオウ、ビサコジル等の刺激性瀉下成分が配合された瀉下剤(腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれ)
2. グリチルリチン酸と偽アルドステロン症
偽アルドステロン症は、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態です。副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、この名前で呼ばれています。主な症状は手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、喉の渇き、吐きけ・嘔吐等で、低身長、低体重など体表面積が小さい者や高齢者で生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もあります。
第3章では、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は長期連用を避けるとされています。また、医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が200mgを超えないよう用量が定められていますが、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、グリチルリチン酸二カリウムは甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられているため、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要があります。
3. 実務での伝え方
「長期連用しないこと」の多くは、「使い続けても良くならないなら別の原因を疑う」というメッセージです。購入者が同じ薬を続けて使っている場合は、症状が続く理由を確かめ、必要に応じて医療機関の受診を勧めます。偽アルドステロン症が疑われる症状に気付いたら、直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医師の診療を受けることが重要です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅰ-1)「添付文書の読み方」・別表5-1(連用に関する注意) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

