電験三種 電力科目の攻略法。発電(水力・火力・原子力・再生可能エネルギー)・変電・送電・配電・電気材料の出題範囲を電気技術者試験センターの公表内容で整理し、公式の使い方と学習の進め方を解説します。
電験三種の電力は、発電→変電→送電→配電の電力系統全体を扱う科目です。試験範囲は電気技術者試験センターの試験概要で「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料」と示されています。本記事では出題範囲の体系・押さえたい公式・再生可能エネルギーまわりの論点・学習の進め方を整理します。
電力科目の概要
- 試験時間: 90分
- 構成: A問題14問(各5点)+B問題3問(各10点)。令和7年度下期の試験問題で確認(出典:電気技術者試験センター 令和7年度下期 電力)
- 合格基準: 各科目原則60点
電験三種 電力の試験時間と合格基準:試験時間は90分、合格基準は各科目原則60点(試験の難易度等から調整する場合があります)。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内。
出題範囲の体系
1. 発電
#### 水力発電
- 水車(ペルトン水車・フランシス水車・カプラン水車)
- 出力公式 P=9.8QHη
- 揚水発電・調整池発電
#### 火力発電
(仕組みと熱効率の計算は火力発電の仕組みと熱効率で整理しています)
- ボイラ・タービン・復水器・給水ポンプ
- 熱効率 η=860P/(BH)
- コンバインドサイクル発電・コージェネレーション
#### 原子力発電
- 軽水炉(PWR/BWR)
- 燃料サイクル
#### 再生可能エネルギー(脱炭素DXの流れ)
- 太陽光発電: パワーコンディショナ・系統連系・最大電力追従制御(MPPT)
- 風力発電: P=1/2ρAv³η(風速の3乗に比例)
- 地熱発電: フラッシュ式・バイナリ式
- バイオマス発電
- 系統用蓄電池: リチウムイオン電池・充放電効率
2. 変電
- 変圧器(油入/モールド/ガス絶縁・電圧変動率)
- 遮断器(VCB/GCB/OCB)
- 断路器・避雷器
- 変成器(CT・VT)
- 継電器(過電流継電器・地絡継電器・距離継電器)
- 保護協調
3. 送電
- 架空送電線(電線・がいし・支持物)
- 地中送電線(CVケーブル・OFケーブル)
- 電圧階級(66kV/154kV/275kV/500kV)
- コロナ放電・臨界電圧
- 誘導障害(静電誘導・電磁誘導)
- 中性点接地方式(直接接地・抵抗接地・PC接地)
- 安定度(同期化力・等面積法)
4. 配電
- 配電方式(単相2線式・単相3線式・三相3線式・三相4線式)
- 高圧配電(6,600V標準)
- 低圧配電(100V/200V/400V)
- 電圧降下計算
- 配電損失
- 力率改善(進相コンデンサ容量)
5. 電気材料
- 絶縁材料(油・SF6ガス・固体絶縁)
- 導電材料(銅・アルミニウム)
- 磁性材料(ケイ素鋼板・アモルファス)
必ず暗記すべき公式11選
| # | 公式 | 用途 |
|---|---|---|
| 1 | P=9.8QHη | 水力発電出力 |
| 2 | η=3600P/(BH) | 火力発電熱効率(Hがkcal/kgなら860P/(BH)) |
| 3 | P=1/2ρAv³η | 風力発電エネルギー |
| 4 | v=I(R cosθ+X sinθ) | 単相3線式電圧降下 |
| 5 | v=√3 I(R cosθ+X sinθ) | 三相3線式電圧降下 |
| 6 | X=2πfL | 送電線リアクタンス |
| 7 | ε=p cosθ+q sinθ | 変圧器電圧変動率 |
| 8 | %Z=I_n×Z/V_n×100 | パーセントインピーダンス |
| 9 | I_s=I_n×100/%Z | 短絡電流 |
| 10 | E_o=24.3 m_o δ d log(D/r) | コロナ臨界電圧 |
| 11 | Q=P(tanθ_1-tanθ_2) | 力率改善コンデンサ容量 |
理論・電力・機械・法規をまたぐ公式は電験3種の公式一覧にも整理しています。
再生可能エネルギー・蓄電設備・系統連系の論点
電力科目の内容には「蓄電所」の設計・運転が含まれます(出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者の試験概要)。再生可能エネルギーまわりでは、次の論点を整理しておくと発電・送配電の学習とつながります。
