電験三種 理論のコツと出題傾向を、令和4年度上期〜令和8年度上期の問題冊子9回分で数えました。問1〜4は電磁気、問10は過渡現象など問題番号ごとの分野、再出題の実例、例題2問の検算、理論の合格率をセンターの資料でまとめます。
目次
結論:電験三種の理論は、問題番号ごとの分野がほぼ決まっています。令和4年度上期〜令和8年度上期の問題冊子9回分では、問1・2が静電気、問3・4が磁気、問5〜7が直流回路、問8・9が交流回路、問10がスイッチ操作後の過渡現象、問11〜13が電子、問14が電気計測・単位でした。令和8年度上期は、A問題14問のうち3問(15点分)が過去の回と同じ設定・同じ数値でした。コツは、問題番号ごとに解き方の型を作り、過去の問題で確かめておくことです。
| 問題 | 配点 | 分野 | 9回のうち |
|---|---|---|---|
| 問1・問2 | 各5点 | 静電気(コンデンサ・点電荷・導体球) | 18問すべて |
| 問3・問4 | 各5点 | 磁気(磁気回路・電磁力・電磁誘導) | 18問すべて |
| 問5〜問7 | 各5点 | 直流回路(合成抵抗・電池・電力・コンデンサの接続) | 27問中26問 |
| 問8・問9 | 各5点 | 交流回路(RLC・共振・電力・波形率) | 18問すべて |
| 問10 | 5点 | スイッチ操作後の回路(過渡現象)・コイルの電圧 | 9回すべて |
| 問11 | 5点 | 半導体(ダイオード・FET・ホール素子) | 9回すべて |
| 問12 | 5点 | 電子の運動・熱電対・核反応など | 9回すべて |
| 問13 | 5点 | 電子回路(トランジスタ・FET増幅・オペアンプ・発振) | 9回中8回 |
| 問14 | 5点 | 電気計測・単位(計器・SI組立単位・二電力計) | 9回すべて |
| 問15(B) | 10点 | 三相交流 | 9回中8回 |
| 問16(B) | 10点 | 電気計測(倍率器・ブリッジ・電圧計と電流計) | 9回中8回 |
| 問17(B・選択) | 10点 | 静電界(コンデンサ・導体球) | 9回中8回 |
| 問18(B・選択) | 10点 | 電子回路(増幅・オペアンプ・変調・パルス回路) | 9回すべて |
この表は、電気技術者試験センターが公表した理論の問題冊子(令和4年度上期・令和4年度下期・令和5年度上期・令和5年度下期・令和6年度上期・令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期)の全問を、合格ナビ編集部が各問の冒頭文と図を読んで分野に分け、数えたものです(2026-10-04 集計)。分類の境界は当サイトの判断です。例外は、令和7年度上期 問5(RLC回路でコンデンサの電荷が抵抗で消費されるエネルギー)、令和6年度上期 問13(コイルの内部抵抗を含む共振回路の等価変換)、令和6年度上期 問15(単相の交流回路)、令和7年度下期 問16(直流回路)、令和8年度上期 問17(環状コイルの磁束)の5問でした。
電験三種 理論の問題数・配点・合格基準
理論の範囲は、センターの試験概要で「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測」と示されています(第三種電気主任技術者の試験概要)。構成は次のとおりです。
- 試験時間: 90分。令和8年度上期の筆記方式は9:15〜10:45でした(法規だけ65分)
- 構成: A問題14題(各5点)とB問題3題(各10点。小問(a)(b)が各5点)。令和8年度上期の受験案内でも、理論はA問題14題、B問題3題(選択問題を含む)です
- 選択問題: B問題の問15・問16は全員が解答し、問17と問18はどちらか1問を選びます。冊子には「問17 と問18 は選択問題です。どちらか1問を選択してください。選択問題は両方解答すると採点されません。」と書かれています
- 合格基準: 各科目原則60点
電験三種 理論の試験時間と合格基準:試験時間は90分、合格基準は各科目原則60点(試験の難易度等から調整する場合があります)。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内(5頁・7頁)。
令和8年度上期の筆記方式では、理論の合格基準は60点以上(100点満点)でした(電気技術者試験センター お知らせ 2026年9月14日)。A問題14題(70点)とB問題3題(30点)の合計が100点で、問題番号と配点の対応は冒頭の表のとおりです。
理論の出題傾向:問題番号ごとの分野は9回ほぼ同じ
冒頭の表を配点で足し直すと、100点は次のように分かれます。問17と問18は片方だけ解答するので、B問題は3題分の30点です。
