電験三種(第三種電気主任技術者)がどんな資格かを、電気事業法と電気技術者試験センターの公表情報で整理します。一種・二種との違い、4科目の試験の仕組み、科目合格、申込みから免状の交付申請までの手続きを1つの表で確認できます。
目次
結論:電験三種は、第三種電気主任技術者の略称で、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)の保安監督ができる国家資格です。受験に制限はなく、理論・電力・機械・法規の4科目に合格して、免状の交付を受けます。
電験三種とは?第三種電気主任技術者の資格と、一種・二種の違い
電験三種とは第三種電気主任技術者のことで、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)の保安を監督できる国家資格です。
事業用電気工作物には、高圧や特別高圧で受電するビル・工場の電気設備や、電気事業用の発電所、変電所、送電線などがあります。主任技術者は、その設備の安全を見守る、電気の安全責任者のようなものです。
| 資格 | 保安を監督できる設備 | 試験 |
|---|---|---|
| 第一種電気主任技術者 | すべての事業用電気工作物 | 一次試験と二次試験 |
| 第二種電気主任技術者 | 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物 | 一次試験と二次試験 |
| 第三種電気主任技術者(電験三種) | 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く) | 一次試験のみ(4科目) |
出典:電気技術者試験センター 電気主任技術者の資格概要(2026-10-31 確認)
事業用電気工作物を設置する人は、原則として、主任技術者免状の交付を受けている人の中から主任技術者を選ぶ義務があります(電気事業法43条1項)。自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)では、国の許可を受けて免状のない人を選ぶ例外もあります(同条2項)。
選ばれる仕組みや仕事は電験3種で何ができる?で、電気工事士との違いは電気工事士と電験の違いで整理しています。
主任技術者に関する決まりを問う問題です。
試験の仕組み:4科目・五肢択一・合格基準は各科目で原則60点
試験は理論・電力・機械・法規の4科目で、どれも五肢択一式です。合格基準は、各科目とも原則60点です。
| 科目 | 科目の内容 | 試験時間 | 解答数 |
|---|---|---|---|
| 理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 | 90分 | A問題14題・B問題3題(選択問題を含む) |
| 電力 | 発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路の設計及び運用、電気材料 | 90分 | A問題14題・B問題3題 |
| 機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、自動制御など | 90分 | A問題14題・B問題3題(選択問題を含む) |
| 法規 | 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理 | 65分 | A問題10題・B問題3題 |
出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要、令和8年度上期受験案内(科目と範囲、試験日程。2026-10-31 確認)
合格基準:各科目ともに原則60点。試験の難易度等から合格基準を調整する場合があります。最終確認日:2026-10-31。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期受験案内。
解き方は、マークシートに記入する筆記方式と、パソコンで解答するCBT方式のどちらか1つです。両方は受けられません。使える電卓は、四則演算と開平計算(√)ができるもので、関数電卓などは使えません(電卓の記事)。
難しさの目安として、令和7年度(上期・下期の合計)は受験者48,942人に対して4科目合格者が6,365人で、割ると約13.0%です。
令和8年度上期は、センターの発表で受験者25,127人・4科目合格者3,223人・合格率12.8%でした。
合格率:最終確認日:2026-10-31。出典:電気技術者試験センター 試験結果と推移、令和8年度上期試験の結果。令和7年度の約13.0%は、センターの人数からの計算値。
年度ごとの推移と読み方は合格率の分析で扱います。
科目ごとの解答数と時間の使い方は科目別の勉強時間、CBT方式の予約はCBT方式の解説に詳しくあります。
科目合格:4科目を1回で受からなくてもよい
4科目のうち一部だけ合格した場合は科目合格となり、申請により最大で連続5回まで、その科目の試験が免除されます。
スタンプカードのようなもので、1回で4つ集めなくても、期限内なら集めたスタンプを持ち越せます。ただし免除は自動ではなく、申込みのたびに、科目合格している科目の免除を申請します。