再生可能エネルギー
- メガソーラー: パワーコンディショナの効率・系統連系時の電圧変動
- 風力発電: 風速とエネルギーの3乗則・洋上風力発電
- 系統用蓄電池: リチウムイオン電池の充放電効率・系統安定化への寄与
系統連系
- パワーコンディショナ: 単独運転検出機能・力率制御
- 電圧変動・周波数変動: 太陽光発電の連系時の系統安定化
学習順序の例
1. 発電方式の特徴比較(暗記中心。水力の理論出力は水力発電の理論式の問題で単位から確かめられます)
2. 変電所の機器構成
3. 送電線の特性
4. 配電方式と電圧降下計算(計算問題の中心)
5. 電気材料
6. 再生可能エネルギー・系統連系
7. 過去問演習
電力は交流回路の理解が前提になる分野が多いため、電験三種 理論のコツと出題傾向も合わせて確認してください。各分野にかける時間は、受験日から逆算して決めてください(必要な勉強時間は試験センターが公表していません)。
得点を伸ばす4つのコツ
1. 発電方式は表で比較:水力/火力/原子力/再エネの長所・短所・効率を表で整理
2. 配電線電圧降下は必ず公式に当てはめる:単相2線・単相3線・三相3線式で公式が違う(三相3線式配電線の電圧降下率の問題で使い方を確認できます)
3. 送電線のコロナ放電は条件で覚える:気圧・湿度・電線太さで臨界電圧が変化
4. B問題は計算問題:令和7年度下期の電力B問題は、火力発電所の発電端効率(問15)と三相3線式配電線の計算(問16)などでした(出典:電気技術者試験センター 令和7年度下期 電力)
まとめ
電験三種の電力は、論点が広い科目です。発電・変電・送電・配電・電気材料の5分野を表で整理し、配電線の電圧降下計算や力率改善コンデンサ容量の計算は公式の意味まで理解して使えるようにしておきましょう。
本サイトでは電験三種 電力の問題90問を、登録不要で解くことができます。各問に3段階の解説が付いています(2026-10-02 時点)。電力の問題を解く
よくある質問
Q電験三種の電力科目はどのくらい難しいですか?
電力は発電→変電→送電→配電の電力系統全体を扱う科目で、論点が広いのが特徴です。文章問題と計算問題の両方が出るため、各設備の役割と公式の使い方をセットで押さえるのが基本です。過去の試験問題は電気技術者試験センターが公表しており、当サイトでも電力の問題を解くことができます。
Q電力はどの順番で勉強すればよいですか?
理論の交流回路・三相交流を先に固めてから電力に進むと、電圧降下や短絡電流の計算が理解しやすくなります。必要な勉強時間は電気技術者試験センターが公表していないため、受験日から逆算して週ごとの計画を立ててください。
Q電力の出題範囲は?
電気技術者試験センターの試験概要では、電力は「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料」と示されています。本記事では、発電・変電・送電・配電・電気材料の5分野に分けて整理しています。
Q電力の試験範囲に蓄電設備や再生可能エネルギーは含まれますか?
電気技術者試験センターの試験概要では、電力科目の内容に「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転」が含まれています。太陽光・風力などの再生可能エネルギーや蓄電設備の論点は、発電と系統(送電・配電)の分野で整理しておくと安心です。
Q電力で必ず暗記すべき公式は?
【水力発電出力】P=9.8QHη(流量Q[m³/s]・落差H[m]・効率η)、【火力発電熱効率】η=3600P/(BH)(P[kW]・燃料消費B[kg/h]・発熱量H[kJ/kg]。発熱量をkcal/kgで与える場合は860P/(BH))、【風力発電エネルギー】P=1/2ρAv³η(空気密度ρ・受風面積A・風速v)、【単相3線式電圧降下】v=I(R cosθ+X sinθ)、【三相3線式電圧降下】v=√3 I(R cosθ+X sinθ)、【送電線リアクタンス】X=2πfL、【変圧器電圧変動率】ε=p cosθ+q sinθ+(q cosθ-p sinθ)²/200、【パーセントインピーダンス】%Z=I_n×Z/V_n×100、【短絡電流】I_s=I_n×100/%Z、【コロナ臨界電圧】E_o=24.3 m_o δ d log(D/r)、【力率改善コンデンサ容量】Q=P(tanθ_1-tanθ_2)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