| 分野 | 該当する問題 | 配点 |
|---|---|---|
| 静電気・磁気 | 問1〜4 | 20点 |
| 直流回路 | 問5〜7 | 15点 |
| 交流回路 | 問8・9 | 10点 |
| 過渡現象 | 問10 | 5点 |
| 電子 | 問11〜13 | 15点 |
| 電気計測・単位 | 問14 | 5点 |
| B問題(三相交流・電気計測・選択) | 問15・16・17/18 | 30点 |
問10は、9回すべてで「スイッチを操作したあと、時間とともに変わる回路の電流・電圧」を扱っています。中身は次のとおりです。
| 回 | 問10の内容 |
|---|---|
| 令和4年度上期 | 充電したコンデンサと電荷のないコンデンサをスイッチで接続し、抵抗で消費されるエネルギーを求める |
| 令和4年度下期 | スイッチを閉じたあとの電流の波形を選ぶ |
| 令和5年度上期 | コイルを流れる電流の時間変化から、コイルの端子間電圧の最大値を求める |
| 令和5年度下期 | コンデンサのスイッチ切換後の記述の誤りを選ぶ |
| 令和6年度上期 | スイッチを閉じたあとの電流の波形を選ぶ |
| 令和6年度下期 | スイッチを閉じた瞬間と定常状態の電流の比を求める |
| 令和7年度上期 | スイッチを閉じたあとの電流の波形を選ぶ |
| 令和7年度下期 | 抵抗を変えたときのコイルの電流波形の変化を選ぶ |
| 令和8年度上期 | RL回路でスイッチを閉じたあとの電流・電圧の記述の誤りを選ぶ |
問11〜13の電子は、令和8年度上期(問11が不純物半導体、問12が重陽子の核反応)と令和7年度下期(問11がダイオード、問13が水晶振動子)で、3問のうち2問が文章の記述問題でした。計算は、問13のFET増幅回路など回路を読む問題が中心です。
同じ問題が戻ってくる:令和8年度上期の3問
過去の問題との照合では、令和8年度上期のA問題14問のうち、3問が過去の回と同じ設定・同じ数値でした。
| 令和8年度上期 | 同じ設定の問題 | 内容 | 違うところ |
|---|---|---|---|
| 問6 | 令和4年度上期 問6 | 直列に充電した2つのコンデンサを並列に接続したときの電圧 | 選択肢の並び(正答の値8/3 Vは同じ) |
| 問8 | 令和4年度下期 問9 | RC交流回路の電源電圧と消費電力 | 文の言い回しと選択肢の並び(正答は20 Vと96 Wで同じ) |
| 問14 | 令和5年度上期 問14 | 二電力計法で測定した三相電力 | 選択肢の並び(正答の値465 Wは同じ) |
3問で15点分です。ほかに、令和6年度上期 問5は令和5年度上期 問5と、令和6年度上期 問17は令和5年度下期 問17と、問題文の文字列が一致しました(図は比べていません)。見つけ方は、各回の問題文を前の回の全問と文字列で比べる方法で、選択肢が図の問題は比べていないため、確認できたのは最低でもこの5組です。今後の回で同じことが続く保証はありませんが、令和4年度以降の問題を解いておくと、そのまま得点につながる場合があります。
この論点の問題を解く:
理論のコツ:問題番号ごとの型を決めておく
上の集計から言えることを、コツとして整理します。
- ① 問1〜4(20点)は、式と単位を確かめる問題。静電気はコンデンサの電荷・電圧・エネルギー、磁気は電流がつくる磁界・電磁力・コイルの磁束が中心です。計算は、問題文の数値を式に入れる形が中心です
- ② 問5〜10(30点)は、回路を解く型を決める。直流回路は合成抵抗・電池の内部抵抗・キルヒホッフの法則、交流回路はRLCの電流と電力・共振、問10は過渡現象(時定数)です。直流回路の型はキルヒホッフの法則の例題とテブナンの定理で扱っています
- ③ 問11〜13・問18(電子)は、記述問題を取りこぼさない。令和8年度上期と令和7年度下期は、問11〜13のうち2問が文章の記述問題でした。電子回路はB問題の問18でも出ます
- ④ 問14(5点)は知識で解ける問題が多い。単位の組合せの正誤は、令和5年度下期・令和6年度下期・令和7年度上期の3回で問14に出ています(令和6年度上期の問3も磁気の単位の組合せでした)
- ⑤ 選択問題は、先に決めておく。問17(静電界)と問18(電子回路)のどちらを解くか、A問題の得意分野に合わせて決めておくと、試験中に迷う時間が減ります
- ⑥ 選択肢が数値の問題は、別の式で検算する。「最も近いものを」という文は、令和8年度上期の理論の冊子に10回あります(令和6年度下期13回・令和7年度上期11回・令和7年度下期12回)。選択肢が近い値で並ぶことがあるので、途中で丸めすぎないこと、答えが出たら別の式や逆算で確かめることが大切です。試験で使える電卓は四則演算と開平計算(√)ができるものだけで、関数電卓は使えません