| 科目合格した試験 | 免除を使える最後の試験 |
|---|---|
| 令和6年度上期 | 令和8年度下期 |
| 令和6年度下期 | 令和9年度上期 |
| 令和7年度上期 | 令和9年度下期 |
| 令和7年度下期 | 令和10年度上期 |
| 令和8年度上期 | 令和10年度下期 |
出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期受験案内(科目別合格制度。上期・下期をそれぞれ1回と数える。2026-10-31 確認)
免除の申請の手順と、申請を忘れたときの扱いは科目合格の記事で確かめられます。
申込みから免状まで:手続きを時間の順に並べる
電験三種は、申込み、受験、結果の確認、免除の申請、免状の交付申請の順に進みます。窓口はどれも電気技術者試験センターです。
| 順 | 手続き | 決まりと注意 |
|---|---|---|
| 1 | 受験の申込み | 原則インターネット。年2回(上期・下期)。受験手数料は7,700円(書面は8,100円)で、事務手数料は別。試験日と申込み |
| 2 | 受験 | 筆記方式かCBT方式。CBT方式は会場の予約が要り、予約できないと、どちらの方式でも受験できない。CBT方式の解説 |
| 3 | 結果の確認 | 結果発表日に、センターのホームページで確認する。受験者はマイページで得点も見られる。合格発表 |
| 4 | 科目合格の免除申請 | 科目合格した人は、次の申込みのときに免除を申請する。科目合格 |
| 5 | 免状の交付申請 | 4科目に合格した人は、結果通知書に同封の免状交付申請書をセンターに提出する。免状が交付されるまでは、申請からおよそ2か月 |
出典:令和8年度上期受験案内、電気主任技術者の免状交付(2026-10-31 確認)
令和8年度下期の日程と受験手数料:申込受付は2026年11月9日(月)10時〜11月26日(木)17時。一次試験はCBT方式が2027年2月4日〜2月28日、筆記方式が3月21日。受験手数料はインターネット申込み7,700円、郵送の書面申込み8,100円(どちらも非課税)。最終確認日:2026-10-31。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験。
試験を受けずに免状を取る道と、免状のあと
電験三種の免状は、試験に合格する道のほかに、学歴や資格と実務経験で受ける道があります。電気事業法44条2項は、この2つを別の号で定めています。
| 道 | 根拠 | 申請先 |
|---|---|---|
| 試験に合格する | 電気事業法44条2項2号(電気主任技術者試験に合格した人) | 試験センター |
| 学歴や資格と実務経験で認定を受ける | 電気事業法44条2項1号(経済産業省令で定める学歴又は資格及び実務の経験を有する人) | 各地域の産業保安監督部 |
出典:電気事業法(e-Gov法令検索)、電気技術者試験センター 電気主任技術者の免状交付(2026-10-31 確認)
認定に必要な学歴と実務経験の年数は電験3種の受験資格と認定に表でまとめています。第二種電気工事士から第一種電気工事士・電験三種へ進む順番は第二種電気工事士からのステップアップで整理しています。
試験の形をつかんだら、4科目を1問ずつ解いて出発点を知ろう
電験三種は、受験に制限がなく、4科目を1回で受けなくても、科目ごとに進められる試験です。理論・電力・機械・法規から1問ずつ解き、手が止まった科目の記事から読みましょう。勉強の順番と時間の決め方は電験三種の勉強方法にあります。
合格ナビの電験三種の問題一覧には、4科目で356問を載せています。科目ごとの数は次のとおりです。
| 科目 | 合格ナビの問題数 |
|---|---|
| 理論 | 87問 |
| 電力 | 90問 |
| 機械 | 89問 |
| 法規 | 90問 |
出典:合格ナビの問題データ(電験三種の4科目・計356問、集計日 2026-10-31)。合格ナビの問題の数で、本試験の出題割合ではありません。本試験の解答数は、上の「試験の仕組み」の表のとおりです。
よくある質問
Q電験三種の資格に、有効期限はありますか?
電気技術者試験センターは、電気主任技術者の資格には更新制度がなく、一度取得すれば原則有効と案内しています。出典:電気技術者試験センター 電気主任技術者の資格概要(2026-10-31 確認)。
Q電験三種を取ると、電気工事士の資格も試験なしで取れますか?
センターは、電気主任技術者は実務経験等だけで第一種電気工事士と認定電気工事従事者の資格を取得できると案内しています。第一種電気工事士免状は、電気主任技術者免状を取得したあと5年以上、電気工作物の工事、維持または運用の実務に従事していた人が、都道府県知事に申請して受けられます。条件の細かい中身は、申請先の窓口で確かめてください。出典:電気技術者試験センター 電気主任技術者の資格概要、電気工事士の免状交付(2026-10-31 確認)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