公式の一覧は電験3種の公式一覧に、使う数学の整理は同記事の「電験3種の数学」にまとめています。
例題1:コンデンサの電荷の保存(令和8年度上期 問6)
直列に充電した2つのコンデンサを、電源から切り離して並列につなぐ問題です。
図1 に示すように,静電容量 C₁=4 μF と C₂=2 μF の二つのコンデンサが直列に接続され,直流電圧6 V で充電されている。次に電荷が蓄積されたこの二つのコンデンサを直流電源から切り離し,電荷を保持したまま同じ極性の端子同士を図2 に示すように並列に接続する。並列に接続後のコンデンサの端子間電圧の大きさV[V]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 32/3 (2) 4/3 (3) 16/3 (4) 8/3 (5) 2/3
出典:令和8年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問6(一般財団法人電気技術者試験センター)。図1・図2は省略しました。
解き方1(電荷から求める)
- 直列の合成容量:C=4×2÷(4+2)=4/3 μF
- 直列に接続したコンデンサの電荷は等しく、Q=(4/3)×6=8 μC
- 並列にすると、電荷の合計は変わらず 8+8=16 μC、合成容量は 4+2=6 μF
- 端子間電圧:V=16÷6=8/3 V(約2.67 V)
答えは(4)です。公式の解答も(4)です(令和8年度上期 解答)。
解き方2(充電時の電圧から求める):充電時の各コンデンサの電圧は、V₁=8÷4=2 V、V₂=8÷2=4 V で、合計6 Vと合います。並列にすると電圧は、容量で重みをつけた平均になります。V=(4×2+2×4)÷(4+2)=16÷6=8/3 V。解き方1と一致します。
検算(エネルギー):接続前のエネルギーは ½×4×2²+½×2×4²=8+16=24 μJ。接続後は ½×6×(8/3)²=21.3 μJ で、約2.7 μJ 減ります。電圧が違うコンデンサをつなぐと、電荷が移動する間に損失が出るためで、エネルギーが増えていないことの確認になります。
この問題は、令和4年度上期 問6と同じ設定です。同じ「電荷の保存」の考え方を使う問題を解く:
- 充電したコンデンサと電荷のないコンデンサの並列接続(令和7年度上期 問1)
- 二つのコンデンサを接続した回路の記述の誤り(令和4年度下期 問6)
- コンデンサを並列に接続したときの電気エネルギー(令和4年度上期 問10)
例題2:二電力計法と逆振れ(令和8年度上期 問14)
三相電力を2台の電力計で測る問題です。電力計の指針が逆に振れたときの扱いがポイントです。
図のように,線間電圧200 V の対称三相交流電源から三相平衡負荷に供給する電力を二電力計法で測定する。2 台の電力計 W₁ 及び W₂ を正しく接続したところ,電力計 W₂ の指針が逆振れを起こした。電力計 W₂ の電圧端子の極性を反転して接続した後,2 台の電力計の指示値は,電力計 W₁ が490 W,電力計 W₂ が25 W であった。このときの対称三相交流電源が三相平衡負荷に供給する電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相交流電源の相回転はa,b,c の順とし,電力計の電力損失は無視できるものとする。
(1) 490 (2) 25 (3) 515 (4) 465 (5) 258
出典:令和8年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問14(一般財団法人電気技術者試験センター)。図は省略しました。
解き方1(二電力計法の式)
- 二電力計法では、2台の電力計の指示値の和が三相の電力になります
- 極性を反転して読んだ25 Wは、もともと逆に振れた値なので、W₂=−25 W として足します
- P=W₁+W₂=490+(−25)=465 W
答えは(4)です。公式の解答も(4)です。単純に和をとった515 W は選択肢(3)で、逆振れを見落とした場合の答えです。
解き方2(力率から確かめる):W₁=490 W、W₂=−25 W のとき、無効電力は Q=√3×(W₁−W₂)=√3×515≒892 var。皮相電力は S=√(465²+892²)≒1,006 VA、力率は 465÷1,006≒0.462(力率角は約62.5°)です。力率角が60°(力率0.5)を超えると、W₂ は負になります。
検算(逆算):線電流は I=1,006÷(√3×200)≒2.90 A。W₁=200×2.90×cos(30°−62.5°)≒490 W、W₂=200×2.90×cos(30°+62.5°)≒−25 W で、問題文の値に戻ります。
この問題は、令和5年度上期 問14と同じ設定です。三相・電力・力率の問題を解く:
静電気と磁気(問1〜4・問17):式と単位を問題で確かめる
静電気はコンデンサ・点電荷・導体球、磁気は磁気回路・直線電流の磁界・電磁力が中心です。令和8年度上期は、問1がコンデンサの電極間距離を変えたときの静電容量と静電エネルギー、問3がコイルの磁束鎖交数と磁気エネルギーの穴埋め、問17が環状コイルの最大磁束(電圧を3倍、周波数を2倍にしたときの倍率)でした。電磁力・誘導起電力の向きを決めるフレミングの左手・右手の法則とレンツの法則、大きさを決めるファラデーの法則は、フレミングの法則とレンツ・ファラデーの法則の記事で整理しています。
この論点の問題を解く:
- 平行板コンデンサに誘電体を挿入したときの静電容量(令和7年度下期 問1)
- 導体球の電荷と電界・電位の関係(令和6年度上期 問2)
- 導体球の電気力線と電位(令和5年度下期 問2)
- 二枚の電極板の間の電界と電位(令和4年度下期 問1)
- コイルに流す電流と磁束の関係(令和7年度下期 問3)
- 直線導体の磁界と円形導線の磁界(令和7年度下期 問4)
- 無限長直線導体の磁界(令和7年度上期 問4)
- 強磁性体の応用に関する記述(令和5年度下期 問3)
直流回路・交流回路・過渡現象(問5〜10):回路を解く型
問5〜7の直流回路は、電池の内部抵抗を含む回路、合成抵抗、キルヒホッフの法則、電力の計算が出ます。例として令和8年度上期の問5は、内部抵抗0.1 Ω・起電力9 Vの電池4個を並列にした電源に0.5 Ωの抵抗をつないだときの消費電力で、答えは約147 W(選択肢(5))です(4個並列の内部抵抗は0.1÷4=0.025 Ω、電流は9÷(0.025+0.5)≒17.1 A、電力は17.1²×0.5≒147 W)。
問8・9の交流回路は、RLCの電流と電力、共振が出ます。問10の過渡現象は、令和8年度上期では、RL回路でスイッチを閉じたあとの時定数(時定数がRに比例するか、時定数だけ経つとコイルの電圧が電源電圧の何倍になるかなど)を問う、記述の誤りを選ぶ問題でした。「自然対数の底を2.718とする」と問題文に示され、選択肢の値(0.632倍・0.865倍など)も与えられています。そのため、eの値を自分で計算する必要はなく、時定数だけ経つと電流は最終値の63%に達し、コイルの電圧は初めの37%に下がる、という関係を知っていれば判断できます。
この論点の問題を解く:
- 電池の内部抵抗を連立方程式で求める(令和7年度下期 問6)
- 直流回路で消費される電力(令和6年度上期 問5)
- 直流回路で抵抗の電流を求める(令和6年度上期 問6)
- RLC直列共振回路の記述(令和5年度下期 問8)
- LC直列共振回路を直列に接続したときの共振周波数(令和6年度上期 問8)
- コンデンサのスイッチ切換後の電圧・電流の記述(令和5年度下期 問10)
- スイッチを閉じたあとの電流の波形(令和4年度下期 問10)
- コイルを流れる電流の変化とコイルの端子間電圧(令和5年度上期 問10)
電子・電気計測(問11〜14・問16・問18):記述と計器
電子は、ダイオード・FET・ホール素子・不純物半導体などの記述問題と、トランジスタ・オペアンプの回路を読む問題が出ます(3つの素子の違いと公式の問題はトランジスタとは?ダイオード・オペアンプもで整理しています)。電気計測は、計器の種類と単位の組合せ、電圧計・電流計の倍率器、ブリッジ回路です。
この論点の問題を解く:
- FETに関する記述(令和5年度下期 問11)
- FETの動作に関する記述(令和4年度上期 問11)
- ホール素子の動作原理(令和7年度上期 問11)
- 増幅器を縦続接続したときの電圧増幅度(令和5年度下期 問13)
- コレクタ接地増幅回路の記述(令和5年度上期 問13)
- オペアンプの回路の動作(令和4年度上期 問13)
- SI組立単位の記号と他の表し方の組合せ(令和6年度下期 問14)
- 電気に関する量と単位記号の組合せ(令和7年度上期 問14)
電験三種 理論の合格率(直近3回)
理論の合格率は、センターのプレス発表の科目別内訳で確認できます。
| 試験 | 理論の受験者 | 理論の合格者 | 理論の合格率 | 筆記方式の理論の合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 下期 | 17,266人 | 5,044人 | 29.2% | 60点 |
| 令和7年度 上期 | 17,173人 | 3,217人 | 18.7% | 60点 |
| 令和7年度 下期 | 17,087人 | 4,077人 | 23.9% | 60点 |
出典:電気技術者試験センターのプレス発表 令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期(第3表と本文の合格基準)。
電験三種 理論の合格率:令和8年度上期の理論の合格率は24.3%(受験者17,792人・合格者4,326人。最終確認日:2026-10-29。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期の結果)。令和7年度下期の理論の合格率は23.9%(受験者17,087人・合格者4,077人)。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について。
4科目の合格率の比較は電験三種の科目合格に、年度別の合格率は電験三種の合格率分析にまとめています。
理論が難しい・全くわからない人向け:点数の取り方を数える
理論の直近3回の合格率は18.7〜29.2%で、前の節の表のとおり、合格基準は筆記方式で60点でした。「難しい」と感じる人は、まず何点取れば合格かを配点で数えると、取り組む範囲が見えてきます。
| 問題 | 問数 | 配点 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 問1〜10(静電気・磁気・直流回路・交流回路・過渡現象) | 10問 | 各5点 | 50点 |
| 問11〜14(電子・電気計測・単位) | 4問 | 各5点 | 20点 |
| B問題(問15・16と、問17か問18のどちらか) | 3題 | 各10点 | 30点 |
合格基準の60点は、次の2通りで確かめられます。
- 方法1(A問題だけで数える):60点÷5点=12問。A問題14問のうち12問に正解すれば、B問題が0点でも60点です
- 方法2(落とせる点で数える):A問題の合計70点−60点=10点。A問題で落とせるのは2問(10点)までで、残り12問に正解すれば60点です
ここで言えるのは、配点の仕組みだけです。実際には、A問題で取りこぼした分をB問題で取る回り方も、その逆もあります。配点で見ると、問1〜10の10問は全体の半分(50点)を占め、前の節の集計では問題番号ごとの分野が9回ほぼ同じでした。したがって、全くわからない状態からは、次の進め方があります。
- ① 問1〜10の分野に絞って始める:静電気・磁気・直流回路・交流回路・過渡現象です。式と単位の関係は公式一覧、計算に使う数学は電験三種の数学レベルで確かめられます
- ② 1分野ずつ、公式問題を1問解いて、解説で確かめる:例えば静電気は平行板コンデンサに誘電体を挿入したときの静電容量(令和7年度下期 問1)、直流回路は電池の内部抵抗を連立方程式で求める(令和7年度下期 問6)から確かめられます
- ③ 電卓は√キーのあるものを使う:関数電卓は使えません(電験3種の電卓)
- ④ 理論だけを先に受けることもできる:科目ごとに合否が決まり、一部の科目だけ合格した場合は、申請により最大で連続5回まで、その科目の試験が免除されます(センターの試験概要)。免除は自動では適用されません
「理論は捨てて、ほかの科目で取る」という進め方は、各科目に合格基準があり(原則60点)、4科目すべてに合格する必要があるため、理論を受けずに合格することはできません。理論を後回しにして、先に別の科目で科目合格を取る進め方はあります。必要な勉強時間は、センターが公表していません。
理論の学習順序の例
配点の大きい順に並べると、次の順に進める方法があります。問17と問18は片方だけ解答するので、合計は100点です。
- ① 回路(問5〜10・問15):A問題30点+B問題の三相交流10点。直流→交流→三相交流→過渡現象の順に進めます
- ② 静電気・磁気(問1〜4・問17):A問題20点+選択問題の静電界10点
- ③ 電子(問11〜13・問18):A問題15点+選択問題の電子回路10点
- ④ 電気計測・単位(問14・問16):A問題5点+B問題の計測10点
各分野にかける時間は、受験日から逆算して決めてください(必要な勉強時間は試験センターが公表していません)。科目ごとの勉強時間の考え方は電験三種の科目別の勉強時間にまとめています。
まとめ
電験三種の理論は、問題番号と分野の対応がほぼ決まっていて、過去の問題と同じ設定の問題も戻ってきます。問題番号ごとの型を作り、令和4年度以降の問題で確かめておくと、得点の取り方が見えてきます。
よくある質問
Q電験三種の理論は、問題番号ごとに出る分野が決まっていますか?
令和4年度上期〜令和8年度上期の問題冊子9回分では、問1・2は静電気、問3・4は磁気、問5〜7は直流回路、問8・9は交流回路、問10はスイッチ操作後の過渡現象(コイルの電圧を含む)、問11〜13は電子、問14は電気計測・単位でした。B問題は、問15が三相交流(9回中8回)、問16が電気計測(9回中8回)、問17・問18は選択問題で、問17は静電界(9回中8回)、問18は電子回路(9回すべて)でした。分類と回数は合格ナビ編集部が問題冊子を読んで数えたものです(2026-10-04 集計)。
Q理論は過去の問題がそのまま出ますか?
令和8年度上期の理論では、A問題14問のうち問6(令和4年度上期 問6と同じ)、問8(令和4年度下期 問9と同じ)、問14(令和5年度上期 問14と同じ)の3問が、設定も数値も同じでした(違いは選択肢の並びと、問8では文の言い回し)。3問で15点分です。今後の回も同じとは限りませんが、過去の問題を解いておく意味の一つです。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験の問題と解答。
Q理論の試験で電卓は使えますか?関数電卓は?
センターの試験概要では、四則演算と開平計算(√)を行うための電卓を使用でき、数式が記憶できる電卓・関数電卓・印字機能を有する電卓は使用できないとされています。理論には√や分数の計算が出るため、√キーのある電卓を使います。自然対数の底など指数の値は、問題文に「自然対数の底を2.718とする」と示される回があります(令和8年度上期 問10)。sinやcosは、関数電卓が使えないため電卓では求められず、30°・45°・60°の値を覚えておく必要があります(令和7年度上期 問8は sin45°=1/√2 を使います)。詳しくは電験3種の電卓で整理しています。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要。
Q理論のB問題の選択問題(問17・問18)は、どちらを選べばよいですか?
問題冊子には「問17 と問18 は選択問題です。どちらか1問を選択してください。選択問題は両方解答すると採点されません。」と書かれています。9回分では、問17は静電界(コンデンサ・導体球)が8回、問18は電子回路(増幅・オペアンプ・変調など)が9回でした。どちらが向くかは人によって違うので、A問題の問1〜2(静電気)が得意なら問17、問11〜13(電子)が得意なら問18のように、得意な分野に合わせて、試験の前に決めておく方法があります。
Q理論で得点を伸ばすコツは何ですか?
本記事の集計から、次の3つが言えます。①問題番号ごとに分野がほぼ決まっているので、問番号ごとに解き方の型を作る。②過去の問題と同じ設定・同じ数値の問題が戻ってくるため、令和4年度以降の問題を解いておく。③選択肢が「最も近いもの」の計算問題は、公式に代入した後で別の式や逆算で確かめる。例題は本文の例題1・例題2で2通りの解き方を示しています。
Q理論が難しくて全くわからないのですが、何から始めればよいですか?
理論は100点満点で、A問題14問(各5点)とB問題3題(各10点)の構成です。問1〜10の10問で50点、問11〜14の4問で20点、B問題で30点を占めます。合格基準は原則60点なので、B問題が0点でもA問題14問のうち12問に正解すれば60点に届きます(60÷5=12問。または、A問題の70点から60点を引いた10点=2問分まで落とせると数えても同じです)。問題番号ごとの分野は9回ほぼ同じだったため、全範囲を一度に進めず、問1〜10の静電気・磁気・直流回路・交流回路・過渡現象から1分野ずつ、公式問題で確かめる進め方があります。センターの問題と解答のページには解説が載っていないため、問題の意味が分からないときは基礎を補う本や解説つきの問題集が別に要ります。ただし、この順なら合格できるという保証や、必要な勉強時間の目安は、この記事では示しません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

